踊 る!?
執筆:北嶺中学校 社会科教諭 金子孝良
みなさんは、踊りが好きですか。公立の小・中学校では体育で「表現運動」・「リズムダンス」や「創作ダンス」・「フォークダンス」などダンスの授業が行われていますね。
踊りは、日本の各地や世界の国々にさまざまなものがあり、北海道の有名な踊りは「よさこいソーラン」です。初夏の6月に札幌の大通り公園をメイン会場として、大きなホールやショッピングセンターなどで、たくさんの観客を前にチームが独創的に舞い踊ります。
1992年に始まったよさこいソーラン祭りは高知県のよさこい祭りに北海道のニシン漁の歌、民謡のソーラン節を合わせたものです。踊り手はカスタネットに似た鳴子という道具を手に持ってソーラン節を歌いながらステージで踊ったり、大漁旗をまねた大きな旗をなびかせて道路をパレードしたりして順位や賞を競うお祭りです。
世界各国でも「ブラジルのサンバ、スペインのフラメンコ、オーストリアのワルツ、アルゼンチンのタンゴ、ニュージーランドのハカ」など君たちも知っているものがあるでしょう。
それらの踊りには、それぞれの由来や伝統があって、それは地域やそこに住む人々・民族の歴史につながっています。
日本の踊りの代表といえるものに「盆踊り」がありますね。「盆踊り」は、仏教のお盆の時期に先祖を供養する行事のひとつです。死者の霊を迎え、お香や食べものなどのお供えをして、心をこめて踊りでもてなします。その「盆踊り」は、平安時代の僧、空也が念仏『南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)』と唱えながら踊った「念仏踊り」が始まりだといわれています。その後、「念仏踊り」は鎌倉時代の僧、一遍によって全国へ広められ、室町時代になると、衣装や振り付けも華やかになり、太鼓や笛、鉦などの楽器を使って集団で踊る「風流踊り」につながりました。
そして、2022年、全国各地に伝わる「盆踊り」や「念仏踊り」などから41件が「風流踊り」として、ユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。無形文化遺産とは、世界的に価値がある「踊り」の他に、音楽、劇などの芸能や伝承、儀式、祭礼と伝統工芸などの文化を後世に伝えのこすものです。日本では22件が登録されており、歌舞伎、祇園祭の山鉾、田植え、田楽、和食、和紙などがあり、その中のアイヌ古式舞踏と能楽は本校の中学2年生と3年生で観賞と体験をします。
また、2024年のパリ・オリンピックでは「ブレイキン」が初めて公式競技となりましたね。「ブレイキン」は「ブレイクダンス」とも呼びますが、最近では国内大会のTV放送もあって「ブレイキン」の方が使われているようですね。「ブレイキン」は、1970年代にニューヨークで若者たちが道路で始めた踊りのひとつ。あるいは、ギャングが争いの決着をつけるのに銃を使うよりダンスの技のすごさで勝負を決めた、そのダンスともいわれています。
本校の学校祭では体育館でダンス・コンテストが行われます。「ブレイクダンス・ヒップホップダンス・KPOPダンス」など熱いダンスの戦いが繰り広げられ、とても見応えがありますよ。みなさんも国内や海外の「踊り・ダンス」の歴史を学び知って、さあ!踊ってみませんか!? Let’s Dancing!!
進学教室浜学園