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UTRF企画⑦:東大生が考える“勉強する理由”とは? 独学で東大に合格した先輩から教わる勉強法②

UTFR(University of Tokyo Frontier Runners, 東京大学フロンティアランナーズ)は、いわゆる“東大進学校”ではなく、東大生が継続的に輩出されない学校の出身者たちからなる団体です。 周囲の協力を得にくい環境の中で、彼らが受験生時代に独学で身につけた学習メソッドを中学受験生親子向けにご紹介します。勉強テクニックだけでなく、なぜ勉強が大切なのか、独学でたどり着いた考えもお伺いしました。 今回の回答者は、次のお二人です。


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・神田直樹さん 文科Ⅰ類→現在法学部3年生、UTFR2代目代表。高校に通わず、独学で東大を受験。

・大町誠也さん 現在理科Ⅲ類2年生、関西の私立中高一貫校出身。塾、予備校は利用せず独学で東大を受験。


テレビ、ゲーム、スマホとはどう付き合えばいいですか

神田さん:僕は勉強と娯楽が入れ替わっていくようなのは苦手で、勉強中に休憩を設けると二度と戻ってこれなくなってしまうタイプです。なので大学受験時は延々と勉強を続けていましたが、合間には昼寝と散歩は挟んでいました。


例えばゲームですが、実はゲーム中の脳みその状態というのは勉強中と同じ状態になっていて、脳は休めていないんじゃないかと思います。結局何かの情報を受容しているからです。なので、脳に流れる情報をシャットアウトする時間を作っていました。それが昼寝か散歩です。あとは、1日これだけやろうというのをやったら、その日はあとは娯楽の時間としてはっきり切り替えるようにしていました。


大町さん:娯楽を完全になくすと、むしろストレスを貯めてしまいます。そこで、携帯を使う場所を決めてあげるというのも効果があると思います。図書館に行ったらあまり携帯を触ることってないですよね。同じようにリビングでは使うけど自分の部屋では使わない、というように、場所と携帯を使うことをリンクさせてあげることで自然と時間の浪費が減るはずです。


神田さん:そもそも意志の弱い人ってたくさんいるはずなのに、意志の力で勉強しなさい頑張りなさいと言われても無理だと思います。それよりは誘惑の元を断つ方が結果的に楽ではないでしょうか。最近は時間がたたないと開かない箱などがありますが、それを利用したり、あとは図書館にスマホを持たずに行ったりして、なるべく誘惑の元から離れてみましょう。自分は本番直前はそうしていました。


【ポイントまとめ】

・勉強中・娯楽中の脳の状態をしっかり切り替える。

・娯楽の中に勉強要素を見つけ出す。

・スマホやゲームをしていい時間・場所を決め、それ以外では使わない。



自宅での学習環境はどのようにされていますか

神田さん:自宅には娯楽がどうしてもあるので、勉強は自習室や図書館でして、家ではしないのがずっと習慣でしたが、最近のコロナ禍ではそれも難しいですよね。その中で僕は、なるべく部屋にスマホを入れない、ヘッドホンで音を遮断するなど、なるべく自習室などと似たような状況を自宅に整えようとしています。


最近重要だなと思ったのは、設備にお金をかけることです。何時間座ってもストレスがかからない椅子と、上下に動かして立ったり座ったりして使える机を購入しました。家で勉強する場合は机と椅子にお金をかけるのは重要です。座っていることに疲れて勉強が嫌いになるのは良くありません。


大町さん:僕はある程度雑音があった方が集中できます。実家にいた頃はリビングで勉強していました。


お金に糸目をつけないという話がありましたが、良さそうな本があれば積極的に買うようにしています。いたるところに本を積んであるので、ベッドで寝転がりながらでも読めるようになってます。


神田さん:僕も昔から、本だけは無制限に買っていいと親から言われていて、それはありがたかったです。それが読まなかったりハズレの本でも次もためらわず買っていけるのですごく良かったと思います。最近は好きなことばかり勉強しているのですが、本を読んでいろんな分野の勉強をしてると有機的に知識が絡まってくる瞬間があります。その時はすごく勉強が楽しいと思えます。


【ポイントまとめ】

・部屋にスマホを持ち込まないなど、自宅を自習室に近い環境に整える。

・座っていることに疲れない環境や設備を整える。

・良さそうな本は積極的に購入。



模試の成績が振るわないとき、モチベーションを上げるには?

