愛徳学園高等学校では、2018年度より高校2年生の選択授業で「Global Studies」を実施します。
Global Studiesは、「世界を知り、正義とは何か、平和とは何かを問い、自らの生きる姿勢を考えること」を目的とする、英語・国語・社会が連携した「探究型」の授業です。
社会が抱える問題に対して個人やグループで調査し、解決法を議論します。英語での発表や討論も行い、グローバル人材に必要な「英語力」と「プレゼンテーション力」の育成も目指します。
Global Studies先行実施「公開授業」
10月14日(土)に本校で行なった公開授業では、その先行実施となる高校2年生の選択Communication EnglishⅡの授業をご覧いただきました。この授業では、ファストファッションが抱える問題をテーマに、各自がリサーチを行い、その問題を解決する方法を考え、先行事例に基づきその有効性を示すレポートを作成してきました。
今回の授業では、研究テーマを元に4つのグループに分かれ、それぞれ「バングラデシュの最低賃金について」、「バングラデシュの女性の労働環境について」、「インドの皮革工場排水による水質汚染について」、「先進国からの古着の援助について」のプレゼンテーションを行いました。
発表に向けて、まずは各グループで自分たちの解決法について意見交換を行い、どの解決法が一番有効であるかを話し合い決定しました。その後、その解決法の有効性を示す先行事例についてさらにリサーチを行い、プレゼンの原稿を作成しました。
生徒たちは、対象となる地域の現状とその解決法と解決ための手段を英語で発表し、専門的な内容については日本語で補足説明をしました。
古着をテーマに発表を行なったグループの解決法は、リメイクした古着をSNSを通して販売し、その利益で得たお金を途上国支援に用いるというものでした。実際に自分たちがリメイクした服を着て見せると、聞いていた生徒たちの多くが買っても良いと答え、その有効性をその場で示す結果となりました。
準備から発表までを通して、生徒たちが積極的に意見を出し合ったり、助け合って英語にしたりと本当に生き生きと活動していたことがとても印象に残っています。自分たちが知った現実に対して、何かできることがないかと考えることで、彼女たちは自分がこの世界の一員であることをさらに意識するようになっているように感じます。今後は、今回の発表をさらにブラッシュアップしていきたいと考えています。
Global Studies先行実施「オープンスクール」
8月に行ったオープンスクールでは、小学校4・5・6年生にGlobal Studiesを体験してもらいました。テーマは、「日本の食卓に広がる世界」。
授業のはじめに、納豆、パセリ、アーモンド、チョコレート菓子、バナナなどの中で、原料から製品になるまで、日本で作られているものはどれかというクイズを出題しました。このクイズを通して、児童たちに日本は多くの食材を輸入しているということを知ってもらうことが目的です。実際には、日本食代表とも言える納豆が日本産のものでないことを知った時の生徒たちは、とても驚き、一体この食品はどこから来たのか、強い関心をもって説明に聞き入っていました。
その後、世界で最もよく知られている和食「寿司」について、様々な寿司ネタは英語ではどのように言うのか、また、サーモン、エビ、タコといった寿司ネタが、世界のどこから輸入されているのかをALTの先生(英語のネイティブスピーカーの先生)と一緒に英語でのやりとりを通して学習しました。
授業の後半は、日本が多くの魚介類を輸入している理由や、日本が寿司ネタを輸入している国々がどこにあるのか、またその国の特徴などについてをGoogle earthというアプリを用いて社会科の先生と一緒に学習しました。
■オープンスクール授業者感想
Global Studiesでは、世界のあらゆる場所で起こっている様々な問題を他人事と考えずに、世界中の人々と「共に生きる力」を身につけるための考え方や物の見方を学ぶことを目的としています。今回の授業は、和食代表の「お寿司」を通して、日本の食卓の上に広がる世界を感じてもらうことをゴールに行いました。授業では、児童たちは自分たちも手にしたことのある食品の原産地表示などを見ながら、それぞれの食品が世界のどこからやって来たのかを実際に目で見て確認しました。教材として、日本での自給率が低い食品を探しているときは、私自身もたくさんの学びがありました。
児童たちが積極的に発言してくれたことで、授業はとても活発になったと思います。Google earthでサーモンやエビ、タコといったお寿司のネタを輸入している国の位置を確認したときは、ほとんどの児童がその国と日本との距離に驚いていたと思います。遠いけれど、近い。同じ国ではないけれど、お互いに支え合っているということも感じてくれていれば嬉しいです。
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