社会は暗記科目?
執筆:金蘭千里中学校・高等学校 理科教諭 平野 未由紀
「馬鹿とブスこそ東大に行け」
ドラマ「ドラゴン桜」の桜木先生のせりふです。過激な表現ですが真意は、「容姿や運動神経がよければタレントやプロ選手として大金を稼げるが、特技がないなら大学に入って就職しろ」でしょう。東大だけが大学ではありませんが、東大の方が強い印象を与えますよね。
過激な表現ですが発言は正しく、「かぼちゃの産地」を探す回では、答えは複数あり、正解までのプロセスが大切と言っていました。ドラマでは店で産地をチェックして、理由を考えていましたが、元の問題は国産とメキシコ産以外のもう一つの国を、韓国、中国、ニュージーランドから選び、自然条件も含めた理由を述べるようになっています。さて、鉛筆を転がしても国名は当てられそうですが、理由も述べないと不正解です。上位国を暗記していても理由まで言えますか? そもそも、全ての作物の順位を暗記できますか? できたとして、そんな勉強意味があるのでしょうか?
実は「選択肢の3つの国の自然条件(今回は気候)を考えたら答えられるよ」と言うのが、この問題の出題意図です。「自然条件」という制限は、本当はヒントなのです。3国のうち、2国は日本の隣、条件が似ていますね。それなら、北海道産で十分。一方、ニュージーランドは南半球、季節が逆です。作物の旬が日本で取れない時になるはず。それが、解答です。
暗記だけでは対応できない事が分かる一方、小学生でも一寸考えれば解けることが分かります。知識を得るには覚える事も必要ですが、同じ覚えるなら、丸暗記するよりテレビ番組や日常生活で楽しく勉強するほうがいいと思いませんか? そのためには、日ごろからアンテナを張り巡らせて知識を吸収する姿勢がとても大切になります。
進学教室浜学園