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大阪明星学園 明星中学校

進学教室浜学園が独自の切り口で中学校を取材し、その魅力をお伝えしていきます。

ちょうど120年前、カトリックの男子修道会・マリア会の学校としてひらかれた大阪明星学園。生徒数わずか13名の小さな学校は、「語学の明星」として知られる名門校として、現在も男子教育にあたっています。初代校長の方針のもと、「明星紳士」として育成される子ども達。今回は、そんな大阪明星学園の教育についてお話を伺いました。
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大阪明星学園明星中学校 学校長理事 松田進先生と浜学園経営企画室渉外担当 山田

休憩時間や中高全校での行事にも使用できる、広大なグラウンド

―明星さんといえば、進学校でありながらもゆったりとした雰囲気が漂っており、生徒さんものびのびしていらっしゃいますよね。
ええ。本校は、都会の真ん中にありながらも広大な敷地を有しております。男子ばかりでありますので、施設内の設備を充実させるだけではなく、グラウンドの広さも確保しておかなければと。 休憩時間も勉強しなさいというよりは、休憩は休憩と気持ちを切り替えて、グラウンドへ出てしっかりと体を動かしなさいと指導しております。 これだけの広さがありますから、中高全校で文化祭をしたり体育祭をしたりするのにも十分です。季節の花を植えたり、樹木を植えたりもしています。見学に来られる保護者の方にも、教室内の設備だけでなくグラウンドもしっかりと見ていただければとお願いしております。

部活動から「チャレンジする精神」を身に付ける

―体を動かす面でいうと、部活動も盛んでいらっしゃいますね。
スポーツ推薦や特色選抜をしておりませんので、全国大会に出られるかと言われたら現実的に難しいかも知れません。けれども、生徒たちはしっかりと部活動に励んでくれています。強制はしていませんが、9割の生徒が部活動をしており、3学年の人数を足すと100人を超えるクラブもあります。 個人的に、中高の6年間は頭でっかちになってはいけないと思うのです。しっかりと運動して体と心を鍛え、上下関係も学ぶ。それもまた大切なことではないかと思います。進学実績の面から見ても、上位から並べてみると優秀な生徒のほとんどが運動系のクラブで6年間を過ごしています。 私はよく子ども達に「勝つよりも、負ける試合からこそ学ぶことが多い」と言うことがあります。 私見ですが、今の子ども達を見ていると果敢にチャレンジする精神が少しずつ弱くなっているように思います。どちらかというと守りに入ってしまう。けれども中高の6年間は、失敗が許される時期。むしろ、失敗から学ぶべき時期だと思うのです。だから恐れずにチャレンジしてほしい。そうすることで、人生の土台を築いていってほしいのです。

学習・体力・心の成長を途切れさせない6年間

―「人生の土台」という言葉が出ましたが、中高6年間を私立校で過ごすことの意義とは何でしょうか。
中高の6年間というのは、子どもの体と心が大きく変化する時期です。小学校を卒業したてのかわいらしい頃から、ヒゲも生えた立派な大人へと成長していく。その6年間を明星で過ごしてもらうことの意義はやはり、学習面・体力面・心の成長を途切れさすことなく、6年間のスパンでスケジューリングしていけることだと思います。 公立校ですと、中学3年生で高校受験がやってきますね。もちろん、ひとつの区切りを設けることにも意味はあると思います。ただ、入試勉強の必要がなくなることで、気持ちのゆとりが生まれてくる。 本校の教員は、中学校・高校どちらでも指導している教員がほとんどですので、学年の移行もスムーズです。中学の生徒が、高校の生徒を直に見ながら育つことができる。高校入試の利点に代わるものが、この学校では用意されているんです。

「建学の精神を守り続けている」学校

―共学の人気が高まる中で、明星さんは男子校であり続けていらっしゃいますね。どのような思いがあるのでしょうか。
これは「あえて男子校で」ということではなくて、「建学の精神を守り続けている」という意識でおります。6年間を通して、明星紳士の育成をする。そういった精神ですね。 私は19代目の校長ですが、私も含め歴代の校長は毎朝、雨の日も風の日も校門に立って生徒を迎えるのが伝統です。 初代校長のウォルフ先生は片手に閻魔帳(えんまちょう、受け持ちの生徒の成績や評価を書きつけておく帳簿)を持っていらして、通ってくる生徒の性格・成績を把握しておられた。生徒がまだ少なかったこともあって、一人一人に「この間のテストは頑張っていましたね」「もうちょっと頑張りましょう」と声をかけていらっしゃったそうです。 ウォルフ先生が同じくおっしゃっていたのは、「君たちは中学生・高校生であるけれども、一人前の紳士として扱い、紳士として育てます」と。 革靴が磨かれていなかったり、ズボンの真ん中の線がきっちりと付いていなかったりすると「帰って整えてから出直して来なさい」とおっしゃっていたそうなんです。「ジェントルマンたれ」というのが、ずっと受け継がれてきている言葉であり、精神なのです。

