自信家タイプ
このタイプの特徴としては、「授業中、よく手をあげる」「範囲に入っていないことでも先取りしたがる」「難しい問題を喜ぶ」といったものが挙げられます。一般的に言って、優秀な子が多いのが自信家タイプの特徴だといえるでしょう。
しかしその一方で、「小さなミスが多い」「問題をよく読まず、早とちりしてしまう」「ひとつの方法にこだわる」という弱点を持つことも多いのがこのタイプ。
自分なりのプライドを持って勉強に取り組んでいるので、気持ちが先走ってしまったり、慣れ親しんできた方法を変えられなかったりするのです。
とくに、「問題の解き方が成長しない」という弱点は、大きなマイナス要因になることも。たとえば高学年になると、同じ問題に対して、解き方が何パターンか出てくるのが普通です。設問があったとして、新しく習った方法を使えば30秒で解けるのにもかかわらず、いつまでも既存の方法にこだわってしまい、その結果、5分もかかっていたら……。こういった差が、入試には大きく響いてしまうのです。芯が強い一方で、人からのアドバイスも聞き入れにくい自信家タイプの子どもですが、こういったことは根気よく言って聞かせるほかありません。
また、「ケアレスミスが多い」点もやはり大きなマイナスになりがち。入試では、1点、2点が合否を分けることもあります。小さなミスだからと見逃さず、しっかり注意を払って対処していくことが大事です。
そんな自信家タイプのミスを減らすための、おすすめの勉強方法は以下の2つです。
問題番号にチェックする
問題を解きながら、「いける!」と思った問題番号にはスラッシュ、「無理かも……」と思った問題番号にはマルをつけていきます。こうすることで、問題の内容を意識させ、早とちりやケアレスミスを予防する効果があります。「いける!」と思っていた問題を間違った悔しさは、自信家タイプの子どもにとってはモチベーションにもなるはずです。
「ミスのノート」をつくる
作り方はシンプルで、間違ってしまった問題とその解説、間違って書いてしまった答え、「どうして間違ったのか」というポイントを書き込ませるだけです。「ミスのノート」を試験前に見返すと、一時的にですが、ミスを発見する感度が上がります。結果、ケアレスミスの予防につながるのです。
ミスの原因の分析は、大人にだって難しいもの。初めは、すべての問題に『ミスに注意する』と書いてしまう子もいるでしょう。それでもいいのです。作っていくうちに、「またこのミスをしてしまった!」と子どもが気づくことも大切です。そうして積み重ねていくうちに、分析も具体的になり、結果的にミスが減っていくのです。
この方法を実践して合格した子どもたちの多くが、この「ミスのノート」を「思い出の品」として挙げています。少し手間はかかるかもしれませんが、保護者の方も協力しながらぜひ作らせてみてください。
「ミスに注意を払う」癖をつけさせる
ミスをなくすためには、「習慣をつける」ことが大切です。「本番は緊張しているから、ミスにも注意できるはず」と思うかもしれませんが、普段の姿勢はテスト中にも必ず出てきてしまいます。テスト中だけ気を張るのではなく、普段の勉強から「ミスに注意を払う」癖をつけさせてください。とは言うものの、やはり人間ですから、完璧にミスをなくすのは難しいでしょう。子どもも、毎日の勉強に必死なのです。
責任感の強い子の中には、ミスを悔しがって泣いてしまうなど、必要以上に自分を追い詰めてしまう子もいます。そんなときには、頭ごなしに叱るのではなく、「よくあることだよ、次から頑張ろう」というような声かけをし、自信をなくしてしまわないように勇気づけてあげましょう。
自信家タイプの持つエネルギーを上手に引き出してあげることで、成績もグンと伸びてくるはずです。
目標設定と志望校選びのポイント
自信家タイプは、得意な科目についてはいくらでも頑張れます。とは言うものの、科目によって点数にばらつきがありすぎるのは好ましくありません。テストについては、「3回のうち最も悪い偏差値が目標を超える」ことを意識して弱点の補強につとめましょう。また、目標が高ければ高いほど頑張れるのも自信家タイプの特徴。志望校は、「2ランクくらい高い憧れの学校」にしておくとよいでしょう。
出典:「ベテラン講師による講演会シリーズ 『性格別勉強方法と目標・志望校の持たせ方』」
進学教室浜学園