「私立中学校～ここが自慢！」⑪上宮学園

人間力を磨くための道標（みちしるべ）、「上宮ルーブリック」

近鉄線大阪上本町駅より徒歩6分。大阪の中心地にありながら閑静な住宅街で環境に恵まれた上宮学園。2020年には創立130周年を迎え、ネイティブ教員によるオールイングリッシュの授業を増強、コースを一新し、難関国公立大学を目指すための態勢作りにも磨きをかけています。

本校では浄土宗の宗祖、法然上人の教えの下、「物事を正しく見つめ明らかに行動する」ことを意味する「正思明行」の校訓が今も受け継がれており、この教えを実行する学順として「一に掃除（心身と環境の整理整頓）、二に勤行（日々の努力や精進）、三に学問（その上で学び、問うこと）」が標榜されています。

と言っても、これらの本質を中学生に理解させるのは大変難しいことです。

そこで、3年前に作られたのが、校訓や学順を具体的かつ細かな行動目標を通して可視化した「上宮ルーブリック」。

たとえば、「掃除」でいえば、「教室の清掃をしない」にはじまり、「公の場所であっても自主的に清掃できる」までの５段階で表示します。「学問」ならば、「人生における夢や目的にも無関心で、日々気ままな生活をしている」から「世の中のためになるような大志を抱いており、着実に実現に向かって進んでいる。」までがあり、その大志の実現を周囲の者から応援されていることも必要な要件とされます。これらの事柄を日常生活の中で恒常的に確認し、振り返らせることで、今の自分に何が不足しているのか、補うべき能力は何か等を気付かせていきます。

「豊かな心を育む情操教育の根幹を担うのが、この『上宮ルーブリック』です。きちんと活用することで、自分自身の成長を必ず実感できます」と末金教頭。記載されているのは宗教観ではなく、実社会の中で多様な人と関りを持ち、協働するために不可欠な項目ばかりです。

それは人間力を磨くための道標（みちしるべ）として、また6年間の成長記録としても有効な、他に例を見ないセルフチェックツールなのです。