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神戸海星女子学院中学校・高等学校

進学教室浜学園が独自の切り口で中学校を取材し、その魅力をお伝えしていきます。

まるで大海原に浮かぶ星のように、人々を導く聖母マリア様。神戸海星女子学院中学校・高等学校は、そんなマリア様の呼び名である「海の星の聖母(Stella Maris)」にちなんで名付けられた、屈指の名門女子校です。海星の生徒たちは、「明るくのびのび、パワフル」が特徴とのこと。今回は、そんな海星の女子教育についてお話を伺いました。
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神戸海星女子学院 中学校・高等学校 広報部長 蓮池知惠子先生と浜学園経営企画室渉外担当 山田

女子校は生の自分を見せられる場所

―男女協働の考えが浸透する今日、男女別学の学校は厳しい状況に立たされているとお伺いしております。そんな中で、「あえて女子校である」ことの意義とは何でしょうか。
おっしゃる通り、女子校は今非常に苦戦している状況で、数年前に比べると募集も厳しくなってきています。 昔は、男女が別々の生き方をすることが当然でした。ですから、あえて男女共学であることが男女平等の意識を持たせるために大切なことでしたし、意義のあることでした。 一方、現代はたとえ完全な形ではないにせよ、男女がともに働くことが当たり前であり、望ましいことであると考えられています。だからこそ、子供達が自己を確立していく、一番多感な時期を女子校で過ごすことには、改めて大きな意義があると感じます。 言うまでもなく、男女共学にも良いところはたくさんあります。同じ空間に男性の視点があることは重要なことですが、その一方で、男性の視線がないことによって、女性同士で深くつきあうことができる。 良い面でも、悪い面でも、自分の本音をさらけ出し、生の自分を見せられるのではないかと思うのです。 もちろん、男性の視点がないことによって、女性同士のまずいところ、良くないところを目の当たりにすることもあるでしょう。けれども、良くない面も含めて、自分の目で見ることができる。それが女子校の意義でしょう。 また、学習の面で言えば、お互いに切磋琢磨し合える環境が女子校にはあります。勉強、スポーツ、学校行事のどれに関しても、同等の体力、同等のものの見方をしている同性同士が集まっているわけですから、同等の立ち位置で切磋琢磨することができる。これは、子供達に大きな教育効果をもたらします。 女子校というと、どうしても「閉ざされたイメージ」があると思います。本校でもそうですが、塀が高く、「中で何をやっているのかなあ」と感じられる方も多いのではないでしょうか。 けれども保護者の方には、女子校はそういった狭い世界ではないことを知って欲しく思います。ときにはぶつかり合いながらも、のびのびと、豊かな人間関係を作っていけること。それが、女子校であることの意義なのです。


「人間関係の楽しさ」が一生懸命な生徒を育てる

―数ある女子校の中で、海星ならではの魅力とは何でしょうか。
わたくし自身が他校をよく存じ上げているわけではないので、あまり一概には言えないのですが、「人間関係の楽しさ」が一番ではないかと思います。 海星では、生徒同士もそうですが、生徒−先生の関係も非常に近しいものとなっています。勉強のことだけでなく、ちょっと嬉しいことがあったり、悩んでしまったりしたときに、何でも自分から話していける。そういう学校です。 そして担任教員の方も、目配りは欠かしません。暗い顔をしている生徒がいないか、心配なことはないかと常に気を配っています。 そういった人間関係が影響するのでしょうか、海星の生徒は、明るく、のびのびとしており、何事にも熱くなれる子ばかりです。どんなことにも白けてしまわず、一生懸命取り組むことができる。物事に対して、肯定的な見方をする。これは、女子校の中で鍛えられた部分ではないでしょうか。


