【徹底したリサーチ——「先取り」方針を選んだわけ】
長男が生まれる前から、「私たち親世代の生きてきた時代と、この子たちが生きていく時代は違う」っていうことを強く思っていたんです。 それで、いろんな教育方法とかを本で読んで調べました。たとえば、「7歳ごろまでは教育的なことをしないで、絵を描かせたり、音楽を聴かせたりした方がいい」とか、そういう教育メソッドもありますよね。 いろいろな教育方法を比較して、夫婦で話し合いました。
その結果、「どうせ、いつかは覚えなきゃいけないんだし……」ということになって、我が家では「先取り」方針で行くことにしたんです。
たとえばウワーンと泣く子どもがいますが、それは「うまく気持ちの説明ができないから泣く」というところもあると思うんですね。言語能力や情緒が発達していて、理路整然と自分の感情を説明できるようになっていれば、そういうときにウワーンと泣く必要もないんじゃないか……と思って。それで「先取り」を選びました。
【「1万冊」と決めるまで——「きれいな言葉のインプット」を増やす】
言葉に関する目標として、やっぱり「きれいな言葉を覚えてほしい」というのがありました。テレビなんかを見ていると、ちょっと汚い言葉なんかも出てきたりとかしますよね。ああいうのは、できれば覚えて欲しくないな、と。それもあって、「うちでは、テレビはなしにしよう」と決めました。
ただ、親の言葉っていうのも完全にきれいな言葉ではないんですよね。
それで、絵本と童謡をお手本にしよう、と思いました。
童謡の歌詞って、歌詞の言葉が正しいイントネーションで歌われているんですよ。それに、たとえば「鍛冶屋さん」とか、普段の会話ではあまり出てこないような言葉も出てきますよね。
そういうのは、語彙が広がるきっかけになります。だから童謡は、言葉のトレーニングにとってもいいんです。
目標は、絵本については3歳までに1万冊、童謡も同じく1万曲でした。「1万」という数に関しては、とある教育情報に載っていたのを参考にしました。
【読んだ冊数は、きちんと記録——決めた目標を貫くコツ】
いちばん大事なのは、目標を設定して、終わった分を記録しておくことです。たとえばうちみたいに、「3歳までに、絵本を1万冊読む」という目標があるとしたら、それを365日で割って……と計算すれば、1日あたり、何冊読まなきゃいけないかがわかりますよね。
育児は本当に大変なので、きちんとした目標がないと、「疲れたから」ということで、「昨日も読まなかった、今日も読まなかった」ということになりがちなんですよ。
目標を決めて、読んだ冊数を記録するようにしておけば、疲れているときでもなんとか頑張れる、というところがあると思います。
ごはんは食べさせないと死にますけど、絵本は「読まないと死ぬ」っていうものじゃないんです。そうなると、忙しい育児の中で、自然と絵本の優先順位は下がっちゃうので、目標を決めて貫くことが大切なんですね。