執筆：四天王寺中学校　国語科　森　陽子


　新型コロナウィルスの感染拡大防止による突然の休校は、生徒や私たち学校に関わる教職員だけでなく、社会のありとあらゆる人に影響を及ぼしています。
　そんなさなか、多くのお店からトイレットペーパーが消えました。なんでも、誰かのいい加減な情報を元にしたデマがSNS によって拡散し、それを信じた多くの人たちによる過剰買いが原因だったとか。震災の時にもありました。つまらないデマのせいで情報が錯綜し、その事によっていろんな困難が発生しました。今回もまた……。

　SNSが広く世の中を網羅する現代はたいへん便利です。世界が近くなったと感じる、素晴らしいツールであることは間違いありません。しかし、このシステムは恐ろしいほど人間の心理を操作しています。どれほどの人たちがこれらによって傷つき、悲しんでいるか。また、困ったことが起こってしまっているか。考えれば、世の中にはなんと責任のない言葉があふれていることでしょう！先のトイレットペーパー然り、無責任な言葉で多くの人に大きなマイナスを与えています。罪深い事です。今は小学生もスマホを当たり前に持っていると聞きます。それならば、私たちは自分の言葉に責任を持つということを肝に銘じないといけません。言葉はそれ一つで人を幸せにも、不幸にも不愉快にもすることができます。言葉には魂が宿ります。それを「言霊」というのですが、自分の口から出る言葉は自分の分身なのです。

　ちなみに……、スマホを覗くと日々膨大な情報が飛び交っています。そんななかで、私は情報の真偽の基準を一つ、自分なりに決めています。

　「誤字脱字だらけの情報は信用しない。」

言葉と丁寧に向き合う習慣をつけたいものです。


進学教室浜学園