ひと学年150人、”自分たちの学年”という絆

―女子校のよさとして、「共感性が高く、集団行動で伸びる子が多い」と言われることがあります。海星の生徒たちにも、同じ傾向はみられるのでしょうか。
海星では、ひと学年が150人となっています。中学は4クラス、高校は3クラスで、コース制をとっていません。 ですから、クラス内にはいろいろな子が混ざっていることになります。勉強を頑張る子もいれば、スポーツに打ち込む子もいる。発言力のある子もいれば、どちらかというと物静かなタイプの子もいるというわけです。 話は少し逸れますが、大昔、アフリカで人類が発生したときに、世界へ移動していったグループの人数がだいたい150人前後と言われているそうです。 150人よりも小さければ、生き延びることができなかったであろう。150人よりも大きければ、争いが起こってしまっただろうと言われています。150人という数は、多様性を許しながらも共同生活を営める、最適なサイズだというのです。 それを裏付けているように、海星の生徒たちは、非常に学年のまとまりがよく、「自分たちの学年」という絆を強く持って卒業していきます。 保護者の方からもっとも驚かれることとしては、体育祭が「学年対抗」であることが挙げられるでしょう。中1から高3まで、ハンディなしに対戦する学校はなかなか珍しいのではないでしょうか。上の学年は中1を応援し、高校生になると「上の学年に負けるものか!」という勢いで頑張っていて、たいへん盛り上がります。 以前、たまたま体育祭を見に来られた小学生のお子さんと、その親御さまがいらっしゃったのですが、棒取り合戦の激しいのを見て、お子さんが「あれがやりたい!」と目を輝かせていらっしゃいました。 親御さんも、「こんなに楽しいことをやっているんですか!」と。行事に対して一生懸命に取り組む生徒たちを見て、たいへん驚かれたのです。このような学年のまとまりは、女子校ならでは、ではないでしょうか。


何事にも全力な子供たち

―海星というと「お嬢様」のイメージがありますが、お話を伺っていると、大きくイメージが変わりました。海星の生徒の雰囲気について、より詳しくお伺いできますか。
体育祭の件もそうですが、海星の生徒は、目の前にあることに一生懸命になれる生徒だと思います。行事なら行事、テストならテストに対して全力で取り組める。先生たちに、必死になって食い下がっていくというのが、海星の生徒の雰囲気です。 その雰囲気を生かすため、学校行事は生徒が主体になれるようにしています。安全確保のために見守りはするけれども、基本は生徒に任せる。そういった方針です。 何でも自分たちで行う雰囲気があるので、いわゆる「雑用」と呼ばれるような仕事であっても、自分から手を挙げて「やります」と言える子が多いですね。テントを張る仕事を毎年引き受け、最終的にはプロのようになる子もいます。力仕事であっても、男子に頼らず、自分たちで何とかしようとするわけです。 学校外の方からは、「お嬢様」というイメージを持たれる本校の生徒たちですが、実際はこのように、活発な子供が多い印象です。 確かに、親御さんは皆さましっかりとした考え方を持っていらっしゃり、子供によいものを与えたい、感受性豊かに育てたいという方が多いので、子供達は恵まれているとは思います。 しかし子供達自身には、「お嬢様」という意識はありません。ごくごくパワフルに、ケンカをするときは思い切りケンカする。そういった子供達です。


「真理と愛に生きる」神戸海星

―カトリック校として長い伝統のある神戸海星さんですが、海星がめざすもの、海星の理念とは何でしょうか。
本校は創立当初から、「真理と愛に生きる」を目標に掲げています。 抽象的な目標になってしまうのですが、要するにこれは、「人のために自分を役立たせる生き方を選んでほしい」ということです。 「人のために自分を役立たせる」というと、世間的には、それは奉仕であり、自己犠牲であり、苦しいことであるという意識を持たれる方が多いようです。しかし私は、決してそうではないことをお伝えしたい。人の役に立つ生き方とは、決して自己実現をおさえるものではないのです。 今の時代、自己実現をすることは、自分が楽しい道を選ぶ、いい大学に進学する、いい職業につくということかもしれません。 しかし、世の中、「一人で何かをする」ということはあり得ません。人と関わっていくのは絶対不可欠なことであり、自分だけがハッピーになることは、むしろあり得ないことなのです。 本校の生徒の中には、医師を目指している子も多くいます。しかし、医師という職業自体が、そもそも人の役に立つための職業です。 自分の夢が、人のためになっていく。自分自身も楽しみながら、自分を生かしていく。そういう生き方をしてほしいというのが、われわれの真意なのです。 本校の学校長は、「真理」を「人が本当に幸せになる生き方」であると説明しています。そういう価値観を、この中高6年間で育てたい。 本校の中学生が書いた文章に、こういったものがありました。「私は学院祭で、4つの係についた。6時間のうち4時間が仕事で、とにかく忙しかった。けれども、それを一生懸命やることが楽しかった」と。 その生徒のついていた仕事は決して華々しいものではなく、ゴミ処理などの仕事です。けれども、ひとつひとつの仕事をやりきったことに楽しみを感じられる。来てくださる方に楽しんでもらうよう、一生懸命働ける。海星の生徒には、この生徒のように育ってほしいと考えています。


