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「音楽のすばらしさ」

大阪府大阪市 四天王寺中学校・高等学校 理科教諭 唐津正之

 放課後の教室から,美しい歌声が聞こえてきます。四天王寺高等学校・中学校の合唱部の練習です。昔から,人々は歌や楽器の演奏を通して音楽に親しんできました。音楽には,人の心に感動を与え,時に癒やし,時に励ます不思議な作用があるのですね。

音は空気の「振動」
 さて,今回は,音楽を物理の目で眺めてみましょう。
 音は空気の「振動」です。振動のす速さ,1秒間に空気の振動する回数…「振動数」が「音の高さ」を決めます。振動数が小さい音は「低い音」,振動数が大きい音は「高い音」として聞こえます。つまり音楽は,空気のさまざまな振動を組み合わせて作られているのです。

聞こえる振動数の範囲
ヒトに聞こえる音は,振動数にして,およそ20Hzから20000Hzと言われています。「Hz」は「ヘルツ」と読みます。20Hzは聞こえる最も低い音,20000Hzは聞こえる最も高い音と言うことになりますね。

音階…音楽で使うのは選ばれた音だけ
音楽に使われる音は,振動数で見るとほんのわずかです。たとえば時報の最初の音は440Hzの「ラ」の音ですが,その1オクターブ上の「ラ」は880Hzです。でも,その間にいくつの音がありますか?「レ」,「ミ」,「ファ」等のわずか数個の音が「音階」を作っているだけですね。私たちは,とびとびの振動数の音だけを用いて音楽を作っているのです。

楽器の音のしくみ
 次に,楽器の出す音の違いについてお話ししておきましょう。同じ高さの音でも,ピアノの出す音とバイオリンの出す音は違いますね。これを楽器による「音色」の違いといいます。「音色」の違いは音の波の形の違いによります。では波の形の違いはどこから生まれるのでしょう。実は,波の形は倍音の含まれ方,「倍音構造」によって決まります。たとえばある楽器が振動数220Hzの音を出しているとき,音の波をオシロスコープという装置で見ると,実に複雑な形をしています。その複雑な波の形をよく調べると,〔220Hzの振動(基本振動)〕+〔440Hzの振動(2倍音)〕+〔660Hzの振動(3倍音)〕+…というように,基本振動の整数倍の振動が楽器ごとに異なる割合で積み重なっていることがわかります。これを倍音構造といいます。私たちは基本振動で音の高さを知り,倍音の含まれ方で音色の違いを知るのです。

 最後に,太鼓やシンバルなどの打楽器では,旋律を奏でることができないのはなぜだと思いますか?打楽器は構造上,倍音が整数倍になっていません。そのため私たちは打楽器の音を聞いても,基本振動が何Hzかわからず,はっきりした音の高さがわからないのです。

まとめ:好奇心,注意深さを大切に。
 今回は音楽を物理の目でとらえてみました。どうか身の回りのさまざまな現象を注意深く観察し,論理的に理解しようとしてください。そうすることで,一層深くこの世界の素晴らしさを味わうことができますよ。

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