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地域の歴史を見直してみよう

執筆:北海道札幌市 北嶺中・高等学校 社会科教諭 飛田公宏


新型コロナウイルスの感染拡大によって、国や地方自治体から緊急事態宣言が出されたり、外出の自粛が求められたりする、これまで経験したことのない状況が続いていますね。そんな中で、みなさんはどのように歴史を学んでいますか。

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私は寺社や城、古戦場などを巡るのが大好きなのですが、同じく大好きなのが博物館見学です。例えば、東京国立博物館などの大規模な博物館には、一日かけても見きれないほどの展示物があり、また特別展などが企画されれば、そこでしか見ることができない貴重な歴史遺産に出会うことができますので、行けるのであればそれに越したことはありません。


しかし、日本全体がなかなか遠くの町へは行くことができない状況ですから、自分が住んでいる地域の郷土資料館などに足を運んでみてはどうでしょうか。地元の郷土資料館などは多くが無料で、学芸員の方から詳しい解説もしてもらえることも少なくありません。例えば、私が最近行ったところをいくつか紹介します。


札幌市に隣接する北広島市の「エコミュージアムセンター知新の駅」では、市民が作ったマンモス親子の立派な模型が展示されており、キタヒロシマカイギュウという絶滅したジュゴン科の哺乳類の骨格模型もあることなどから、この地に太古の生物が存在していたことを知りました。


同じく札幌市に隣接する江別市の「郷土資料館」では市内で出土した数百の土器が展示されており、続縄文文化期(本州では弥生文化の時期)の江別式土器について知ることができました。


さらに北広島市に隣接する恵庭市の「郷土資料館」では、市内で発見された縄文時代の遺跡「ガリンバ遺跡」からの出土品が目を引きます。漆塗りの装身具、複数の人が埋葬されたと思われる土坑墓(どこうぼ)など、それまで持っていた縄文時代のイメージとやや異なる出土品は貴重なものだと感じました。


あくまで一例ですが、新型コロナウイルス感染拡大にともない、いろいろな面で不自由さはありますが、こういう時だからこそ、普段見逃しがちな自分が住んでいる地域の歴史に触れ合ってみる機会にしてみはどうでしょうか。


また、本校では新型コロナウイルス感染拡大以前より、中学2年生を対象に社会科見学として「北海道博物館」を訪れています。主にアイヌ民族のことを中心とした北海道史についてのレクチャーを受け、班別に館内見学をした後、授業内で発表を行います。このような取り組みも地域の歴史を学ぶ貴重な機会となっています。

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