様々な人と出会えるカリキュラム

―のびのびと明るく、また、一生懸命になれることが海星の特徴であるとお伺いしましたが、特徴的な実践はありますか。
海星では、生徒の成長に応じて、人との出会いを用意しています。まずは友達、次に社会の中のさまざまな人々、それから国際社会、そして最後には、自分自身との出会いを持てるよう、カリキュラムを組んでいます。 生徒が入学し、友達と出会ったあと、はじめに出会うのはハンディキャップを持った方々です。中1・中2の間に交流の機会を設けており、施設へ行って掃除をしたり、養護学校の生徒たちと、さまざまなアクティビティをしたりします。 交流の中では、小さなトラブルが起こったり、意思疎通がうまくいかなかったりすることもあります。けれども、そのような体験を通し、子供達は社会の多様性を学んでいきます。 とくに養護学校との交流は数十年続いており、伝統行事の一つとも言えるでしょう。 続く中3・高1では、全く異なった文化圏の人々との交流を行います。具体的には、中3では異文化理解合宿、高1ではオーストラリアのカトリック校の生徒との交流を行なっています。 中3の異文化理解合宿では、ネイティブの先生を10人程度お招きし、少人数のグループで、英語を使ってコミュニケーションをとる練習をします。 高1の交流では、どうしても人数は限られてしまうのですが(1学年で25人)、ホームステイをさせていただき、学校へ通わせていただきます。 このプログラムは、業者に入ってもらうのではなく、本校の教員が、相手方とメールのやり取りをしながら計画しているもので、たいへん手作り感のあるプログラムです。


世界の広さを知ることから始まる進路ガイダンス

―進路ガイダンスにも力を入れられているそうですね。
本校の進路ガイダンスは中3・高1からスタートしています。はじめにお招きするのは、アフリカ・ケニアのスラムで活動されている日本人女性。スラムの現状について話をしていただく、それが進路ガイダンスのスタートとなるのです。一般的なガイダンスとは、ちょっと違った雰囲気のものかもしれません。 なぜこのような形をとっているかと言いますと、生徒たちに「世界はとても広いのだ、色々な人がいるのだ」ということを知ってもらうためです。世界の広さと多様性を知った上で、では、自分はどのような生き方をしていくのか。それを考えてもらうために、このような導入としているわけです。 導入が終わったあと、中3では「職業調べ」を行います。世の中にはどんな職業があるのか、知っている職業を挙げ、職業同士の関わりをグループ化し、それぞれの特徴や必要な資格などについてまとめます。それを最終的にプレゼンすることで、職業観を養います。 その後、高1では、具体的な進路へつなげます。大学であれば、どういう学部、学科があり、どのような学びができるのか。それについて考える時期というわけです。 この時期には、卒業生に帰ってきてもらい、自分の大学・職業について話してもらう機会を設けています。それぞれの学び・仕事についてだけではなく、女性として、結婚をしたり、子供を育てたりしながら生きていくことについても話してもらうようリクエストをしています。 生徒たちは、自分の興味のある進路をとった卒業生のところへ行き、小さなグループで話を聞きます。中には、「最初は、こんなはずではなかったのだけど……」というように、必ずしもはじめから成功したわけではない方もいます。けれども、それがかえって道を拓くこともある。それを体現してくれている卒業生から直接話を聞けるのは、生徒にとって、大きな学びではないでしょうか。 そのほか、大学との交流としては、大学の先生をお招きし、実際に授業をしていただく機会を設けています。いわゆる「学校説明」ではなくて、本物の授業を聞けるというのも、海星の進路指導の特徴です。


