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西大和学園~模擬国連と英語教育~

進学教室浜学園が独自の切り口で中学校を取材し、その魅力をお伝えしていきます。

歴史ある奈良の地に創立されて以来、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長し、今や最難関校の名をほしいままにする西大和学園。今回は、同校のユニークな取り組みである「模擬国連」、そして英語教育にかける思いについてお話を伺ってきました。
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西大和学園副校長 岡田清弘先生と浜学園経営企画室渉外担当 山田

各国の大使になりきって世界益を目指す「模擬国連」

―全国高校教育模擬国連大会に参加されているそうですね。そもそも、「模擬国連」とは何なのでしょうか?
「模擬国連」とは、高校生が各国の大使になりきり、与えられた議題について自国の国益・世界益を目指しながら話し合いを続けていくという活動です。
今回、西大和学園の生徒が出場した「全国高校教育模擬国連大会」は記念すべき第一回目で、運営の中心となっているのは公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)とグローバル・クラスルーム日本委員会です。全国区の大会なので、いわゆる「進学校」と呼ばれる学校は軒並み出場しています。

担当する国は基本的にランダムで決まり、どこの国の大使になるかは分かりません(大会によっては、第三希望まで希望が出せる場合もあります)。担当する国が決まるのは、大会の1ヶ月前から半年前。生徒たちは担当する国をしっかりリサーチした上で、どこの国と仲良くすべきなのか、あるいは、すぐには仲良くすることが難しいのか(衝突を避けるべきなのか)を考える必要があります。ですから自然と、世界に関する知識も問われることになります。

たとえば、インドの大使になって「環境問題」について話すとしましょう。もしも単純な発想しかできなければ、「工場の稼働を止めよう」という結論を安易に出してしまうかもしれません。けれども、もしも工場を止めてしまったら、インドの国としての成長はどうなるでしょうか。同じ路線で歩んでいる周辺諸国との足並みは?

模擬国連の場はシビアです。一方的なことを言うと、誰からも賛同を得られません。かといって何も主張しないと、言いなりにさせられてしまいます。
どうすれば国益を守りつつ、世界益を目指すことができるのか……。それをよくよく考え、プレゼンスキルを発揮することが、模擬国連という舞台では求められるのです。


今年度は最優秀賞・優秀賞・実行委員特別賞を受賞。過去には世界大会への出場経験も

―なるほど。その模擬国連において、西大和学園さんはどのような成績をおさめられているのでしょうか。
今回のテーマは「核軍縮」でしたが、西大和の生徒たちは、イギリス大使(最優秀賞)、インド大使(優秀賞)、フランス大使(優秀賞)、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)(実行委員特別賞)などを担当し、賞状をいただきました。
とくに北朝鮮といえば、まさに今「核」の問題で注目されている国です。プレゼンスキルが試されるということで、生徒たちはやる気十分でした。

過去の生徒の中には、ニューヨークで行われた世界大会にも出場したメンバーもいます(24期生)。この経験は、西大和で模擬国連が盛り上がる起爆剤となりました。


他に類を見ない規模の活動で、模擬国連の「リーダー的役割」を果たす

―今や、西大和学園は「模擬国連の聖地」という位置付けだと伺ったこともあります。
ありがたいお話です。
「積極的に他校との交流や大会への出場を行っている学校が他にない」ことが挙げられるからかもしれません。

西大和学園では完全に生徒の自主性に任せていて、生徒が思い思いに他校との交流を広げていきます。
その結果、模擬国連全国大会出場の常連校として、様々な学校と交流を深めリーダーの役割を担えるようになって来たのでは……と考えております。

