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5月病回避の方法は四月の過ごし方にあった!

5月病回避の方法を脳科学者・吉田たかよしさんが解説


皆さん、ご入学、ご進級、おめでとうございます。新たに小学6年生や、中学、高校3年生になるお子さんをお持ちの方は、いよいよ受験の到来ですよね。


実はこの4月に注意しておかなければならないのが、脳の疲労なんです。というのも、環境が変わると、それに適応するために脳が疲れてしまうんです。脳の疲労を我々はコップに例えるんですが、1滴1滴疲労が溜まっても、途中までは全く症状が出ないんです。ところが脳で許容できる疲労を超えてしまうと、無気力になったり憂鬱になったりするんです。この溢れると言うのが5月になることが多くて、これが5月病のメカニズムだと言われているんです。つまり、五月病にならないためにも、親御さんはこの4月にしっかり気を引き締めて取り組んでいただく必要があるわけです。具体的には何をすればいいのか、ということですが、実はとてもかんたん。朝食を正しい方法でとるということなんです。


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朝ごはんを食べるのは当たり前!脳に良い噛む回数とその効用

朝食は栄養をただ補給するためだけの食事ではありません。特にお子さんに対しては、子供の脳に意欲を与える、これが朝食の最大の目的なんです。そのためには噛むことが大切です。私がおすすめしたいのは、飲み込むまでに20回噛むこと。これは5分早起きするだけでできることなんです。


そんなの自然にできてると思うかもしれませんが、私の患者さんを調べたら、なんと2回とか3回しか噛まないお子さんも結構います。気をつけていただきたいのは、「お子さんの様子を見てあげていただきたい」ということです。噛むことのメリットは非常に大きくて、1回噛むごとに脳の覚醒を促すヒスタミンという脳内ホルモンが増えていきます。勉強する上で、半分寝ているような状態では困りますよね。しっかり目が覚めている状態を朝作るということが必要です。そのために噛むということが1つプラスになるんです。


2つ目のメリットとしては、ちょうど顎の付け根のところに静脈の集まりがあるんですが、噛むとこれがポンプの役割をして、1回噛むごとに脳の中から古い血液を吐き出してくれるんです。そして出て行った分だけ新しい血液が脳に入ってくることで、脳の血液循環が改善されて頭の働きもよくなります。


さらに朝食の効果ですごく大事なことがあります。夜寝ている時に働く「メラトニン」という睡眠ホルモンが、朝起きると「セロトニン」というホルモンに変わって覚醒していくんですが、最近解明されたのは、「光に加えて、朝食をとって血糖値が上がることでスイッチが切り替わる」ということなんです。朝食をとらずに学校に行ってしまったら、起きてはいるんだけど脳のかなりの部分がまだ寝ているような状態のまま、ぼーっと午前中を過ごしてしまうということが起こり、午前中の学習効果を下げてしまいます。さらに夜寝ているときに睡眠が浅くなってしまうという、2つの意味でよくない現象が起こってしまいます。


脳が活性化!朝食を食べる場所と食べるべきもの!

私が朝食の取り方でおすすめしているのが、光を浴びながら食べるという方法です。睡眠ホルモンのメラトニンからセロトニンに切り替えて、心が前向きな状態で脳が活動しやすくするためには、朝食をとるだけではなくて、光がたくさん網膜に入ってくることも重要なんです。春はちょうど良い季節ですので、朝食はできるだけ光がたくさん入る窓際でとるようにしてください。私は去年からベランダで朝食をとるようにしているんです。結構気持ちいいですよ。


食事の内容は、できれば和食のほうがいいと思います。具体的には納豆やお味噌汁といった大豆発酵食品が脳にとってもいいんです。大豆はそのままでは消化されにくく、なかなか吸収できずにそのまま素通りということも多いんですが、例えば、吸収しにくい大豆たんぱく質は、発酵の力でアミノ酸やアミノ酸が結合したものに変わっているので、すぐに吸収されて、セロトニンとかドーパミンといった、いわゆる脳内ホルモンの材料になるんです。特に4月は新入学や新学期で新しい環境に適用するためにセロトニンが大量に必要になってきます。そういう点でもやはり、味噌や納豆でセロトニンの材料を補って、さらに目に光を入れることによって脳内ホルモンの合成を進めていくのが、大変合理的な朝食の食べ方になります。


また、味噌汁は具材からも栄養素を取れるところがポイントですよね。おすすめはシジミです。シジミに含まれるオルニチンと聞くと、二日酔いの改善サプリを想像されるかもしれませんが、実は子どもにとっても重要で、成長ホルモンが出やすくなる効果があるんです。成長ホルモンというのは単なる身長だけの問題ではなくて、やる気とか集中力とか、疲労感が出にくいとか、受験勉強にもプラスになることがいっぱいあります。シジミは積極的に食べさせてあげてください。



※本記事は「勝負メシ」に掲載の吉田たかよし先生動画より抜粋。

https://youtu.be/YmobLVBDGW4
≪吉田たかよしprofile≫ 京都市出身。医学博士(東京大学大学院修了)。
受験を専門に扱う心療内科クリニック「本郷赤門前クリニック」院長。
学習カウンセリングのスペシャリストであり、
自身も灘中学受験を経て東京大学に合格した受験のスペシャリスト。


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