日本に住む人のくらしを知ろう!~ものづくり編~(2)
工業がさかんなのは、日本のどの地域?
工業が栄えているのは、関東地方の南側から九州地方の北側までの海岸ぞいの地域だね。つなげると帯みたいな形になるから、太平洋ベルトって呼ばれてるよ。この場所で、日本の工業製品の約半分が作られているんだって!なかでも、京浜・中京・阪神という3つの工業地帯は三大工業地帯というんだよ。人が多い場所ほど、たくさんのものが必要となるでしょう? この3つの地域が発展したのも、それぞれに東京・名古屋・大阪という大都市があるおかげだね。
ただ、1970年代くらいからは、工場を建てる土地不足や交通渋滞が問題となって、まわりに新しい工業地域が作られはじめたんだ。
海の近くに工業地帯が多いのはなぜ?
それはね、貿易(外国との商品の売り買い)や製品の運搬をしやすくするためなんだ。日本はものづくりは得意なんだけれど、石油や石炭、金属の原料となる鉄鉱石など、材料がとれる場所がほとんどないんだよ。だから、材料を輸入して、作ったものを輸出(外国にものを売ること)する、加工貿易がさかんなんだ。相手は主に、中国をはじめとするアジアと、アメリカ合衆国だよ。
海の近くに工業地帯が多いのは、石油や自動車など、重いものを運ぶときには船を使うから。ICなどの軽いものは、航空機やトラックで運べるから、陸側でも作られているよ。
日本には大きな工場がたくさんありそうだけど…
大工場とは、300人以上が働く工場のことだが、実は日本の工場の99%は、従業員が300人未満の中工場か、30人未満の小工場だ。中小工場は人数が少ない分、使えるお金も機械も限られているから、あまり大きなものは作れないし、一つのものを作るのに時間がかかる。1%しかない大工場と、99%をしめる中小工場が1 年でかせぐ金額がほぼ同じといったら、みんなびっくりするだろうな。
だけど、中小工場も負けちゃいない。大きな会社に「この部品をうちの商品に使いたい!」と思ってもらえるような製品を作ろうと、日々努力しているのだ。自分たちにしかできない専門技術や、細かい手作業を武器に、世界進出を果たしている工場もある。
そういえば、大阪府・東大阪市では、中小工場がJAXA(※「宇宙航空研究開発機構」の略。日本の宇宙開発を任されている)と協力し「まいど1 号」という人工衛星を作り上げたことで話題になったのう。
転載元:朝日小学生新聞「読めばわかる!日本地理」
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