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動物を通じて「観る力」を身につけよう

執筆:北嶺中学校 理科教諭 渕本 淳雅


 2021年6月23日、恩賜上野動物園で誕生した2頭のジャイアントパンダ「シャオシャオ」と「レイレイ」が、2022年1月12日より一般公開されました。公開定員の350倍もの申し込みがあり、愛くるしい姿・しぐさを間近で見たい熱狂的なパンダファンが多く、日本のパンダ人気に改めて気づかされました。

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 北嶺中学校のある北海道の動物園でも、2021年は多くの動物の赤ちゃんが誕生しました。その中でも、釧路市動物園のレッサーパンダ(7/31)、旭川市旭山動物園のホッキョクグマ[通称:シロクマ](12/10)は、赤ちゃんのかわいらしさなどから全国的に話題となりました。先に紹介した「ジャイアントパンダ」と「この両種」は、①絶滅のおそれのある動物、②人工繁殖や人工哺育が難しい動物、という共通点があります。動物園は人々に楽しい時間を提供してくれる場でもありますが、種の保存という現代の箱舟という役割を担う場でもあるのです。

 ここでは、全国的にも有名な旭山動物園の人気動物「ホッキョクグマ」に注目し、動物がもつからだの特徴とその意味について考えてみたいと思います。

※ホッキョクグマの特徴
①頭部が小さい
②長い首をもつ
③体は大きいが耳は小さい
④体毛は白ではなく半透明
⑤体毛の下の皮膚は黒色 など


①・②の特徴は、泳ぐためへの適応です。③の特徴は、寒さへの適応です。
※からだが大きいと体積に対する表面積の割合が小さくなり、からだから熱が逃げにくくなります(ベルクマンの法則)。また、耳やしっぽなどの突起物が小さいと、同様に熱が逃げにくくなります(アレンの法則)。極付近に生活する動物によく見られる特徴です(中学入試でも頻出です)。 ④・⑤の特徴は、太陽光を効率的に吸収するための適応です。

 簡単に書きましたが、興味をもったら自分で詳しく調べてみてください。

 ホッキョクグマをはじめ、すべての動物のからだの特徴には何らかの意味があり、この特徴が生きるために有利にはたらく(これを適応といいます)と、地球環境下で生活することができます。逆に言えば、からだの特徴が生きる上で不利にはたらくと、その動物は生きることができなくなり絶滅してしまうことを意味します。地球の歴史をたどると、大きな環境の変化が何度も起こっていて、過去に生活していた動物が絶滅した理由の 1つに、この「適応」があげられます。

 動物園や水族館に行った際には、動物をしっかりと観察し、その特徴の意味を考えてみると、動物をより知る ことができます。単に「見る」のではなく、「観る」。この「観る力」を身につけることができれば、日常のさまざまな物事について、さらに理解を深めることができるのではないでしょうか。


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