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『身のまわりの単位の不思議』

執筆:金蘭千里中学校・高等学校 理科 岩本 恒平


「1+1=2」私たちが当たり前のように使っている足し算です。ですが、この数字に「単位」がつくと、単純な足し算や引き算ができない場合や、工夫が必要な場合が出てきます。例えば、「1mの棒と1mの棒をつなげると合わせて何m?」という問題があれば、「2m」と答えるのではないでしょうか。ところが、「1㎝の棒と1m棒をつなげると合わせて何㎝?」という問題はそのまま足し算をして答えを出すことができません。なぜでしょうか。

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それは単位が異なるからです。単位というのは考えてみると面白いものです。1や2という数字だけでは、特に何も思いませんが、1㎝や1mなど、単位がつくと、どのくらいの長さかを想像することができます。1や2は単なる「数」ですが、単位をつけると「量」になります。「数」が「量」になると、現実の世界に対応するものになります。


先ほどの「1㎝の棒と1m棒をつなげると合わせて何㎝?」という問題。これを解決するには「換算」を使います。「換算」というのは、量自体は変えないで、単位だけを変えることです。この問題で使える換算は、「1m=100㎝」というものです。1と100は数値としてはまったく違いますが、単位をつけて長さを表す量と考えれば、等号で結ぶことができます。


1mは100㎝ということがわかれば、棒の長さを比較ができ、1㎝の棒と100㎝の棒をつなぎ合わせて「101㎝」と答えることができるわけです。私たちの身のまわりには様々な単位をもつものがあふれています。今回のとりあげたのは、ほんの一例です。このほかにも単純に足し算や引き算ができない「温度」や「濃さ」など、調べてみるといろいろあります。数字に単位がつくことでどんな意味をもつのか。身近にあるものを題材に考えてみるのも面白いかもしれません。


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