スペシャリストを目指す神戸海星

―海星の生徒に人気の進路はどのようなものでしょうか。また、その進路を実現するためにとられているサポート体制はありますか?
昔であれば、女性は私学の文系、文学部という傾向があったように思います。けれども、現在はそうではなく、本校でも理系の生徒が多くなっています。 特に多いのは医学部、農学部、薬学部志望の生徒ですね。いわゆる文系の学部でも、よりスペシャリストを目指す傾向が高まっており、経済、経営、法学部などが人気です。 学習カリキュラムについて申し上げますと、やはり中高一貫校ですので、中学校では無理のない範囲の先取り学習を行い、基礎を固めるようにしています。 中学へ入学した段階で「ああ、受験が終わった」と気を抜いてしまうのではなく、宿題にきちんと取り組み、小テストで定着・確認をする。勉強を量的に増やすということではなく、きちんと段階を踏ませることを大事にしているのです。 一方で高校では、コース制にせず、選択授業を多く設けることによって、それぞれの希望進路に柔軟な対応ができるような体制を整えています。 特徴的な授業でいえば、フランス語の授業があるでしょうか。中3から開講しているのですが、中には数学演習の授業をとらず、フランス語を取り続けながら、医学部へ進学したような生徒もいます。コースという形で限定せず、いろいろな道を用意しているのが海星の特徴でしょう。 勉強が少し遅れてしまった生徒、もしくは、より高いレベルでの演習を希望する生徒には、夏休みに一週間程度の補習を用意しています。 しかし、これは恒常的に設けている補習ではありません。私は、勉強するには、メリハリが必要だと思うのです。常にプレッシャーをかけ続けるのではなくて、「ほかのことにも取り組みながら、勉強も頑張る」というほうが、いざというときに力を出せる。限られた時間だからこそ、全力を出せると思うのです。 それは部活動でも、生徒会活動でも、何かオタク的な活動でもかまいません。ともかく、勉強以外のものも持っているほうが、子供を伸ばすことができると考えているのです。


「全員参加」の英語教育

―注目の集まる、これからの英語教育についてはいかがでしょうか。
ご存知の方も多いかもしれませんが、海星は昔から、英語教育には力を入れて来ています。代表的な行事としては、学内でのレシテーション・コンテストがあります。 これは、中学生では3分間程度の暗唱、高校生では5分間程度のスピーチを英語で行うもので、英語力だけではなく、アイコンタクトやジェスチャーも評価の対象になります。ネイティブの先生に評価をお願いし、1位から5位までを選ぶシステムです。 このコンテストで特徴的なことは、「全員参加」であることです。まずはクラス内で予選を行い、学年大会に出る子を選ぶ方式(高校生の場合は、原稿審査方式)をとっています。数え始めたときからでも40年以上経っている行事で、新しく来てくれた英語教員はとにかく驚きますね。 また、海星では、聞いたり、話したりということと合わせて、きちんとした文法を身につけさせることを大事にしています。コミュニケーションはもちろん大事ですが、きちんとした文を書き、話すためには文法構造を押さえるのが何よりも大事です。そういう意味では、古典的な部分もあるかもしれません。 もちろん、2020年から大学入試が変わり、英語のカリキュラムも大きく変化するため、それに対応できるようにとは考えています。 たとえば今まで、英検やTOEIC、TOEFLは希望者のみでしたが、現在では、高1の終わりまでに英検準2級、高2までに2級を全員が取るという目標を掲げています。 中には中2の段階で取っている子もいるので、そこまで厳しい目標ではないのですが、英語が苦手な生徒であっても、全員そこまで到達してもらうことを目標としています。 英語の教科書は、これまでは旧版の『プログレス』を使っていたものを、『プログレス21』に変更しました。 今年からはCALL(Computer Assisted Language Learning)ルームを新設し、音声でも英検対策ができる環境を整えました。家庭のインターネット環境とも連携ができるシステムで、学習をサポートしています。今は、それらをより活用する方向について模索している段階ですね。


―どうもありがとうございました。

取材日:2018年2月20日
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