大町さん:成績が悪かったのを見て頑張ろうと思える時は気にした方がいいですが、そうじゃない時は気にしなくて大丈夫です。順位は割と指標になりますが、結局、出た問題を復習することに意味があるのであって、出た結果に一喜一憂する意味はありません。むしろ何を間違えたか、苦手得意はなにかを自分の答案でチェックしましょう。


神田さん:成績のことを考えるのはやめて、最終日に過去問が解ければ大丈夫だという気持ちを持ちましょう。周りの友達やライバルの成績は変動するので不安にさせられるけれど、過去問は変わらないので、精神は安定します。僕の模試の成績はすこぶる悪かったのですが、あんまり気にしませんでした。成績と過去問を見つつ、最終的に過去問が解けたら大丈夫くらいの気持ちを持ち続けることは大事です。


【ポイントまとめ】

・成績を気にするのはやめる。

・なにを間違えたか、苦手分野は何かを分析する。

・最終的には過去問が解ければ大丈夫という気持ちを持つ。



中学受験生親子へのアドバイス、メッセージをお願いします。

神田さん:心と体の赴くままに勉強しようと言うのが僕の一番のメッセージです。体が疲れているのに書き取りばかりして勉強した気になったり、眠いのに無理に机に向かったりしないでください。中学高校、大学とやることが増えて高度になっていくのに、小学生の時から時間や量で殴るような勉強をしていて、その量が二倍三倍になった時に対応ができるでしょうか。「独学で東大に合格した先輩から教わる勉強法①」の中で言ったように、短い時間の中でコストパフォーマンスを上げる努力は後々のためになるはずです。


大町さん:やっぱり中学受験というのは中学に入るための勉強なので、なんのために勉強しているのかわからなくなってしまうことは多いですよね。勉強というのは、まず知的好奇心の赴くままにするのが1番です。勉強した先に何があるのかを見据えていると、勉強自体が楽しく感じられます。


僕が勉強って楽しいなと思うのは、とりあえず入れた知識が実際に生活で役に立った時です。例えば、中学受験の理科だと「電流と磁場の関係性」を勉強しますよね。電流と磁場の関係を利用した日常の中のものといえば、IH、モーターなどがあります。死んだ知識として入れこんだものが、実際の生活上で生きた知識として使えるようになった時。それが1番勉強が楽しく感じられる瞬間です。知的好奇心の向く方向をいろんな方向に広げておくことで、知識が生きた知識になる可能性、場面が増えていきます。自分自身も、子供の頃にやった理科や社会の勉強は教養として身についているなと感じています。


逆に生活の中から感じた疑問や知識から座学に入っていくという勉強もあります。例えば炭酸のペットボトルは形が特殊です。それに気づいたら、その仕組みを考えたり調べたりしてみましょう。「勉強」は「勉め」「強いる」と書きますが、そういう二つの方向性からのアプローチが、自分から楽しく学んでいけるようになるコツなのかなと思います。


僕の場合、もうひとつ勉強のモチベーションがありました。もっと勉強すればもっと偏差値の高い中高に行けたはずだったという気持ちです。僕は家から近い学校を選びましたが、別の進学校に行った友達は、東大や京大、医学部を目指している子がほとんどだったので、その子達に対して劣等感を持っていました。それがきっかけで勉強しだしたのです。勉強するしないによって将来的な水準や将来像が全然違うし、未来のイメージがだいぶ違ってくるので、やはり勉強は大切だなと思います。


神田さん:僕にとって、勉強は自由の象徴です。実は、勉強しても人間は幸せになれません。世の中のいろんなことを知っても、幸せにはならないし、悩みは増えていくばかりです。でも勉強することで、自由にはなれます。自分が置かれている状況も他者が置かれている状況も、知識がないと気づくことさえできない。選択肢や将来の職業像なんかも狭まります。知らないというのは、実は一番不自由なことなのです。


ただ幸せになりたいなら、何も見ずにお酒だけ飲んでいれば十分です。でも、それは自由ではありません。何も勉強せずに「自分はこれで幸せなんだ」と言っている人間は、ただお酒を飲んだりして幸せになっている人間と変わらないのではないでしょうか。自由を手にしたい、それが僕が勉強を続けている理由です。



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