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数学における未解決問題について

執筆:北嶺中学校 数学科教諭 須藤 茂樹


 数学には、君たちが解くような算数の問題から、沢山の研究者が取り組んでもいまだ解かれていない(解決されていない)問題もあります。そのような未解決の問題のうち、君たちにも取り組むことができる問題を一つ紹介しましょう。

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 数学には、君たちが解くような算数の問題から、沢山の研究者が取り組んでもいまだ解かれていない(解決されていない)問題もあります。そのような未解決の問題のうち、君たちにも取り組むことができる問題を一つ紹介しましょう。

 コラッツの予想という1930年代にドイツの数学者ローター・コラッツによって最初に提示された、ある予想が正しいかどうかを示す問題があります。

 「ある整数について、その数が偶数の場合は2で割り、奇数の場合は3をかけて1を足す計算をする。その答えの数について、再度このルールで同じ計算をする。これを繰り返すと、最初の数がどんな数でも、計算の結果、答えは1に至る。」という予想です。例えば3ならば、3に3をかけて1を足して10、10は偶数なので2で割って5…と計算を続けます。すると、3→10→5→16→8→4→2→1となり、1に至ります。いくつかの他の場合も考えてみましょう。


5:5→16→8→4→2→1
7:22→11→34→17→52→26→13→40→20→10→5→16→8→4→2→1
9:28→14→7→22→11→34→17→52→26→13→40→20→10→5→16→8→4→2→1

 たしかに1に至っています。しかしこれだけでは、もっともっと大きな数を含めたすべての数で成り立つとはいえません。

 これまで、たくさんの研究者がいろいろな値で実験をしたり、奇数の場合には5をかけるなど、ルールを変えたときの数の変化を調べる実験をしたりして、証明のための努力をしてきました。コンピュータに計算させたところ、2を68回かけた数(2垓(がい)9514京7905兆1793億5282万5856)までのすべての数で成り立つことが示されているそうです。しかし、いまだにすべての整数で成り立つ証明はなされていません。

 コラッツの予想に対し、今年(2021年)日本のあるIT企業は、これが解決できたら1億2千万円の賞金を出すと公表しました。なお、2011年度大学入試センター試験の「数学Ⅱ・B」では、コラッツの予想をもとにした問題が出題されました。

 このほかにも数学には未解決の問題が多くあります。アメリカの数学研究所は代表的な未解決問題として2000年に「7つのミレニアム問題」を公表し、問題を解決できたらひとつにつき100万ドルの懸賞金を出すとしました。7つの問題のうち、「ポアンカレ予想」という問題については解決されましたが、残りは未解決のままです。

 皆さんの中から、このような未解決の問題を解決し、歴史に残る数学者が生まれることを祈っています。

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