清潔感を意識した制服仕様

―「ジェントルマンたれ」という精神に関していうと、制服もずっと同じデザインを保たれていますね。
はい。明星の制服は、120年間ずっと同じデザインです。中学生にはつらいかもしれませんが、靴もしっかりした革靴となっています。 人と関わっていく上で、清潔感は重要な要素です。頭髪、制服、制靴、カバン類がきちんとしていると気持ちがいい。ですから明星の制服には、外ポケットがございません。手帳や貴重品を入れる内ポケットはあるのですが、服に物が詰め込まれているのは不恰好だと考えているため、外ポケットがないのです。

机上の勉強だけでは得られない、ボランティア活動での学び

―ボランティア活動も盛んだそうですね。
東北の大震災があって以降、年に2、3回は希望生徒を募って東北へボランティアに行っております。同時に、年5回の保護者会でも募金をお願いしております。 最近では、ついこの間に起こった岡山県・真備町の豪雨災害の地域へもボランティアへ行きました。2、30人の生徒が2回ほど車へ分乗して現地へ向かいました。本当はもっと多くの生徒から希望者が出たのですが、教員が監督可能かどうかを考えるとこの人数になりました。 それぞれ自分でスコップを買って向かうのですが、テレビで見るだけではない、被害の現状を直に見て心に刺さるものはたくさんあるようです。中にはショックが大きすぎて涙する者もおりました。人間の無力さを感じ、どうしてそうなったのか、自分には何ができるのかを考える。机上の勉強だけでは得られないものです。 世の中には「迷惑をかけなければ何をやってもいいんだ」とおっしゃる方もいます。でも、人間は存在しているだけで誰かに迷惑をかけるのです。それをお互い様と感じられるような世の中にしなければならない。 本校の生徒には、何かあったときにリーダー的な観点を持って、人の嫌がるようなこと、例えば汚い仕事でも進んでできる生徒に育ってほしいのです。

「エマージェンシーコール」で地震に対応

―先日は大阪でも大きな地震がありましたが、明星さんではどのように対策をされたのでしょうか。
本校は「地盤が固い」と言われている上町台地の上にありますが、災害に備えて全生徒・教職員の3日分の食糧を備蓄しています。また、電気やガスがストップすることも想定して自家発電の非常用のシステムや仮設トイレも備えています。 地震があったときは、いつもと同じく校門前に立っておりましたが、私も一瞬何が起こったか分かりませんでした。一瞬、呆然としてしまって。その後、地震だ!と。 その時点で登校していた生徒は半数ほどでした。すぐにグラウンドへ出るように指示し、整列させて出欠確認をしました。本校は「エマージェンシーコール」というシステムを活用しており、保護者のスマートフォンに情報を一斉配信することができます。今回もそれを活用して情報発信をしました。 しばらくして電車は動き出したのですが、駅が混雑しておりなかなか乗れない。まだまだ交通が混乱している中で、ただ帰すわけにはいきません。そこで沿線ごとに、上級生を中心したグループにして帰宅させました。無事に家に着いたら、保護者の方の携帯から学校へ連絡してもらう。そういう形で安否確認を行い、一番最後の連絡が来たのは23時10分でした。 このようなことがあってから、携帯電話の扱いを変えました。これまでは携帯電話の校内への持ち込みは禁止でした。しかし地震があってからは、緊急時にはやはり連絡手段があったほうが良いと考え、名前と電話番号を登録させる制度をとって許可しました。校内での使用は禁止する形です。 もしかしたら授業中・休み時間に遊んでしまう生徒が出るかもしれないと身構えていましたが、それは杞憂に終わりました。思った以上に生徒は自律できていて、誰も使用しないですね。 携帯電話もそうですが、伝統を守る一方で変わるべきところは変わっていく必要があると考えています。我々が受けた教育と、彼らが必要とする教育は違いますから。

