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神戸女学院中学部・高等学部

進学教室浜学園が独自の切り口で中学校を取材し、その魅力をお伝えしていきます。

兵庫県西宮市に位置する神戸女学院中学部・高等学部。芸術的に美しい学舎がたたずむ敷地内には神戸女学院大学のキャンパスもあります。自分のためだけでなく人の幸せに奉仕できる豊かな人間性を育んでほしいという思いで、キリスト教精神に基づく全人教育を行っている神戸女学院。今回はそんな神戸女学院の中学部・高等学部部長の林先生にお話を伺いました。
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神戸女学院中学部・高等学部 部長 林真理子先生と浜学園経営企画室渉外担当 山田

神様を愛し、隣人を愛す

―御校の教育理念についてお話しいただけますか。
本校の教育理念は「愛神愛隣」です。これは神様を愛し、隣人を愛すという意味です。本学では自己実現のためのみならず、社会のために教育を通して自分の力を培ったり磨いたりすることを目指しています。そんな教育を施すために、本校ではキリスト教主義教育や全人教育、そして語学教育に力を入れて日々の指導を行っています。

女子に特化した教育、生徒同士・教員との強いつながり

―御校の女子校ならではの特色について教えてください。
思春期は身体も心も大きく成長する時期であるため、男女で大きな差が現れます。これは学習のスタイルについても当てはまることです。特に理数系の科目は男女で理解のスタイルが異なり、一つ一つ丁寧に地道に展開していく授業が女子にとって分かりやすい授業とされています。共学の学校では男子にも女子にも分かりやすい授業をする必要がありますが、本校では女子に分かりやすい授業に特化し、どのような授業を行うかをそれぞれの教員が考え、日々実践しています。これは女子校だからこそできると言えるでしょう。また、生徒同士の人間関係は強固なものとなります。一学年140人という比較的少ない人数で完全中高一貫の6年間を過ごすため、個性が違っていても認め合える関係を築き、一生の友達を本校で作って卒業する生徒がほとんどです。また、異なる個性を受け入れ共感できるという点から、包容力やコミュニケーション能力も本校の生徒は高いように思います。
縦の関係では、何年後かにこうなりたいと思えるロールモデルが身近に多くいることも特徴です。例えば中学1年生が参加する、デイキャンプで実施されるプログラムの内容は上級生が作ります。さらに、上級生は小さなグループにリーダーとしてつき、キャンプに同行します。新入生はそんな上級生を見て「高校生になったらこうなりたい」という思いを抱きます。中学1年生から高校3年生までが通う本校だからこそ、上級生が行事を引っ張る姿や礼拝で語る姿などを目にし、早いうちから自分のありたい姿について考えることができます。また、共学の学校であれば、行事の準備などで男子に任されるような仕事も、すべて女子によって行われるため、生徒たちはジェンダーにとらわれることなく、のびのびと活動しています。行事のリーダーや部活動のキャプテン、会長などが女子であることが当たり前の本校では、社会に出ても役立つ女性リーダーを受け入れ、支援する姿勢が自然と身につきます。
このような生徒同士の距離のみならず、教員との距離も比較的近いような環境で6年間過ごすため、卒業生の愛校心はとても強いです。卒業生には医学や司法の道に進む者も多いのですが、女学院の高等学部出身ということで人脈が広がり、新しい道が切り開かれることや、女子校教育のよさについて改めて語り合うこともあるようです。彼女らは礼拝でのスピーチや講演会、親睦会への参加などを通して後輩のサポートをしてくれています。

スピーチやディスカッションから自分自身を見つめ直す

―キリスト教主義教育について教えていただけますか。
本校はキリスト教主義教育をうたっていますが、実はキリスト教の信者の生徒は少ないです。自分の力を他者への奉仕に用いるという教育理念に基づいてキリスト教主義教育を行っています。具体的には毎朝20分間行われる礼拝と、週に1時間の授業とがあります。礼拝では、外部講師や教職員だけではなく、在校生や卒業生がスピーチを行います。ここで生徒は全校生の前で自分の体験についての考察や学びを語るのです。例えば、中学1年生の3学期には自分の1年間の振り返りを、高校3年生の2学期には6年間の体験を踏まえ後輩へのラストメッセージを、学校行事や部活動でリーダーを経験した生徒や留学をした生徒はその活動を通して得た感動を語ります。生徒によって語られる熱いメッセージは時に聴衆の心に響きます。この場は、自分も登壇者と同じような経験ができるかもしれない、自分が理想とする姿に変われるかもしれないということを発見し、自分自身を見つめ直すことできるかけがえのない場となっています。
聖書の授業は、道徳に代わる宗教教育として位置付けられています。キリスト教の教えや考え方について学ぶ中で、人間や社会はどうあるべきなのかについてなど、倫理的な考えを書いたりディスカッションしたりします。 11月には宗教強調週間が設けられており、礼拝に講師が来てくださいます。また、放課後には講師や院長、大学生などのゲストを招いて「白熱教室」が実施され、日ごろ自分が抱いている疑問のぶつけ合いや、人生についての熱いディスカッションが行われます。中学1年生でも遠慮なく質問し、上級生やゲストと同じ立場でディスカッションできるのが特徴です。

