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神戸大学附属中等教育学校

進学教室浜学園が独自の切り口で中学校を取材し、その魅力をお伝えしていきます。

神戸市東灘区に位置し、創立11年目を迎える神戸大学附属中等教育学校。その名の通り、神戸大学の附属学校として、大学の教育理念に基づく「グローバルキャリア人」の育成を目指して教育活動を行っておられます。
男女共学、中高一貫教育という特色の中、生徒自身の手によって自由な校風が作り上げられてきました。今回は、そんな神戸大学附属中等教育学校の主幹教諭 髙木勝久先生にお話を伺いました。
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神戸大学附属中等教育学校主幹教諭 髙木勝久先生と浜学園経営企画室渉外担当 山田

学校の再編・高等学校設立の夢により創設

―本日はよろしくお願いいたします。まず、御校が設立された経緯についてお聞かせください。
本校の前身は、この地にあった神戸大学附属住吉中学校と、明石にあった神戸大学附属明石中学校です。住吉には、中学校のほかに100年以上続いていた小学校も併設されており、明石には中学校のみならず小学校と幼稚園もありました。小泉内閣の時に国公立大学が法人化され、事業のスリム化が求められました。その際に、周辺には兵庫教育大学附属中学校や芦屋国際中等教育学校もあるということで、神戸大学附属中学校の再編を迫られることとなりました。そして決まったのが、明石に幼稚園と小学校を残し、この地住吉に中学校を残すということでした。さらに、その当時の再編は、神戸大学附属の学校として高等学校を設立したいという長年の夢をかなえる絶好の機会でもありました。そこで高等学校ではなく、完全な中高一貫校を作ろうということで設立されたのが神戸大学附属中等教育学校です。大学との連携を行うことで、多様な人材を育てることを目標としています。
今年の5月には神戸大学附属中等教育学校としての10周年記念式典を行うことができました。

2つの前身校の特色を活かした教育目標

―御校では「グローバルキャリア人の育成」を重要な教育目標として掲げておられるとお聞きしていますが、それについて詳しくご説明いただけますか。
教育目標で用いられている「グローバルキャリア人」は造語です。前身である住吉中学校では、帰国生徒の受け入れを積極的に行っていました。一方明石中学校では、自分自身の生き方を探るキャリア教育に力を入れていました。両校の特色をいかしてつくった言葉が「グローバルキャリア」というものです。
しかし、本校では「グローバル」と「キャリア」の言葉の意味を拡大解釈しています。
まず「グローバル」について説明します。「グローバル」という言葉は、国際教育を説明する際によく使われますが、本校では、「自分でないものはすべてグローバルである」と捉えています。そこには自分と先生・自分と友達・自分とクラス・自分と所属するクラブといったような関係があげられます。自分でないものが、自分の思い通りになることなんて滅多にありません。そんなときに自分はどのようにふるまうのか、他者とどう接していくのかを考えてほしいと願っています。そしてそのようなマインドを卒業後持ち続けられる人になってほしいです。
続いて、「キャリア」とは、将来の職業のみを考えるという意味ではなく、「生き方を探る」という意味で使っています。他者との関係の中で自分はどのような役割を果たすべきなのか、どのようなポジションにいるべきなのかということを考えることから始めます。そして、5年後や10年後に自分がどんな人になっていたいのかを考え、それに近づけるように日々行動していくよう指導しています。
「グローバルキャリア人」が体現される場として、行事があげられます。文化祭・音楽祭・体育祭が本校の三大行事として位置付けられているのですが、これらの行事は生徒たちが中心となって行われます。中でも文化祭は5月に行われるのですが、つい先日、夏休みに入る前に実行委員を中心とした来年の文化祭を行うための組織が立ち上がりました。これは、引継ぎから実行委員でない生徒への指示までを中心となって行う組織です。自分たちで考えて他者との関わりの中で行動してほしいという思いから、生徒たちに任せています。

