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【中学受験】有名中学現役教諭の”理科”特別授業~日本の植物学の父・牧野富太郎~

有名中の授業は、好奇心をくすぐる仕掛けが盛りだくさん。そして、学ぶことの本質を突いた授業は、探求心あふれる生徒を育てます。さあ、あなたも知的な冒険に出かけましょう!

日本の植物学の父・牧野富太郎

執筆:北嶺中・高等学校 理科教諭 渕本 淳雅


NHK朝ドラ「らんまん」のモデル

2023年現在、NHK朝の連続テレビ小説で放映されている「らんまん」。その主人公のモデルとなった、牧野富太郎さんを皆さんはご存じでしょうか。小学校や中学校の教科書にも登場する人物で、「日本の植物学の父」として知られています。有名な著書としては「牧野日本植物図鑑」が挙げられ、本校の図書館にも蔵書されています。

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日本の植物1500種類以上の新種に命名する

牧野さんは1862年に高知県で生まれ、幼少から植物採集に明け暮れる日々を送りました。植物の分類に歴史がない日本では、新種の植物を発見したとしても国外の研究者の判断にゆだねられ、*学名の命名を日本人がすることはできませんでした。「日本で見つかった新種には日本人が学名をつけるべき」と考えていた牧野さんは、27歳のときに長年の努力が実を結び、日本固有の草本に「ヤマトグサ(学名:Theligonum japonica)」と学名を命名しました。

日本固有の植物を日本人が発見し、日本人が植物に学名をつけた初の例となり、日本の植物研究の地位を高めるきっかけとなりました。その後も日本各地で植物分類の研究に励み、日本の植物約7000種のうち1500種類以上の新種に命名をしました。


世界が絶賛する詳細なスケッチは必見!

「牧野日本植物図鑑」の中身を見ると、花・根・茎・葉の全体図や部分図、解剖図、成長段階ごとのスケッチが緻密にかつ繊細に描かれています。スケッチから、植物の生命力、躍動感が伝わり、何度でも眺めてみたいと思えるものばかりです。皆さんも一度は牧野さんの図鑑を眺めてみてください。植物に対しての興味・関心が強まること間違いありません。


牧野さんの功績を称えて設立された「高知県立牧野植物園」
牧野さんの功績を称え、高知県立牧野植物園が1958年に開園しました。牧野さんの植物図など貴重な資料が約60000点も収蔵されており、広大な園内には3000種類以上の牧野さんとゆかりのある植物が生育しています。自然の豊かさや四季の風景が楽しめ、癒し効果を受けられる人気の植物園となっています。


新種発見による人類にとってのメリットとは?!
最後に、新種の発見は人類にとって大きなメリットがあります。その一つに、人類は古来より植物を解熱剤や鎮痛剤などの医薬品として利用してきたことが挙げられます。植物に限らず、新種の発見により、さまざまな有用な物質が発見される可能性が秘められています。人類は生物を資源として利用していますが、残念ながら地球環境の変化により、多くの生物が絶滅の危機に瀕しています。人類が発見できずに絶滅している生物も多くいることは、人類にとっては大きな損失でしかないことを知っておきたいですね。

*学名:その生物の世界共通の名前。例として人間の呼び名は、日本ではヒト、アメリカではhumanが一般的だが、学名ではHomo sapiens(ホモ サピエンス)となる。

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