私たち人間は、見たことがない世界については、なかなかイメージを持ちにくい生き物です。
たとえば中学生のころ、地理の授業などで知らない国の気候について覚えなければならず、苦労された方もいらっしゃるのではないでしょうか。それでも、一度その国に行ってしまえば、そこの空気が乾燥していたか、湿っていたかということや、気温がどのくらいだったかということ、どういう野菜が売っていたかということに関して、簡単に記憶しておくことができたはずです。
「百聞は一見に如かず」という言葉があるように、「直接、ものごとを経験する」というのは、何にもまさる学習方法といえるでしょう。やはり子どもの教育にも、「経験」は大切だと言うことができます。
では、家庭では具体的にはどのようなことを心がけたらよいのでしょうか?
自然に対する興味を育てる
まずはじめに、よく言われることではありますが、自然に親しむということが考えられます。たとえば海に行ったことのない子どもが、国語の授業で、海に関するお話を読んだら……。もしかすると、お話の内容を理解するのに時間がかかってしまうかもしれません。
とは言っても、大げさに考えすぎる必要はありません。
たとえば、家の近くに生えている木について調べてみるとか、公園にいた虫をよく見てみるといったことでよいのです。もし近くに科学館などがある場合は、そういう施設を利用するのもよいでしょう。
できることからでよいので、自然に対する興味を持たせるようにしましょう。
時間に余裕があるうちに
同じように、いろいろなお稽古ごとをしておくことも有効です。高学年になると学校の授業時間も増え、子どものスケジュールも慌ただしくなっていきます。広く浅く、いろいろなお稽古ごとをさせることができるのは、比較的時間に余裕のある低学年の間だけなのです。習い事と言えば、塾やプレスクールなどのお勉強系に通わせる方も多いですね。
勉強に関して言えば、計算や漢字といった知識の問題だけではなく、いろいろなタイプの問題に触れておくというのが大切です。中には難しい問題もありますから、最初から完璧に解ける子は少ないでしょう。それでも、2回目、3回目と見ていくにつれて、いつしか吸収してくれるはずです。全体的に問題数が少なく、1問にじっくり時間をかけられるのも低学年だけの特権。算数で出てくる積み木の問題や折り紙の問題では、実際に積み木を積んでみたり、折り紙を折ってみたりすることで、そのあと複雑な問題が出てきても対処しやすくなります。
最後に、子どもにとって何よりも大切な「経験」は、保護者との会話です。親子の会話だけでも、子どもの語彙はどんどん豊富になっていきます。たとえばテストが返ってきたとき、「何点だった?」と結果だけを尋ねてしまうのではなく、「どんな内容だった?」と聞いてあげるようなことでもいいでしょう。
できることから、始めてみてください。
進学教室浜学園