6年かけて進めていく「KP(Kobeポート・インテリジェンス・プロジェクト)」

―御校では、「神戸」という立地にちなんだユニークな総合学習を実践されていると伺いましたが、それについてお聞かせください。
本校が取り組んでいる総合学習は「Kobeポート・インテリジェンス・プロジェクト」というものです。長いので略してKPと呼ばれています。このプロジェクトの大まかな内容は、課題を設定し、調査を行って18,000字の卒業論文を執筆するというものです。6年かけて行うこのプロジェクトは綿密に練られたシラバスに沿って行われます。
1年生では、「聞き方・話し方訓練」と称して、日ごろの授業や班学習でも役立つスキルの習得を目指します。そして、年度の中盤から後半にかけて、地元神戸の歴史や自然、防災について学んでいきます。神戸ではない地域から通ってくる生徒にも、学校の位置する神戸についてより深く知ってほしいという思いから神戸を題材に行っています。
2年生では、「言語技術訓練」を中心として行います。1年生のときに神戸に関する様々なことを学び、視野が広がっている状態なので、10月には奈良でフィールドワークを行います。国際交流を行う際には、もちろん英語も必要ですが、自分たちのことについて語ることも重要となってきます。そのため、昔の都であった奈良において歴史や文化について学ぶのです。
3年生では、課題研究の第一歩として、沖縄で3泊4日のフィールドワークを行います。個人がそれぞれ問いを立て、それについて調査します。古代のことについて調べる生徒もいれば、今もなお残る米軍基地について調べる生徒、太平洋戦争の際の沖縄について調べる生徒など様々です。3泊4日を通して、全体で平和祈念公園を訪れたりホームステイを行ったりはするのですが、班でテーマについて調べる時間も設けられています。1年生・2年生で学んだ言語に関する知識を踏まえて、3年生では文献を読み込んでまとめたりパワーポイントを用いて発表したりなど、より本格的な調べ学習を行っていきます。
4年生では、「課題研究入門」として卒業論文をどのようなテーマで執筆するのかを決めます。そのテーマに基づいて調べ学習を行い、考察を加え、8,000字のレポートを提出してもらいます。そしてパワーポイントやポスターを用いて発表を行っていきます。
5年生ではテーマに沿って研究を進めていきます。しかし、テーマに沿って順調に研究を進めていける生徒もいれば、「このテーマで本当にいいのか?」ともやもやする生徒も現れます。研究ではテーマの設定がけっこう重要なものとなります。4年生のときに決めたテーマでも、研究を進めていくと行き詰まってしまう生徒がいるのも事実です。数学のように答えが必ずあるものではないので生徒たちは苦しみます。我々教員は生徒の意思を尊重しながらも、困っている生徒には選択肢を示すように心がけています。こうして、5年生の間に卒業論文を一旦完成してもらいます。
そして集大成の6年生では、5年生で一度書き上げた卒業論文の仕上げを中心に行います。6月に最終提出をし、7月上旬に発表会を行って優秀者を選定します。そして優秀者は7月中旬にもう一度発表を行います。試行錯誤しながら生徒たちが選ぶテーマは様々です。ムスリム観光客を増やすための提言、ストレスと性格の関係について、清潔に浴槽にお湯を張るためにはどうすればよいかなど、生徒たちの興味に沿った幅広いテーマが設定されます。
生徒にとってもこのKPは心に残るものとなるようです。毎年夏休みに、1年生~3年生を対象に東京大学のオープンキャンパス参加を兼ねた「東京キャンパスツアー」というものを1泊2日で開催しています。ホテルに宿泊するのですが、毎年そこに卒業生を呼び、今の学びや中等教育学校での生活などについて話してもらう機会を設けています。依頼などはしていないのですが、そこで卒業生が異口同音に口にするのは「KPをやっておいてよかった」ということです。生徒たちは、「大変だけどやっている意味があるんだなぁ」と改めて確認する機会となっているようです。大学入試を目前に控えているのにKPの指導をしていていいのかなぁと考えてしまうこともある我々教員にとって「やっておいてよかった」という救いを感じられる機会にもなっています。

「行きたいところに行きなさい」が大原則

―御校は、国立大学の附属校ですが、どのような進路指導をされていますか?
本校の進路指導の大原則として「行きたいところに行きなさい」というものがあります。自分が学びたいことから第一志望の大学を設定し、そこに向かって頑張ろう!といったような進路指導を行っています。それでこそグローバルキャリア人に近づけると考えているからです。
生徒には、教科の勉強は大切であると伝えています。それと同時に、本校の特色であるKPも頑張ってほしいと指導しています。KPは、大学受験に直接関係ないものと捉えられがちですが、結果としてKPでの学びが生徒の進みたい学校へ合格するための学力・思考力・判断力・表現力に通じているということは言えると思います。
本校では大学進学を第一義としているわけではないので、「〇〇大学を目指そう」といった指導はしていません。中には、専門学校への道を選んだ生徒もいます。自分の志をかなえるために自分が選んだ道を全力で応援したいと思っています。

本校に魅力を感じている・チャレンジ精神のある生徒

―御校が求める生徒像とは、どのようなものでしょうか。
本校での学びを知って、神戸大学附属中等教育学校のここがいいから!という思いを抱いて入学してもらえると嬉しいです。そうすれば、生徒さんと家庭、学校とのマッチングが一番上手くいき、充実した6年間を送れると思います。また、チャレンジ精神を常に持ち続けてほしいです。食わず嫌いやえり好みをするのではなく、何に対しても一旦受け入れられる、そして、いろんなことに挑戦できる生徒を求めています。



―どうもありがとうございました。
⇒神戸大学附属中等教育学校HP 取材日:2019年8月28日
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