宣教師による語学教育から始まった明星の外国語教育

―話は変わりますが、明星さんと言えば「語学の明星」とも言われるほど、外国語教育が有名でいらっしゃいますね。
これは、本校の成り立ちにも関係があるのかなと思います。本校は今年で120周年を迎えますが、その起こりは外国人の3人の宣教師です。 「日本の青少年に教育をしなさい」という使命を果たすためにやってきた彼らは、語学学校を始めた。そこに13人の生徒が集まったというのが、明星の成り立ちです。外国語を勉強する場自体がなかった時代ですから、とても先鋭的な学校だったと思います。 本校ではその流れを汲み、ただ英語を話すのではなく外国の伝統や文化に触れることを柱にしたプログラムを展開しています。 英会話の密度も特長的で、中1・中2はクラスを分割しての英会話、中3では1対1でのオンライン英会話で学習します。1対1となると、50分間黙っているわけにはいきませんから、かなり鍛えられます。 たとえば中3には、3学期の「ターム留学」という制度があります。これは3学期の期間約100日間すべてを現地の学校で過ごす留学で、単に語学を学ぶのではなく、実際に現地の生徒として生活することになります。希望者は多いのですがしっかりと面接をして、結果として30名ほどがこの留学に臨みます。現地の学校1校につき2名ずつ、14、15校に分かれて留学するのです。 3学期まるまる現地におりますから、どうしても3学期の学習内容は欠けてしまいます。ただ、統計を取ってみたところ、確かに高1の4月時点では試験の成績が若干下がります。しかしその後はしっかり成績を上げてくれることが分かっています。 留学で身につけた自制心、自律心が良い影響を与えてくれるのでしょう。ターム留学の経験者がクラスにおりますと、全体をぐっと引き上げてくれるように感じます。 高校2年生では、ハーバード大学の寮に住み込んで学ぶプログラムがあります。京都の洛星中学・高等学校と合同で、両校20名ずつ、合計40名でアメリカへ赴きます。 こちらは希望制・選抜制ですから、本校でも比較的優秀な生徒が向かうことになるのですが、それでもあちらで経験する自分自身の弱さから受けるショックは大きい。自分の幼さを自覚し、愕然とするようです。そういった経験が影響するのか、海外の大学へ進学する者も少しずつ増えてきたところです。

大学の先生と本校の生徒・教員がひとつになって研究を行う

―大学進学の面でいうと、高大接続についてはいかがでしょうか。
本校の課題は、生徒が受け身になりがちなことです。しつけが厳しく、礼儀正しい生徒が育っている一方で、より自分で考え動ける生徒になってくれればと考えております。 今年の4月には「自立・自律・連携」という言葉を彼らに投げかけました。教員が指示を出さなくとも、自分で考えて動けるようになってほしい。 高大接続を推進するにあたっても、どうすれば明確に大学をイメージできるかと考えました。ただ大学の先生に来ていただき、講義をしていただくだけではどうしても受け身になってしまうからです。 高大接続と言いますけれども、大学だけでなく、その先の社会をもイメージすることが本来は重要です。大学に入ることだけに一生懸命になると、入学したあと「一体何をすればいいのだろう」と無気力になってしまう者もおります。就職も同じで、「どこでもいい」と受け身になってしまう。 そこで本校では、大学の先生・本校の生徒・本校の教員がひとつになって、テーマを一緒に研究する形式を取っています。これは日本初のプロジェクトで、ある程度の成果が出れば学会などで時間をいただいて研究発表をさせていただけないかと考えているところです。

学校教育は「人間の心をいかに成長させるか」が大事

―最後に、保護者の方へのメッセージをお願いいたします。
学校教育というものは、筆記試験で点数が取れることが第一の目的ではありません。もちろん、基礎学力が大事なのは言うまでもないことですが、もっとも大事なのは「人間の心をいかに成長させるか」だと思うのです。 中高の6年間を男子のみの環境で過ごし、友情を育みながら心・頭・体を鍛えていく。そして、自分の人生をどのように歩んでいくか、自分の頭で考えられるような人間に育って欲しい。 最近は、子ども達を適切に叱りもせず、褒めもしないような教育が増えてきています。いわば、子どもをおだてるような接し方をしているのです。 学校教育やスポーツの現場をはじめとし、叱り方が問題になることが多くなってきました。言うまでもなく「ただ腹が立って怒る」のは間違いです。そうではなく、なぜその子の行動が間違っていたのか、これからはどうすればいいのかを諭すことが必要です。 おだてるような接し方は、腫れ物に触るような接し方です。そうではなく、良いことをすれば抱きしめて褒めてやる。良くないことをすればきちんと叱ってやる。それが心の成長につながっていくのです。

―どうもありがとうございました。

取材日:2018年8月13日
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