中学受験を考えている小学生にとって保護者からの情報はかなり大きな要素になります。
中学生以上になれば横のつながり、つまり友達同士でよりよい勉強方法を模索・共有し始めますが、小学生の場合は難関校を目指すような6年生でさえそういったケースは少なく、勉強、中学受験のパートナーは先生についで保護者である場合がほとんどです。
中学生以上が横のつながりで勉強方法が伝播するのは、強制されないからです。
しかし保護者が指導に携わるとこれだけ言ってるのになぜわからないのかという気持ちが入ってしまいます。最初に優しくアドバイスしても言うことを聞いてくれないと、数を重ねるうちに当然口調も変わり、子どもはただ口うるさいと感じてしまいます。
注意ではなくアドバイスをする
一度注意してすぐに反応してくれないといらだってしまうのは誰でも同じです。そこで、注意したい気持ちをぐっと抑えて、アドバイスという形を意識し、10回くらい言った中で1回でも拾ってくれたらOKと考えて子どもに声をかけてみてください。これまで志望校に合格してきた生徒がよく言うのは、あまり保護者に怒られた記憶がないということです。しかしその中にはかつて、「お母さんに全然勉強しないと怒られる」と相談しに来た子もいます。
その家庭では、注意されることがあっても、それを大きく上回るアドバイスがあり、子どもは親にたくさん注意されてしまったというよりもたくさんアドバイスしてもらったという気持ちの方が強く残っているのです。
親子が交わす勉強に関する会話の中で、注意の割合の方が圧倒時に多い家庭と、アドバイスという感覚が圧倒的に多い家庭との差は確実に出て、子どもの意識に大きく影響します。
軌道に乗ったときに勉強量を増やす
保護者の目には、子どもが軌道にのれていない、テストで全然点が取れていないというマイナス面が焼きつきがちです。しかしうまくいっていない時に思うような結果が出ないことは実はあまり問題ではないのです。大事なのは「最近調子がノってきたな、順調にいってきたな」と思えたときに気持ちを引き締めることです。それが勉強のしどころなのです。
うまくいってないときには「ある程度でも大丈夫だよ」という姿勢で接しながら、軌道にのってきたらそこでぐっと勉強させるのがポイントです。
子どもに一番近い保護者だからこそできる、そのときどきの状況・それぞれの子どもに合った臨機応変なアドバイスを意識して、親子で勉強と上手に向き合って受験を乗り切っていただきたいと思います。
出典:「ベテラン講師による講演会シリーズ」進学教室浜学園