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【中学受験】「完璧主義な性格でもがいている子どもに、どんな言葉をかけたらいい?」…浜学園学園長がお答えします!

小4女子の保護者です。負けず嫌いで完璧主義な娘のことで相談させてください。娘はワンステップ進んだ問題に取り組んだ時に解けなかったり間違えたりすると、悔しくて泣き出し癇癪を起こしてしまいます。少しずつ難しい問題にチャレンジして進化していくのが勉強で、解ける問題ばかりやっていても意味がないこと、自分のつまずきポイントを探し出して補強すればよいので間違えることは悪いことではないと説明するのですが、手がつけられない状態になってしまいます。勉強は好きで、テストでよい点を取ることも大好きな娘なのですが…。どのように接し、どんな言葉をかければ彼女の前向きな気持ちを応援できますか?

完璧主義の利点と難点
自我が少しずつ出てくるようになる4年生くらいから、割合がとても多いというわけではありませんが、こうした完璧主義のお子さんを徐々に見かけるようになります。

怠けるわけではないんです。一生懸命で真面目なんです。完璧主義で「きちんとやりたい」という思いをもつ子どもたちの宿題のノートやテストは、とても正確で整っています。そのため、周りの人たちからも一目置かれるようになります。
こうして完璧さに対する期待を受けることで、子どもはより「完璧にしたい」と思うようになります。すると、望ましくない状態に陥ることがあるのです。
5年生、6年生とさらに学年が進んでいくと、当然全ての事をスムーズにこなせるわけではありません。そうなると、普段きちんと物事を進めてきたお子さんは、進めるスピードが遅くなることもあるのですが、「どうせできないならやらない」と、諦めが早くなってしまうのです。

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人生経験を積んできた大人は
  もしかしたら、この質問をくださった保護者の方も、幼少期には完璧主義な面をもっていたという経験はありませんでしたか? しかし、大人になるにつれて、変わらず完璧主義のままでは当然いられませんよね。人間関係やたくさんのテストなど、人生でさまざまな経験をする中で、「きちんとこなさなければならないが、そればかりではない」ということを知り、バランスを取っていくのです。
保護者の方自身も子どものころは完璧主義者だったとしても、そのようにバランスを取ってきて、それがよいということも経験してこられたので、今、お子さんにもバランスを取ってうまくやるよう求めてしまうところもあるのかもしれません。

「できたこと」に目を向けるように
テストを受けると、正解した箇所と間違えた箇所が出てきます。真面目なお子さんたちはきちんと物事に取り組むので成果は出ますが、正解した箇所ではなく、間違えた箇所につい目を向けてしまうんですね。できた方より、できなかった方に気がいってしまう。 もし保護者の方にも、幼少期は完璧主義で、成長するにつれバランスを取るようになったという経験があるならば、今一度、過去を思い出してみませんか。そうしたら、できた方を意識していくことの大切さがわかりますよね。

「これができていたら完璧なのに」という思いを抑えて、丸の付いた「できたところ」を評価するのです。塾などが決めた100点満点を基準にするのではなく、努力したところや問題を解いてみた中でできたところなどの一つ一つを褒めてあげて、子どもがそちらに目を向けられるようにしてあげるのです。

完璧主義者の方は、自分がきちんとやっていることへの周りの評価や、褒めてくれたことに喜びもあるのですが、同時にプレッシャーも感じています。ですから、そこを周りが理解し、過剰に褒めたり、完璧さを求めるような言葉がけになったりしないように注意することも必要ですね。

バランスが取れるようになると
  いつまでも完璧でいることはいつか諦めが入り始める危うさをもっていますので、この4年生の段階で、これまでに述べたことを意識しながら、はたらきかけてあげてください。
お子さんはきちんとやる感覚をお持ちですから、急にいい加減な子どもには絶対にならず、きっといいバランスを取れるようになります。私は社会科を教えていますが、こうした完璧主義のお子さんが少しバランスを取り始めると、きちんと努力してくれるので、とても成績が伸びますよ。

子どもへの「はたらきかけ」を続けて
お子さんが少し大人になった時に「どうせできないなら、やらない」と諦めてしまわないように、できた部分を褒めるということは大切ですが、それには保護者の努力が必要です。
お子さんは最初、バランスを取れないかもしれませんが、大切なのは、はたらきかけを続けていくことです。 少し時間はかかると思いますが、挑戦してみてください。

まとめ

  • 完璧さに対して期待されることが、子どもの喜びにも危うさにもなる
  • バランスを取れるようになってくると、力も伸びる
  • 「間違えたこと」よりも「できたこと」に目を向けるはたらきかけを
  • 時間がかかっても、保護者がはたらきかけ続けることが大切

この「それ浜学園がお答えしましょう!」では、灘中合格者数累計3296名、20年連続、39回の合格者数日本一(2024年度実績)を達成した「浜学園」の松本学園長が、中学受験や子育て情報をお届けします。 ※このコンテンツはYouTube【中学受験】進学教室浜学園チャンネル(https://youtu.be/objs6ydyWrA?si=CL1WGdwvTrwi9pVI)を参考にまとめています。
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