実際、大学へ進んだあとも、模擬国連を続けている生徒はたくさんいます(東大の模擬国連のリーダーも西大和学園生です)。


別の自分を発見できる、模擬国連という舞台

―なぜ、生徒たちが主体的に動けるようになったのでしょうか?
まずは、いい意味で「ほったらかし」にしている点が挙げられるでしょう。生徒に任せておくことで、「今、自分たちが何をしなければいけないのか」「それをするためには、どういうものが必要なのか」を考える力が育ちます。
それから、「模擬国連」という舞台の特性も大きく関わっているように思います。
繰り返しの説明にはなりますが、模擬国連では、それぞれの生徒が各国の大使に「なりきる」ことが求められます。いわば「別の自分を演じ切る」のが模擬国連ですから、教室とは違った自分を出しやすい。自分の領域を広げやすい場だと思います。

実際、中学生の頃には主張することが苦手だった生徒が、大きなホールで「みんな集まれ!!」と声を張り上げリーダーシップを発揮している場面を見ると、学校や教室という垣根を飛び越え、模擬国連というスケールの大きな舞台に立てば、違った行動ができるようになるのでしょう。

模擬国連といえば、「英語で文書を作成する」「英語でスピーチする」など、語学向上のツールとしての側面ばかりが注目されがちです。しかし、実際には総合的な人間力、自分の器を広げていくための場としての側面も持っているのです。


アルファベットから教えた生徒が、世界大会で活躍

―模擬国連以外には、どのような活動をされているのでしょうか。
西大和では模擬国連だけでなく、高校生模擬裁判選手権、ワールドスカラーズカップ(WSC)にも生徒が出場しています。

とくにWSCは、ディベート・クイズ・スピーチなどの内容が全て英語で行われるため、語学力が問われる大会だと言えるでしょう。関西ラウンドで勝てば日本代表になることができ、ハノイ・アテネ・ケープタウンで行われるグローバルラウンドに進出することができます。

西大和からは9名の生徒が参加し、なんとその全員が世界大会へと進出しました。さらに、イェール大学で行われる決勝大会への参加資格も得ることができ、良い成績を収めています。

特筆すべきなのは、WSCのメンバーには帰国子女も含まれていましたが、「中学校1年生から英語を始めた生徒」も含まれていたということです。英語教員として、これほど嬉しいことはありませんでした。


「型にはまった教育ではダメだ!」改革で生まれたユニークなスタイル

―そもそもどうして西大和学園では、こんなにも英語教育に力を入れているのでしょうか。
元々、本校の教育目標に「次代を担うリーダーを育成するために」グローバルリーダーを育てたいという思いがあります。開校当時から「型にはまった教育だけをしているようではダメだ」と強く思い、国際理解教育を積極的に進めてきました。さらに最近では、「紙の上からの脱却」を目指して「耳と口を動かす授業」、具体的にはフォニックスやイマージョン教育、ヤングアメリカンズなどを取り入れたスタイルを形作っていきました。

アメリカ語学研修プログラムも劇的に変わりました。英語科の単位数ごと変更し、アウトプットの時間を増やしたのです。
その結果、とても積極的に行動できる生徒が増えました。海外でホームステイし、ホストファミリーと出会うときにも(以前はシャイな生徒も多かったのですが)名前を呼ばれたら小躍りして走って行き、ハグやタッチをするような生徒も。ホストファミリーの皆さんが「同じ学校の生徒なの?」と驚くほどの変化でした。

ただし、「使える英語」を目指す一方で、既存の枠組みにも対応できるようにしなければならない意識もありました。西大和の生徒たちは、非常に難度の高い入学試験を突破してきた、優秀な生徒ばかりです。その分、進学実績をはじめとして、様々な期待をお寄せいただいています。その期待を考えると、生徒のチャンスを教員がつぶすわけにはいきません。そのバランスを探りながら、今も試行錯誤を続けております。


NASAの職員・Appleのエンジニアも訪れた「卒業研究」スピーチ

―語教育に力を入れたことによって、生徒にはどのような変化がありましたか。
生徒が英語にかけるモチベーションは、確実に上がったと感じます。
極端な話をすれば、テストの点数を見て「英語ができるんだね」と褒められるのと、何気ないところで「きれいな英語を話すね」と褒められるのとでは、違った種類の感動があるはずです。生徒は発音を褒められると、とても嬉しそうな顔で報告してくれます。
英語教育の方法論に関しては、議論が絶えないところではあります。しかし、少なくとも一石を投じることはできたのではないか、と考えております。

