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『0』って何?

四天王寺中学校・高等学校 数学科教諭 南方美穂

皆さんは、『0』という数字について、不思議に思ったことはありませんか?リンゴを1個、2個と数えるとき、リンゴは目の前にあります。0個と数えるときそこにリンゴはありません。リンゴがないことを0個と数えるという当たり前になっている考え方を、皆さんが知らなかったらどうでしょう。リンゴを数えることができるでしょうか。


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 実は、0という数字はもともと存在せず、インドの数学者が見つけたと言われています。インドでは、0という数字が見つけられる前から、記号を使って『ないものがある』という表現をすでにしていました。なぜなら、仏教では昔から『この世のすべてのものは、実体のないもの(=空)でできている』すなわち『ないものがある』という考え方があったからです。(般若心経では『色即是空』と表されています)0を見つけた人は、当時0のことを『ないものがある』ということを意味するシューニャと名付け、0を記号としてではなく、数として『ない』ということを表せないかと、1~9と同じ『数』として定めました。

他にも、例えば3―0=3,0+3=3,3×0=0と計算するように、0はどんな数を足しても引いても元の数と変わらないこと、どんな数でもかけると0になること、そして0では割れないということを決めました。もともと0がなかったことを考えると、今まで数式で表せなかったものが表せるようになるのですから、大発見です。この発見により、皆さんが今普通に計算できているのです。

そう考えると、今皆さんが解いているような問題が少し面白く思えてきませんか?実は裏側には大きな発見が隠されているかもしれません。算数でもそうですが、数学においてなぜだろうと考えることは、非常に大切です。日ごろから、「なぜこのような式になるのだろう」や「なぜこのような考え方をするのだろう」と思う癖をつけてください。そうすれば、自然と理解も深まり、自分で考えることもできるようになります。

なぜ?と考え問いを理解し、解けることでみなさんが「算数は楽しい!」と思うことや、この文章を読み「数学ってどんなことをするのだろう?」と中学校の勉強に興味を持つことを期待しています。


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