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【中学受験】有名中学現役教諭の”理科”特別授業~「速さ」を求めて何ができる? ~

有名中の授業は、好奇心をくすぐる仕掛けが盛りだくさん。そして、学ぶことの本質を突いた授業は、探求心あふれる生徒を育てます。さあ、あなたも知的な冒険に出かけましょう!

「速さ」を求めて何ができる?

執筆:北嶺中・高等学校 理科教諭 有馬 清治

人類が造った最速の乗り物とは?
 西暦 2023 年 9 月 27 日に、NASA(アメリカ航空宇宙局)の太陽探査機「Parker Solar Probe」が金星の重力の影響で時速 635,266 km という速さを記録し、人類が造った最速の乗り物となりました。宇宙に関心をもつ人は多いと思いますが、北嶺中・高等学校では日本にある JAXA(宇宙航空研究開発機構)の見学や、希望者に対してですが NASA(アメリカ航空宇宙局)の研修を実施しています。ただ、今回は宇宙ではなく、速さのお話です。

速さの計算ができる人は多いと思いますが、速いか遅いか以外にもわかることが多く、様々な分野で役に立っています。実は太陽探査機も速さを計算しながら計画的に移動しているのですが、例えば、速さを求めることで、恐竜がどんな姿をしていたかがわかるという話を知っていますか。

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速度に大きくかかわる身体の大きさ
 陸上を走る動物の中で最速はチーターで、約 110 km/時(1 時間でおよそ 110 km 移動する速さ)で走ることができます。100 m を 9.58 秒で走った人類最速の世界記録保持者であるウサイン・ボルトさんは、最高速度としては 8 秒くらいで約 45 km/時に達したそうです。チーターはその速度に 3 秒もあれば達することができ、自動車並みに加速することができる陸上最速の動物です。それをふまえて、いろいろな陸上を走る動物の身体の大きさと最高速度を比較してみると、チーターのような中型の体格である動物が、最高速度が比較的大きいことがわかりました。 例えば、アフリカゾウのような大型の体格である動物であれば、歩幅も大きく加速そのものはチーターよりも優れているのですが、体格が大きすぎて筋肉がすぐに疲れてしまい、長時間加速することができません。結果、中型の体格である動物が、加速時間が長いため、他の動物よりも速い速度で走ることができます。 次に、空を飛ぶ動物や水中を泳ぐ動物について、身体の大きさと最高速度を比較してみると、 同様に中型の体格である動物が、最高速度が比較的大きいことがわかりました。現在の研究では、動物の移動方法と体重がわかれば、その動物の速さのパターンがいくつか予想でき、最高速度を予測できます。



速さの計算で恐竜の姿がわかる
 この速さが予想できる研究を利用して、恐竜の骨格から筋肉のつき方、体格を予想する試みが行われました。ティラノサウルスは全長 12 m くらいで、かなり速く移動するのではないかと昔は考えられていましたが、現在、最高速度は約 40 km/時で、普段は人間と変わらないくらいの速さで移動すると考えられています。ひょっとしたら、ウサイン・ボルトさんの方が速いかもしれませんね。ついでに、「ジュラシックパーク」や「ジュラシックワールド」といった映画のシリーズが 6 本あります。ある程度、研究に基づいた恐竜が表現されている映画です。一作目が 1993 年、最終作が 2022 年なので、研究の移り変わりに着目しながら見てみるのも面白いかもしれません。



今している勉強が未来の研究につながっていく
 この速さが予想できる研究はロボットの研究にも適用され、超高層ビルよりも大きい巨大ロボットを造れたとしても移動速度がとても小さく実用性がないと考えられている一方、映画「アイアンマン」のような人間が着るパワードスーツのようなタイプの方が実用性があると考えられているようです。

みなさんが勉強していることは様々な研究の基本になっています。そう考えると、勉強は映画のようにわくわくするものと思っていただけると嬉しいです。みなさんもこれからは勉強にダラダラ向かわずに、未来の研究のためにスピード感をもって取り組んでくれることを期待しています。

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