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【中学受験】有名中学現役教諭の”数学”特別授業~日常に潜む確率の罠~

「クスッ」「ドキッ」「なるほど~!」有名中の授業は、好奇心をくすぐる仕掛けが盛りだくさん。そして、学ぶことの本質を突いた授業は、探求心あふれる生徒を育てます。ここでは、有名中の授業の一部をご紹介します。さあ、あなたも知的な冒険に出かけましょう!

クラスに同じ誕生日の人がいるのは珍しくない!?

執筆:北嶺中・高等学校 数学科教諭 大畑 寿仁


 皆さんの誕生日はいつでしょうか。私の誕生日は、学校の長期休み期間に被っているので、学生時代は祝われなかったです…。高校3年生の時に初めて学校で友人から誕生日プレゼントをもらったのですが、プロテインでした。

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クラスに同じ誕生日の人がいる割合は?

 さて、自分のクラスの中で、誕生日(うるう年は考えない)が同じ人がいる割合はどのぐらいでしょうか?

 例えば35人学級だと約81.4%になります。そう聞くと、え?そんな多いの?自分と同じ誕生日の人いないし、なんなら学年にもいないし、という人がほとんどだと思います。それもそのはず、今の話は、「自分と同じ誕生日」の割合ではなく、「誰かと誰か(何人でも)が同じ誕生日」の割合なので、想像以上に高い割合に感じたのだと思います。実際、35人学級で自分と同じ誕生日の人がいる割合は約8.9%となり、なかなか出会う機会はありません。こういった直感とは異なる結果も、将来的に数学の力を借りると計算できるようになります。それが「確率」という考え方です。起こりうるすべての場合の数に対して、ある事柄が起こる場合の数の割合のことです。例えば10本のくじがあり、そのうち3本が当たりくじだとします。1回くじを引いて当たりくじを引く確率は3/10といった調子です。

同じ誕生日の人がいない確率を求める
 これを今の誕生日の話にあてはめてみます。35人学級で誰かしら同じ誕生日がいる確率を直接求めるのは厳しいので、誰一人同じ誕生日の人がいない確率を求め、全体の確率1から引くという方法で求めてみます。 1人目の誕生日はいつでもよいので365/365 、2人目は1人目と違う誕生日なので364/365 、3人目は2人と違う誕生日なので363/365 、・・・と繰り返し、1- 365/365 × 364/365× 363/365 ×・・・331/365を計算すると0.814・・・となり、確かに約81.4%であることがわかります。(確率のかけ算の理由について、例えばコインを2回投げて表が2連続で出る確率は、表表、表裏、裏表、裏裏の4通りのうちの1通りで1/4であるが、1回目に表が出る確率は1/2、2回目に表が出る確率も1/2なので、1/2×1/2=1/4であることがわかると思います。)
同じ誕生日の人がいる確率は?
 次に35人学級で自分と同じ誕生日の人がいる確率を求めてみます。先ほどと同様に、自分を除いた34人が全員自分と異なる誕生日である確率を求め、全体の確率1から引くという方法で求めてみます。

 ある人が自分と誕生日が違う確率は364/365 であり、他の人も全員同じ確率である。よって求める確率は、1から、364/365を34回かけたものを引いて0.089・・・となり、確かに約8.9%であることがわかります。 以上のように、直感とは異なる結果も、数学の力を借りると理解ができるようになり、数字に騙されないようになります。
ガチャで当たる確率は?
 上の話が理解できれば、ゲームにおいて、1回のガチャで当たる確率が1/10 であるアイテムがあったとしても、そのガチャを10回行えばかならずゲットできるわけではないことはわかるはずです。実際に当たる確率をみなさんで求めてみてください。

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