最近、メディアで注目を集めているVR(バーチャルリアリティ)ですが、パソコンやスマートフォンに専用のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を接続するだけで、自宅でも簡単に楽しむことができます。
HMDを装着すると自分の周りに360度広がる3D空間が出現し、ゲームや動画をまるでその世界に入り込んだかのように、リアルに体験することが可能です。
VRに対応したコンテンツは次々と制作されており、教育の現場で利用できるものもいくつかあります。
その1つが「Google Earth VR」です。
Google Earthはグーグル社が2005年に公開したコンテンツで、世界中の建物や地形の航空写真を3Dで表示できるバーチャル地球儀ソフトです。2016年に新たに公開された「Google Earth VR」ではGoogle Earthの世界に入り込み、様々な国や地域を本当に訪れたかのような体験をすることができます。
先日、本校の科学部の生徒たちにGoogle Earth VRを体験してもらいました。コンテンツは全て英語表示で日本語対応はしていませんが、日頃の学習の成果か、特に言語でつまずくことはありませんでした。専用のコントローラーを用いて3D空間を自由に飛び回ったり、昼夜の時間帯や太陽の角度を変更することができ、初めは思うように操作できないところもあったようですが、10分ほどで使いこなせるようになっていました。
HMDを装着してVRを体験する生徒(右)とその様子をパソコンでミラーリングする生徒(左)
VRで見ている映像は、スクリーンショットでパソコンに保存することもできます。
VR体験はHMDを装着している人しかできませんが、体験者が見ている映像はパソコンにミラーリング(パソコン画面に映し出す)することができ、目的地や操作方法がわからなくなったときは周りからアドバイスするなどして、協力しながら活動することができます。
あまりにリアルな描写に、どの生徒からも「本当にその世界にいるみたい。」「想像していた以上にすごい。」といった声が聞かれ、室内にいることを忘れて歩き回り、教室の壁や机にぶつかっている生徒もいました。
Google Earth VRのスクリーンショットで保存した画像です。昨年、修学旅行で訪れたスイスの景色です。実際には景色が360度に広がっています。
同じくGoogle Earth VRのスクリーンショットで保存した画像です。昨年10月に修学旅行で宿泊したドイツのホテルです。
体験した生徒からは、「もっとやってみたい」、「授業でも使ってほしい」という感想が多く得られ、教材として効果的に取り入れることで、様々な分野において好奇心を刺激し、興味・関心の幅を広げて行くことができそうです。
すでにアメリカやヨーロッパでは授業にVRの導入が始まっており、教室に居ながら社会見学や自然観察が行えるなど、これまでになかった新たな体験型授業が可能になっていくことでしょう。
聖心学園中等教育学校HP