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甲南中学校

進学教室浜学園が独自の切り口で中学校を取材し、その魅力をお伝えしていきます。

兵庫県芦屋市に在り、創立当初から続く「ひと創り」の精神をもって「世界に通用する紳士」を育んでいる甲南中学校を取材しました。
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甲南高等学校・中学校校長 山内守明先生と浜学園経営企画室渉外担当 山田

甲南のポリシーがこもった「フロントランナー」「アドバンスト」の2コース制

―甲南中学校といえば、「長い伝統のある上品な学校」というイメージがありますが、最近は「フロントランナー構想」が始まるなど、新たな特色を加える努力をされていますね。今日は具体的に、その中身についてお聞かせいただけますでしょうか。
まずは「アドバンスト」コースについてお話させていただきます。こちらのコースは(甲南中学校も含め)大学の併設校で、一般に「スタンダード」と呼ばれるようなコースになります。しかし甲南中学校では、従来の殻を破り、甲南中学校としてのポリシーを持って運営していきたいという気持ちがありますので、コースに「アドバンスト」という名前をつけ、グローバル教育やキャリア教育に力を入れたカリキュラムにしました。

一方「フロントランナー」コースは、進学に特化しているという点では、一般的な「特進コース」「医進コース」と共通するようなコースです。しかしこちらもアドバンストコースと同じく、「進学実績を上げるだけではなく、甲南ボーイとしてのポリシーを身につけてほしい」という思いがありましたので、「フロントランナー」という名前をつけ、医学の道や、科学の最先端へと進んでくれる生徒を育てていくようなコースにしました。


それぞれの個性を伸ばす「プログラムの仕掛け」

―そんなフロントランナー構想も四年目となったそうですが、現状はいかがでしょうか。
アドバンストコースに関しては、中学受験までの時点で、すでに高い英語力を持った生徒が入ってきてくれるようになりました。通常、小学校でのみ英語を学んでいる生徒は、英語検定で5級・4級程度の実力を身につけています。しかし、アドバンストコースに在籍する生徒の中には、中1でありながら2級、準1級の英語力を身につけている子もいます。こういった生徒は、率先してコース全体を引っ張ってくれています。

そしてフロントランナーコースに関しては、生徒自身がきちんと学力をつけようと努力している姿がはっきりと見えてくるようになりました。具体的に言えば、模試でSランク、Aランクに分類される生徒の数がなんと2倍に増えてきています。生徒たちの学力が上がることにより、学校全体が活気付いてきている、というのが今の私の印象です。

フロントランナーコースでは、学びへのモチベーションを高めるための「プログラムの仕掛け」があります。たとえば、サイエンスラボやグローバルラボ。理科の実験を例にとりますと、通常ならば「1時間でひとつの実験」を行うところを、「2時間でひとつの実験」を行う設定にし、ゆっくりと考えを深められるようにしてあります。

フロントランナーの生徒には、理系の学部に進みたい子が多くいるのは事実です。しかし、「辛抱強く一つのことを続ける力」「科学的思考力」が重要なのは、希望の学部に関係ありません。そこで、教科書に載っていないような実験も積極的に行い、科学的思考力を育てようとしているのです。

この方針は、理科の授業には限りません。英語に関しても、アクティブラーニングを取り入れ、環境や平和というさまざまなテーマに関して考えを深め、発表させるような授業を行なっています。


「2020年」という区切りは関係ない

―2020年の教育改革が近づいています。それに向けて、甲南中学校ではどのようなことを行なっていらっしゃるのでしょうか。
教育改革以降の教育については、今まで以上に論理的思考力が求められると言われています。しかし私は、甲南生に関しては心配をしておりません。論理的思考力、そしてコミュニケーション能力を養うための教育は、2020年という区切りとは関係なく、常に必要なものだと考えるからです。

もちろん、論理的思考力を養うための仕掛けはいろいろとあります。たとえば、国語教育システム「論理エンジン」の採用。それから、作文指導や小論文指導を通して、ひとつのテーマについて書く訓練も行なっています。


「夢に向かって頑張れ」と伝えやすい環境が男子校の強み

―少子化とともに、男女別学の学校は少なくなってきています。そんな流れの中で、甲南中学校の考える「男子校だからこそできる教育」とはどのようなものでしょうか。
よく言われることかもしれませんが、男女別学の良い点はやはり、「異性の目を気にすることなく、堂々と自分の夢を語れる点」だと考えます。

もちろん、共学の学校にもいろいろといい点があることは理解しています。しかしどうしても、同じ空間に異性の目があると「照れ」が発生してしまう。「将来、こんな風になりたい」と素直に言いにくくなる子も多いというのは事実でしょう。

甲南中学校では、「総理大臣になりたい」という夢を語る子も実際にいました。将来の夢を照れることなく語ることができ、それを聞いた同級生も、茶化すことなく応援できる。それが実現しやすいのは、やはり男女別学の強みであると言えるのではないでしょうか。

私が、校長として生徒に理解させたい甲南のポリシーは「志を持つ」ということです。
中学校、そして高校生活を送る中で、自分の個性、自分の才能とはなんなのかを理解し、志を持って将来を切り開いていける人物になってほしい。「夢に向かって頑張れ」というメッセージをノイズなく届けられることこそが、甲南中学校を含め、男子校の強みであると考えています。