さらに具体的なエピソードで言えば、短期留学をはじめ、海外を身近に感じてくれる生徒が増えたことがあります。
西大和学園では、中学3年次に「卒業研究」を行うことになっています。自分のテーマをひとつ決め、それに関する研究発表をするのですが、これを英語で書くようにし、アメリカの大学でスピーチする機会を設けました。

スピーチにはNASAの職員の方、Appleのエンジニアの方などが訪れてくださり、生徒たちにとっては良い刺激になったようです。保護者の方からも、「子供を見ていると、世界の見方が変わったようだ」というお言葉をいただきました。 「教育は、型にはまっていてはいけないんだな」と再認識した経験でした。教員としてはしんどい面もありますが、「語学は与えただけ返ってくる」と確信しました。


英語が「苦手」でも「嫌い」はいない。楽しんで学ぶ英語

―西大和学園のフォニックスは特殊、と伺っておりますが、どのような授業をされているのでしょうか。
一般的に言うフォニックスは「発音の規則を覚える」こと、つまり「音の勉強」のことです。もちろん、西大和学園でも一般的な意味でのフォニックス(音の勉強)は行いますが、それは中1の夏ごろまでに完了してしまいます。西大和学園のフォニックスがユニークな点は、そこから「読み・書き」の能力へとスムーズにつながっていく点です。

たとえば、西大和学園へ入学してくれる生徒たちは、算数・数学好きの子が多い傾向があります。英語へのモチベーションを上げるためには、算数好きの生徒を取り込むような工夫をしなければいけません。
そこで英語の授業では、数字や四則計算を耳から聞かせて、書き取りをさせています。さらにレベルアップすると、今度は文章題の答案を英語で書くような練習も取り入れます。
算数の問題を扱うことによって、いつのまにか単語レベルを超え、文レベルでの書き取りへとステップアップしているのです。

これまでの英語教育では、「間違えた単語を10回書かせる」など、生徒に負担をかける方法が取られてきました。もちろん反復練習も大事ですが、私は「楽しんで学ぼう」という声掛けをしています。

これは私の3歳の息子を見ていて気づいたことなのですが、「おもしろい!」と思ったら、子供は勝手に走って行くものです。我が家の息子も、勝手に私のスマートフォンの操作を覚えてしまいました(笑)。「これを学校教育の現場に持ち込んだら……」と考え、そこから「楽しんで学ぶ」方針が出来上がったわけです。

実際、西大和学園の生徒には、英語が「苦手」でも、英語が「嫌い」な生徒はいません。新しい時代が求める英語力を養うために、少なくとも種をまくことができたかと思っております。


毎年のように変化する、若々しい「最難関校」

―西大和学園では「特殊な生徒」だけがスポットライトを浴びているわけではないのですよね。
子供が何か驚くべき成果を残したとき、「でも、それは『あの子だから』できたことなのでは?」とおっしゃる方がいます。「特殊な才能を持った子だから、できたのでは?」という疑問です。しかし、西大和学園の生徒たちに関して言えば、そうばかりとは言い切れないと考えております。

西大和学園の卒業生の中に、東京大学への進学をやめ、UCバークレー(カリフォルニア大学バークレー校)へ進学をした生徒がいます。彼がそういった進路を選んだきっかけこそが模擬国連、そして中3でのアメリカでの1年留学でした。彼が高い能力を持っていたことは否定しませんが、その能力が、西大和学園という環境とマッチしたのでしょう。「西大和学園だったからこそ、現在の自分がある」と言ってくれた時は、素直に嬉しかったです。

西大和学園はまだまだ若い学校で、すべてが試行錯誤の途中です。けれども、若い学校だからこそ、どんどんレベルが上がって来ていると感じます。今後も子供の可能性を広げられる環境であり続けられれば、これほど嬉しいことはありません。

―どうもありがとうございました。

取材日:2017年8月24日
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