お子様の将来を考える保護者様へ

浜学園教育情報Tips

トップ > 北海道の大自然を味わってみませんか

北海道の大自然を味わってみませんか

執筆:北嶺中・高等学校社会教諭 石田 守克


 北嶺中・高等学校では今年から、北海道の雄大な自然や北海道の開拓の歴史を学び、少数民族のアイヌの方々の文化を学ぼうという「HOKKAIDOプロジェクト」が始まっています。その一環として中学1年生では全員参加の2泊3日で世界遺産・知床半島を訪れました。札幌を出発して北海道を東に走り、釧路から北上して野付半島、知床半島を経由して網走監獄を見学し、札幌に戻ってくるというコースです。北海道は面積が大きく、人の手がほとんど加わっていない場所も少なくありません。ここでは長い時間をかけて大自然が作った野付半島、知床半島について、少し細かく見ていきましょう。

もっと読む

野付半島は下の写真のように、沿岸を流れる波が長い時間をかけて陸地から砂を運ぶことによって形成されたものですが、このような地形を「砂嘴(さし)」と呼びます。野付半島は長さ28kmにもおよぶ日本最大の砂嘴として知られています。


↑野付半島の空中写真 


付け根の部分は標津町ですが、それより先の大部分は別海町です。聞きなれない地名かも知れませんが、別海町は古くから酪農が盛んで、あのハーゲンダッツアイスのミルクにも使用される乳牛を育てています。野付半島を東側に歩くと、ネイチャーセンターがあります。そこのガイドさんと一緒に散策をすると、目の前を鹿やキツネが歩いていたり、運が良ければアザラシに会うことも出来ます。野付半島には「トドワラ」と呼ばれるトドマツが枯死したものがたくさんあり、独特な風景を作っています。


↑トドワラ


一方、北海道初、日本では3例目の世界自然遺産に登録された知床半島ですが、「知床」という地名はアイヌ語の「シリ・エトコ(=陸地の飛び出したところ)」から来ています。名前の通り北海道の北東部から大きく突き出しており、豊かな自然がほぼ手つかずの状態で残されています。中央を知床岳や羅臼岳に代表される知床連山が走っており、断崖絶壁の海岸段丘も見ることが出来ます。どの景色も非常に壮観で、冬に行くと流氷を見ることもできます。

ちなみに世界遺産は、1960年にエジプトがナイル川の氾濫を防止し、電力を安定して得るためにダムを建設しようとした際、古代文明である「アブ・シンベル神殿」がダム湖に水没してしまうことを避けるため、各国に救済のための措置を求めたのがはじまりです。その後世界遺産条約が採択され、以後50年間にわたってこのような価値のある遺産を守ることが国際社会全体の任務であるとして歴史的・文化的な遺産が保護されてきています。


↑知床半島の豊かな自然


社会科の授業では座学だけではなく、このように学校を飛び出して行うフィールドワークが重要です。北嶺中学校ではアイヌ文化に触れるウポポイや昭和新山の探訪、美瑛・富良野の綺麗な花畑散策、北海道開拓の村や北海道博物館の現地学習などのフィールドワークがあります。どれも実際に肌で感じることが、みなさんの知的好奇心を満たすためには重要です。みなさんも外に飛び出し、教科書だけでは学べないことを学んでいきましょう。


浜学園教育情報Tips
タグ:

最新の投稿5件

タグクラウド

アクセスランキング

私立中学ここが自慢! 読めばわかる!日本地理 受験の勝負メシ by有名中学 特設学校紹介
ページのトップへ戻る