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北海道の街路樹として欠かせぬ木・・・ナナカマド(七竈)

執筆:北嶺中・高等学校 理科教諭 池田伸博


 北嶺中・高等学校の近くにある青雲寮(学生寮)の周りにはナナカマドの木が生えています。ナナカマドは葉を落としても赤い実が残るので、冬になると白い雪と濃く赤い実が美しく映えて北海道の冬の風物詩ともいえるでしょう。


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 また、北海道では街路樹としてハルニレやスズカケノキ(プラタナス)・ニセアカシア(ハリエンジュ)・イチョウなどが植えられていますが、その中でもナナカマドは多く植えられているので、北海道民でナナカマドを見たことがない人はいないのではないでしょうか。ナナカマドが街路樹として植えられている理由に、初夏になるとひとかたまりになって白い小花が咲きます。この花言葉が「安全」「慎重」「用心」であることから、交通ラッシュのメインストリートに植えられたナナカマドの並木には、交通事故防止の願いが込められているのです。しかし、本州ではあまり知られていなく、ナナカマドを「雷電木」と呼び、雷除けに神社の境内などに植える地方もありますが、それもごく少ないようです。


 さて、ナナカマドは「七竈」という漢字を書きます。その名は「7回竈(かまど)に入れても燃えない」、あるいは、「生木から炭を作るには、7度焼かなければならない」というところからきたと『牧野植物図鑑』による説があります。しかしながら、ナナカマドはそれほど燃えない木ではなく、備長炭の極上品は材質の硬いナナカマドが知られています。炭に焼くには、7日間ほど竈でじっくり炭化させるとナナカマドを原木とした極上品の堅炭ができることから、七日竈からナナカマドになったとする説もあり、この方が正しいように思います。また、「この材で作った食器は七世代も使えるほど強い」からだとも言われています。


 北嶺中・高等学校の裏山には北海道ならではの植物がたくさんあります。何気ない木々の中にも様々なエピソードがあり、とても面白い内容ばかりです。皆さんも身近な植物をよく観察して、名前の由来や、日常生活との結びつきを調べてみるといいですよ。



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