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【中学受験】暗記が苦手で困っています…そんな悩みに学園長がお答えします!

小4男子の母です。暗記がとても苦手です。特に理科(興味のない鳥や虫の名前など)を一生懸命、語呂合わせをしたり、ノートに書いたりして頑張っていますが結果に繋がりません。どうしたらよいでしょうか。悩みの種です。よろしくお願いします。

暗記が苦手な子、得意な子の差というものは、元々はありません
  これはもう永遠にというか、人類がこれからどれだけ進化しようが、悩むことなのだと思います。

この保護者の方は心のどこかで、他の子たちの中には暗記がすごく得意な子もいるのに、うちの子は駄目だなと思われているのかもしれません。しかし私は、暗記が苦手な子、得意な子の差というものは、元々はないのだろうと思います。

中にはこうおっしゃる方もいらっしゃいます。例えば「幼稚園ぐらいのとき、山手線の駅の名前を全部言えたりする子がいるじゃないか、あの子はきっと暗記が得意だ」と。

確かにそう思われるかもしれませんが、あれは暗記しろと言われて覚えたのではなく、そもそも興味があったわけです。アニメの歌などもすぐに覚えますよね。

きっと、うちの子は暗記が苦手だと思っていらっしゃるご家庭でも、そういったものになると途端にすごい記憶力、うちの子天才じゃないかと思うぐらいの才能を発揮したりすることがあるのではないかと思います。つまり、そういった小さい頃に暗記が非常に得意そうに見える子というのは、その興味が湧いた分野だけは「すごい」ということなのです。

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興味のないことを覚えるのは難しいのです
  小学4年生の段階では、突然授業で出てきた、さらには興味を持ったわけでもないものを意味や背景などもなく、ただ覚えなさいと言われます。これは、暗記をするという作業においては一番大変なことをしているわけです。

大人になると、何か覚えなさいと言われても、今までの積み重ねてきた知識など、何か結びついたりするものがあるのでまだ記憶できますが、そういうものがほとんどない状態の小学生で、興味もないタイミングで覚えなさいと言われて、スラスラ覚えられる子なんて基本的にいません。

「テストがあるから覚える」でもよいのです
  それが例えば浜学園などの塾であれば、「来週テストがあるから」というせめてもの意義づけがありますが、次の週に復習テストなどなければ覚えるわけもありません。「鳥が大好き」など、そういう興味を持っている子がいたとしたら、「鳥」は覚えるでしょう。ですが、そうでもない限り無理です。浜学園などの塾は「テストがあるから頑張りなさい」というせめてもの意義づけなのです。ですから「覚えなければ」となります。

いろいろな角度から学習することで、知識は定着していきます
  例えば私は社会を教えていますが、社会でも実は、最初に小学校の地理分野を学習して、歴史を学習して、というように続いていきます。その中で、地理だけを学習している間には記憶がなかなか定着しなくても、歴史を学習し始めるとそこでもまた県が出てきたりいろいろなものが出てきたりします。更に公民などを学習し、実は一通りやってみて初めて記憶に定着することがあるのです。いろいろなものが違う角度から出てくることがよいのです。

ですから、「暗記が嫌だ」とか「無理だ」という理由だけでやらないでいると、後々とても苦労します。最初はできなくてもよいので、諦めずに繰り返していくことが大切なのです。

日常生活でも知識を引き出す取っ手は増やせる
  これはいろいろな知識が、覚えなければいけないことに引っ付いてくるからなんです。「引き出しみたいなもの」なんて言いますが、そこに入れたものは、忘れたと思っても実はどこかに入っているのです。

知識を入れたとしても、どこに入っているのか分からないと、その引っ張り出す取っ手がわからないのです。いろいろなことを勉強していけば、取っ手がいっぱい付いていきます。だから、いろいろな聞き方をされても正しいものを引っ張り出せる。これが大人の感覚です。

これからいろいろなテレビを見たり、あるいはお友達でどこそこ出身の人がいるなど、そういうことを聞いたりすると、実はそのしまってある引き出しに取っ手がいっぱい付いていきます。

忘れることを恐れずに覚えるのです
  でも、子どもはまだそのような取っ手がない状態ですから、覚えたのに出てこないという状態になります。これを「忘れた」とよく言いますが、それでよいのです。忘れてくれてよいのです。よく生徒にも言いますが、忘れることを恐れてはいけません。

覚えるという作業を一度やっておくのです。そうすると今度は、必要に迫られて暗記をしたことによって、どうやってテストまで忘れずにいようかという努力をし始めるわけです。「こうやったら覚えやすい」とか、「こうやったら覚えられた」とか、そういったことを考えながらやるということが、将来のために必要な作業なのです。

「たくさんのものを覚えるならこの方法がよい」というようなことは、しんどい思いをしたことがないと考えられません。例えばその工夫のひとつが、自分の中での語呂合わせであったりするわけです。

語呂合わせの本なども、リズムがよくて何かよいようなものに思うかもしれませんが、結局は他人が押し付けたものなので、後々役に立つかと言われたら…うーんという気はします。

もちろん完全に否定する気はなく、「社会なんかは暗記でしかない」と思ったまま受験間近になってしまい、もう最後しょうがないからというような人にはありかなと思います。しかし、今4年生ぐらいの方にとって、語呂合わせなどを一生懸命やって足しになるかと言われると、ならないだろうなと思うのです。

忘れることを恐れずに覚える。その過程を一生懸命させておく。忘れたからといって、そのことを責めなくてよいのです。どこかにはしまいましたし、何とかして忘れないでおこうということを工夫して考えましたので、これがいろいろな経験値になります。学年が上がったり、歴史を学習し始めたり、いろいろなことをし続けていたりしたらまた覚えます。

引き出しに取っ手を付けたら、引っ張れるようになりますからね。ぜひこれを少し意識してみてください。 「忘れることを恐れないで頑張ってみてはどうか?」と、今の段階ではお伝えするのがよいかなと思います。

まとめ

  • 暗記が苦手か得意かに、元々の差は無い
  • いろいろな角度から学習することで、知識は定着していく
  • 経験を重ねて、知識を引き出す取っ手を増やしていく
  • 忘れることを恐れずに、覚える努力をしていく

この「それ浜学園がお答えしましょう!」では、灘中合格者数累計3185名、19年連続、38回の合格者数日本一(2023年度実績)を達成した「浜学園」の松本学園長が、中学受験や子育て情報をお届けします。 ※このコンテンツはYouTube【中学受験】進学教室浜学園チャンネル(https://youtu.be/cZveB62lXOk?si=J49hN0R-O7VzVPR2)を参考にまとめています。
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