日本に住む人のくらしを知ろう!~ものづくり編~(3)
ずばり、日本の工業の問題点は何ですか?①
中小工場の話と関係するのだが、ここのところ、大きな工場を外国へ引っこしさせる会社が増えている。安い賃金で人をやとうことができる、外国で自分の会社の製品の知名度をアップさせられるなどのメリットがあるからだ。困るのは、大工場と協力関係にあった中小工場だ。複数の会社と取引がある場合はいいが、そうでない工場は、仕事がなくなり、経営が苦しくなってしまう。
ただでさえ、大工場に比べてもうけが少ない中小工場。給料(賃金)が減ったり、最悪の場合は会社が倒産したりしてしまうこともある。
日本で機械製品などを作る力が弱まる、産業の空どう化という現象も問題とされているぞ。
ずばり、日本の工業の問題点は何ですか?②
工場が製品を作るとき、空気や水をよごしたり、がまんできないくらい大きな音をたてたり……と、まわりに住む人々に迷惑をかけてしまうことがある。これを公害というんだ。一番大きな被害が出たのは、1960年代頃。みんなが「工業の発展」のためにがんばっていたとき、太平洋ベルトのまわりでは、多くの人がぜんそくにかかったそうだよ。
三重県で発生した、亜硫酸ガスが原因の四日市ぜんそく、熊本県、新潟県で起きた、有機水銀が原因の水俣病と新潟水俣病、富山県で起きたカドミウムによるイタイイタイ病。これらは、四大公害病と呼ばれていて、たくさんの人が苦しんだんだ。
こうした出来事を二度と起こさないように、日本は1971年に環境庁(現在の環境省)を作ったんだよ。
転載元:朝日小学生新聞「読めばわかる!日本地理」
朝日小学生新聞の購読はこちらから ※一部表現を変更して転載している場合もございます。
朝日小学生新聞の購読はこちらから ※一部表現を変更して転載している場合もございます。