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育英西中学校~国際バカロレアMYP

奈良県にある育英西中学校から国際バカロレアMYPの取り組みについてご紹介いただきました。
中学受験を漠然と意識しだした皆さんも、まさに志望校に向けて勉強中の受験生の方も、中高一貫校の生活をのぞいてみてくださいね。

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育英西中学校1年生は、2018年9月1日付で国際バカロレアの中学生を対象としたプログラム、MYP(ミドルイヤーズプログラム)の候補校となりました。国際バカロレア(IB)とは、国際バカロレア機構(本部:スイス)が提供する国際的な教育プログラムです。2018年度時点で世界中で約5,000校(日本国内:58校)がIB教育を実践し、各国の大学から高い評価を受けています。

MYPでは自国の文化や言語を大切にしながら、教科間の関連性を重視した教育を行い、生徒の幅広い知的興味を高めることをめざします。また、教科の学習と社会とのつながりを意識できるような取り組みが数多くあり、生徒がより広く、より複雑なグローバルな課題に対する認識を高めることが期待できます。

本校では、学校理念に「豊かな教養と純真な人間愛をもって、社会に貢献できる女性の育成」を掲げています。「社会に貢献できる女性」となるには、「問題発見力・思考力・協働解決力・発信力」という4つの力が必要だと考えています。そのために、4年前から隔週2時間連続で「シナジータイム」という、協働して課題解決することをねらいとした授業を行い、相手に自分の考えを伝える訓練をしたり、地域が抱える問題について検討したりしています。これらの力を、生徒が最も長い時間を過ごす各教科の授業の中でも伸ばしていくために、MYPを導入しました。

MYPは評価の観点が多彩なことも特徴の一つです。ペーパーテストだけでは測りにくい上記の4つの力を、MYPではレポート課題やプレゼンテーション、ディスカッションなどさまざまな活動の様子から測ります。集団の中での自分の位置づけがわかる100点法の評価だけでなく、自分の活動をよりよくするために何が必要かがはっきりわかるバカロレアの評価も合わせて伝えることで、生徒のやる気をいっそう高めていきます。

こうした取り組みの成果が、文化祭などにも表れていますので、本日はその様子をお伝えします。

SDGsポスターセッション実施

今年の中学1年生は文化祭でSDGs(Sustainable Development Goals・持続可能な開発目標)についてポスターセッションを実施しました。


SDGsとは、「あらゆる垣根を越えて、世界をより良くするために国連が定めた目標」のことです。
7月のシナジータイムと7月末・8月末の夏休み補習の放課後の時間を使って、4~5人の班で「①SDGsの17の目標のうち、目標を1つに決めて問題や課題を調べる⇒②問題や課題を発見⇒③解決策を考える」ことをし、ポスター1枚にまとめました。 世界の問題や社会の問題を主観的に捉えることの難しさや苦しさを感じながら、生徒は前向きに探究活動を行いました。

ポスターと5分間の原稿はタブレットを使って作成しました。
タブレットは、各教科の授業で使用しており基本的な操作法は理解しているので、細かい説明はほとんどしていません。 今回の活動にあたって簡単なパワーポイントの指導(用紙設定の仕方・保存の仕方)のみ行い、その他は生徒自身が調べたり、友達と試行錯誤したりしながら使っていました。「○○がしたいのですが、どうしたらいいか」という質問には教員はアドバイスも行いました。

世界や社会の問題を知り、私たちができる持続可能なことを探すのは本当に難しいことです。「なぜ、これを調べたいと思ったの?」や、「なぜこれはこの様な表現をしているの?」などと生徒が取り組んだことに「なぜ?なぜ?」と教員は聞きました。生徒は苦しんでいましたが、自分のやりたいことが見えてきて、学習を深めていました。
大学生(卒業生)が大学での研究と同じだと言って、中学1年生の話を真剣に聞いている姿、年齢の枠を超えて深い話をしている姿を見ることができたのは、本校初めてのことです。

以下、生徒の感想です。
Q1.SDGsの取り組みをして(班活動)大変だったこと、苦労したことは何ですか。
・同じグループの友達と意見が割れたこと。
・資料を調べるごとに世界の現状を知って悲しくなったこと。原稿をまとめるのがむずかしかったし、どんな内容でどうしたら分かりやすくなるのかを考えるのもむずかしかった。

Q2. ポスターセッションを通して、気づいたことは何ですか。
・ポスターを見ながら話を聞いてくれる人が多かったので、言葉だけでは伝わりにくいことも伝えることができたこと。 ポスターをはっただけでは見られない反応や、相槌をうってくれたたこと。
・チームワークがよくなればよくなるほど、より良い発表ができるようになること。それと同時に、学んでいくことができること。
Q3. タブレットを使えてよかったと思うことは何ですか。
・ポスターを作るのが簡単にできた。写真を貼ることがタブレットだと簡単にできるから、より詳しいポスターができると思いました。
・皆の考えたことを、共有できることが良かった。
・小学校の時は、授業の時間しかパソコンが使えなかったが、中学校でタブレットを持ち、休み時間や家でも簡単に調べることができたのがうれしいです。
・キーボードが早く打てるようになった事。
Q4. 次回のポスターセッションで気をつけたいこと、頑張りたいことは何ですか。
・もっとまとめるのを早くしたい。もっと興味を持ってもらえるようにアピールする!
・原稿をできるだけ覚えられるようにしたい。目を見ることを意識する。
・文字だらけの原稿ではなく、写真で見やすくしたい。
・原稿を覚えます。といいながら初めの方しか覚えられていなかったので、次回は完全にではなくても、まずはほとんどを目標にして頑張ります。

Q5. この取り組みを通して、今後どのように生活に生かしていきたいと考えていますか。
・身近にある募金なども、世界で貧しい人たちの助けになると思うので、募金活動に協力したいと思う。
・世界には自分たちの知らないところで、紛争などによって苦しんで、食べ物をあまり食べられない人もいると思うので、食事をあまり残さず処分しなくてよいようにする。班とかお客さんなどの前で発表したりしたのでこれからコミュニケーションの取れる人になりたい。

このようなことを感じ、生徒たちは多くのことを学んでくれました。


今回は中学1年生の取り組みについて、ご報告させていただきました。実は、ほとんどの本校入学生は、人前に立って発表をしたことがありませんでした。本校独自の問題解決型授業(シナジータイム)や国際バカロレアMYPの授業を通して、話し方(伝え方)や聞き方について学び、考えることで緊張しながらもチャレンジしてくれました。そのような前向きでチャレンジする生徒を育成します。ぜひ、本校へ足をお運びください。


公開日:2018年10月日
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