卒業生からは「人間国宝」も

―甲南中学校の卒業生の中で、そのポリシーをとくに体現しているような方はいらっしゃいますか。
まさに今年のことですが、卒業生の中から「重要無形文化財保持者(いわゆる「人間国宝」)」となった方がいらっしゃいます。第26期生の、大倉源次郎さん(能楽囃子方 大倉流小鼓方 第十六世宗家)です。

大倉さんは私と同世代の方ですが、我々が高校生の頃といえば、ビートルズが大人気でした。世間がロックやポップスに沸く中、伝統芸能の世界に入っていくというのは、並大抵の気持ちではできなかったことでしょう。まさに「志」だと思います。

大倉さんをはじめ、甲南中学校の生徒の中には、自分の家を継ぐことが決まっている子もいます。それでも、「なんとなく家を継ぐ」というのではなく、自分にはどのような個性があるのかを知り、目標に対してどのようにアプローチしていくかを考えながら進んでほしいと考えています。

私はフロントランナーの生徒に、「君たちの中から、大学の先生になったり、研究者になったりする子が出るんだよ。そうなってほしいから、フロントランナーというコース名にしたんだよ」と伝えています。こう話すと、子供達は嬉しそうな顔を見せてくれます。学校から期待され、コースやプログラムが用意されていて、その環境で育つことができる。その自覚が、子供達に良い影響を与えるのではないでしょうか。


今年で創立100周年、創立者の思いを再認識

―甲南中学校はまもなく創立100周年を迎えるそうですね。現在の甲南中学校が大切にされていることはどういったことでしょうか。
創立100周年を迎えるということで、建学の理念、創立者がどのような思いでこの学校を作ったかについて考える時間が増えました。「徳・体・知」で、世界に通用する人材を育成するという使命を改めて意識しているところです。

学校の歴史をひもといてみると、甲南中学校の卒業生には、財界につながっている方も多くいらっしゃいます。財界で活躍することになる卒業生が、企業としてただ利益を追求するだけでなく、社会に貢献する、社会に奉仕するという視点を持てるようになる……そういう教育を大事にしています。


コースの区別なく打ち込める、ユニークなクラブ活動

―クラブも盛んだそうですが、注目のクラブはありますか?
甲南中学校には、ほかの学校にはあまり見られないクラブ活動がたくさんあり、それぞれ活躍しています。
たとえばアーチェリー部は、インターハイで準優勝をしました。数年前には馬術部が全国で優勝を果たしましたし、将棋では現在、プロ棋士養成機関の奨励会で三段を保有している生徒がいます(四段になればプロ棋士)。

また、それぞれの部活に所属している生徒が、フロントランナー/アドバンストの区別なく打ち込み、活躍しているという点も重要だと思います。


生徒に開かれた施設の数々

―近年、学校の施設もリニューアルされて大変きれいですが、とくにご自慢の施設についてご紹介いただけますでしょうか。
まずは運動施設についてですが、たとえば地下体育館は、夏は涼しくて冬は暖かいと評判です。そのほか、雨天対応の練習場があるのも甲南ならではでしょうか。野球・ゴルフなどの練習をすることができますが、中学校・高校に、野球・ゴルフなどの練習をすることができる雨天対応型の施設があることは少ないので喜んでいただけます。

それから図書館については、9万冊の豊富な蔵書を備えていますし、生徒からのリクエストがあれば(適切な本である限りは)購入しています。本好きの生徒にとってはうれしい図書館のようです。
本を選ぶ際、実際に大型書店に足を運んでピックアップする「店頭選書」を行うこともあるのですが、場合によっては図書委員の生徒自身がピックアップすることもあります。全体として、生徒に開かれた図書館であると言えるでしょう。

保護者の方から人気なのは、宿泊施設です。学校内で合宿ができるとのことで、保護者の方は驚かれます。合宿は中高合同で行うので、上下の礼儀についても学ぶことができます。


震災を機に意識した「甲南ボーイのポリシー」

―校長先生がこれまで教師生活を送ってこられる中で、もっとも印象に残っている出来事をお聞かせください。
つらい話で、お伝えのしかたが難しいのですが、やはりもっとも心に残っているのは阪神淡路大震災です。
甲南中学校でも、残念ながら2名の生徒が震災によって亡くなられました。どちらも私が教えたことのある生徒で、本当につらい経験でした。この経験があって以降、前にも増して学校に尽くしていく気持ちになりました。

震災は学校の施設も破壊し、一部、建て替えの必要が生じる施設が出てきました。物理的にも、精神的にも学校を立て直す必要に駆られ、「どんな学校づくりをするか」を強く意識させられたのです。

話は少し変わりますが、大学併設の中学校・高校が参加する「附属校サミット」という研究集会があります。そこで出会った慶應義塾大学の塾長がおっしゃった言葉に、まだ30代だった私は衝撃を受けました。それは、「教育は私学がつくる」という言葉。

文部科学省の方針に従い、ただ各教科の内容を教えるだけの教育をするのではなくて、教育自体をつくっていく。その考え方に感銘を受け、つらい経験をしながらいろいろと思い悩んだ結果、導き出した答えこそが「志を持った人間の育成」だったというわけです。

私は、校長は極力、すべての生徒を知っておいてあげることが大事だと思っています。ひとりひとりの顔を見ながら、その子の個性がキラッと光ったときに、すかさず声をかけてあげる。それが大事だと思うのです。

甲南の卒業生たちは、「甲南ボーイ」と呼ばれています。それぞれの個性を伸ばした甲南ボーイたちが世界各地に散らばっていって、そこでどんな芽を出すか。私はそれを楽しみにしています。

―どうもありがとうございました。

取材日:2017年9月6日
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