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歴史「を」学び、歴史「に」学ぶ

大阪府大阪市 四天王寺中学校・高等学校 社会科教諭 西矢貴文

 皆さんはなぜ歴史を学ぶのでしょうか。
 歴史が好きでもっと知りたいから。学校の授業にあるから。入試に必要だから。どんな理由からであれ、それが過去の事実や年代を覚えるだけのものになってしまっているのであれば、もったいないと思います。

 遠い昔のローマ帝国の盛衰が、今日においても多くの人びとを惹き付けるのはどうしてでしょうか。その歴史を彩る魅力的な登場人物―カエサル、オクタウィアヌス、ユリアヌスなどなど―のゆえもあるでしょうが、それ以上に現代における文明・国家・社会のあり方を考えるうえでの教訓のようなものが鏤められているからだと考えられます。
 
 世界のさまざまなことがらに、「なぜ」「どうして」と感じることはありませんか。なぜ、第二次世界大戦は起きたのか。どうして、イギリスはEUを離脱するのか。
 西洋以外の国のなかで、日本だけが近代化に成功することができたのは、なぜなのか。R.N.ベラー(1927〜2013)は、『徳川時代の宗教』(岩波文庫)で、それを江戸時代の文化的伝統(倫理)に求めました。その中で指摘されていることは、現在の日本にも通じるところがあります。なぜ…。どうして…。歴史を学ぶ際にも、「なぜ」「どうして」の知的好奇心を大切にしてください。
 
イギリスのE.H.カー(1892〜1982)という人物の『歴史とは何か』(岩波新書)に、「歴史とは現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話」であるという有名な一節があります。この言葉が意味することの一つは、歴史は単に過去の事実を語る(学ぶ)だけのものではなく、現在の眼を通して、その問題意識に照らして未来に向けて過去を見るものである、ということだと思います。
 歴史は、まったく同じ事柄を繰り返すことはないけれども、同じようなことは繰り返し起こりえます。先人たちは、どのように道を歩んで、どのような歴史を紡いだのか。私たちが歴史「を」学ぶことの目的は、歴史「に」学び、より良い現在や未来を生きるためではないでしょうか。

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