生徒の主体的・積極的な学びを促す

―全人教育・リベラルアーツについてお聞かせください。
全人教育は、生徒の主体的・積極的な学びを意図して行っています。そのため総合学習として探究という授業を設けています。中学1年生では基礎研究として女学院調べを行います。神戸女学院の建物や、神戸女学院出身の著名な人物についてなど、自分の興味のあることについて調べます。これを踏まえて上級生になると、自分でテーマを設定して1年間をかけて調査や考察を行い、プレゼンテーションする場を持ちます。
他の授業が横にリンクされているのも特徴です。前述した探究の授業でプレゼンテーションをする際に、情報で学んだパワーポイントの使い方、美術で学んだ色の構成やデザインを活用してプレゼンテーションをします。音楽でハンドベルに触れたなら、クリスマス礼拝でその成果を披露します。このように机上の空論だけではなく、実際の社会活動につなげていくのが全人教育・リベラルアーツの特徴です。一人ひとりの能力や才能を育てていき、チャレンジ精神を学んでもらうためにも大切にしていきたいと考えています。

赤ちゃんが母語を学ぶように自然に英語を学ぶ

―次に、力を入れている語学教育についてお聞かせください。
本校では「赤ちゃんが母語を学ぶように自然に英語を学ぶ」ことを理想としています。アメリカ人のALTが4人おり、週6回の授業はすべて英語で行われています。中学1年生では「読む・聞く・話す・書く」の4技能をバランスよく育むことを目標とし、2時間で1単元の構成で授業を行っています。1時間目は日本人教員とアメリカ人教員がペアとなって教え、2時間目は35人を2つのクラスに分けて日本人教員が前時の復習を行います。さらに、授業を行う場所にも特徴があります。中学1年生には英語教室で授業を行うのですが、そこには学習した英語で理解できるポスターがあったり、その時期に合わせて施されたデコレーションがあったりします。今はクリスマスの装飾がなされています。このような教室で英語を学習することで目からも英語の情報をインプットできるため、生徒はこの教室に入ると英語のチャンネルがオンになります。さらに年に1度、中学1年生と高校2年生が一緒に英語に触れる「Joint class」というものがあり、高校2年生が英語で中学1年生に簡単な質問をしたり、英語の学習方法をアドバイスしたりする場となっています。中学1年生は上級生の使う英語に刺激を受けています。
中学1年生の1学期では単語を学習しますが、本校ではその学習順序を工夫しています。日本語に近い[p]や[b]などが発音記号として用いられる単語から学習していくのです。動詞の導入の際は、動作を一緒に行いながらその動詞の意味を覚えていく「Total Physical Response」を採用しています。中学2年生では、宿題としてCDを用いた課題を課すことでリスニング力の向上に努め、リーディングの宿題を課すことで速読ができるようになることを目指しています。中学3年生ではカード式の多読プログラムを取り入れており、自分のレベルにあった文章をたくさん読むことができます。また、パラグラフライティングにより英語で書く力、英語でのプレゼンテーションにより話す力の向上も目標としています。以上のようなカリキュラムで、中学部の間に自分の言葉で自分の意見を表現できるようになることを目指します。高等学部ではクリティカルシンキングを身につけたり、英語で論文を書けるような力を付けたりすることを目指しています。このような英語教育を受けた生徒は確たる英語力を身につけ、その多くが中学3年生で英検2級を取得します。近年では準1級に合格する生徒も増えてきています。

生徒の行きたいところ、やりたいことをサポート

―大学受験の実績を公開していない御校の進路指導とはどのようなものなのでしょうか。
本校は女子校教育を行っている学校であり、大学進学は結果であって教育の主たる目的ではない、という姿勢で日々の教育に臨んでいます。そのため、大学受験の実績を非公開としています。進路指導の根本には中高6年間で学んだことを将来のキャリアにつなげていってほしいという思いがあります。近年ではキャリアガイダンス教育を新たに進路指導の中に組み込み、年に2~3回様々な分野でパイオニアとして活躍する若手を招いて、中学生や高校生の時にどんなことを考えていたのか、なぜその職業を選んだのかということについて話してもらっています。その後には少人数でのディスカッションを行い、生徒一人ひとりがライフデザインを描けるようになることを目指しています。
高校2年生からは進路希望に応じて受講科目を選択できるようになりますが、その際にも将来にやりたいことを考えたうえでの選択を促しています。本校では6割~7割の生徒が理系に進み、そのうちの半数が医学部を目指しています。また、海外の大学を視野に入れた進路選択をする生徒も増えてきました。実際に進路を決める際には、「あなたが行きたいところ、やりたいことをするためのサポートをする」という姿勢に徹します。 2020年には大学受験が大きく変わるということで、民間英語試験のGTECやTOEFL-ITPを受験するようになりました。しかし、知識やノウハウだけを教える受験に特化した授業を行うのではなく、今まで通りの女子校教育を継続させていきたいと考えています。

私服で登校、生徒による企画・運営

―自由と自治の校風について詳しく教えていただけますか。
自由な校風として1番に挙げられるのは本校に制服がないことです。生徒たちは思い思いの私服で登校します。校章を胸元につけなければならないというのが服装に関する唯一のルールです。上級生がロールモデルとしての意識をしっかり持って良き例を示すため、後輩もそれに倣います。
学校行事や自治会活動の企画や運営も生徒が中心となって行います。例えば体育祭では6年間変わらない縦割りのチームで戦いますが、その際には自主練習が行われたり必勝法の伝授があったりなど、先輩が率先してチームを率います。そのため、このチームは部活動で育まれる関係のように固い絆で結ばれます。

美と実用を兼ね備えた学舎

―生徒たちが学ぶ学舎についてお話しいただけますか。
本校の学舎は、多くのすぐれた建築物を手掛けてきたウィリアム・メレル・ヴォーリズ博士の設計で、ヴォーリズ建築と呼ばれています。彼は、真に芸術的な建築や学習空間は人格形成に大きな影響を与えると唱え、調和のとれた学舎を設計しました。部屋のほぼすべてが南向きで、最大限に日光を取り入れられ、この学舎が美と実用を兼ねた設計によって建てられたことが分かります。 1933年に神戸にあった学舎を今の場所に移転しましたが、昔と同じたたずまいが残されています。中高部校舎や講堂を含む岡田山の校舎群12棟は、2014年に国の重要文化財に指定されました。

大学の講義を受講・医学の学びを経験できる

―神戸女学院大学と御校とではなにか連携がなされていますか。
神戸女学院大学と敷地を同じくする本校では、大学が高校生に講義を公開する機会があります。そこでグローバルスタディや心理学について学ぶことができ、さらに神戸女学院大学に進学すれば高校時代に取得した単位を認定してもらうことができます。 また神戸女学院大学とは離れますが、医学部での例えば心臓手術を手掛ける現場での研修医のようなプログラムを経験できたり、「医学部で学ぶとは」という講演を聞いたりする機会が用意されてもいます。大学の先生や卒業生も多く来校するので、大学での学問を身近に考えられます。

様々な人が活躍し、盛り上がる各学校行事

―学校行事について教えてください。
本校では1年を通して多くの行事が開催されますが、5月に行われる愛校バザー、6月に行われる体育祭、9月に行われる文化祭が代表的なものです。
愛校バザーでは手作りの商品や寄贈された商品をPTAがバザーで販売します。地域の人や卒業生なども多数来校し、にぎやかなものとなります。このバザーで得た収益の全額が学院に寄付され、生徒の修養会活動や部活動などの活動費として使われます。また、法曹関係の職に就いている卒業生が、法律相談を行っています。
体育祭では中学1年生から高校3年生までを縦割りにしてチームを編成します。唯一縦割りではない競技として学年対抗パフォーマンスが行われます。生徒たちは自ら振り付けを考え、工夫の凝らされたコスチュームを作製して臨みます。他にも騎馬戦や棒倒し、マスゲームなど様々な競技が行われ、「優勝しなければ受験勉強に集中できない!」という生徒が多数現れるほど白熱した行事です。
文化祭では各自の持つ能力を最大限に発揮して、様々なプログラムが催されます。例えば5分間のバラエティーショーで壮大なプロジェクションマッピングを披露する生徒もいれば、クラシックコンサートにおいて1年間練習してきたバイオリンやピアノ、詩吟や琴を披露する生徒もいます。普段の生活での服装とは異なるリサイタルドレスで演奏する生徒もいるため、仲間の新たな一面を見つけることもできます。

様々な校外活動・部活動で活躍

―授業以外の活動、部活動や校外活動についてお話しいただけますか。
本校では校外活動も盛んに行われています。数学オリンピックや数学甲子園に挑戦する生徒も多くおり、3年前は数学甲子園で全国制覇を成し遂げました。そのような大会に参加するチームは、数学ができる生徒を選んで編成するのではなく、数学が好きで大会に挑戦したい人同士が自由に編成します。そのため同学年に3つもチームが誕生することもありました。日ごろの礼拝によって人前で話すことに慣れているため、英語で行われるディベートで全国優勝をした生徒や、模擬国連で優秀な成績を収めニューヨークの国連本部を訪れた生徒もいます。
部活動では高等学部の競技かるた部が全国レベルで強豪です。この競技かるた部は、生徒からの要望があって発足されたものです。中学部ではテニス部が活躍しており、毎年のように近畿大会に出場しています。中学部では全員が、高等学部では半分以上の生徒が何らかの部活動に所属しており、文武両道が体現されています。他にもスポーツチャンバラで全国優勝をした生徒や、書道や税の作文・JICAが募集する作文で入賞する生徒も数多くいます。
彼女らのこのような活躍の陰には、卒業生による奨学金としての尊いサポートもあります。伝統が大切にされ、卒業生の愛校心が強い本校だからこそ見られることだと考えています。


―どうもありがとうございました。
取材日:2018年11月29日
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