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UTRF企画⑧:自分の脳みその働かせ方、ちゃんと知ってますか? 独学で東大に合格した先輩から教わる勉強法③

UTFR(University of Tokyo Frontier Runners, 東京大学フロンティアランナーズ)は、いわゆる“東大進学校”ではなく、東大生が継続的に輩出されない学校の出身者たちからなる団体です。 周囲の協力を得にくい環境の中で、彼らが受験生時代に独学で身につけた学習メソッドを中学受験生親子向けにご紹介します。勉強テクニックだけでなく、なぜ勉強が大切なのか、独学でたどり着いた考えもお伺いしました。 今回の回答者は、次のお二人です。


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・永見琉輝さん 文科Ⅱ類→現在経済学部4年生。中学受験は未経験。偏差値40台の高校から一浪し、独学で東大に合格。

・能登太一さん 文科Ⅲ類1年生。中学受験経験者。某国立大学での仮面浪人を経て、東大を再受験。


子ども時代から大学受験までで、やってよかったことは?

永見さん:母親は、子ども本人がやりたいことを尊重するという考えの人でした。僕がやりたいと言わなかったから習い事もしていません。両親が共働きで、家で1人で遊ばざるを得なかったので、工夫して遊ぶ機会が多かったのはよかったのかなと思います。ひとり遊びでdvdプレイヤーを解体して中身を見たり、ドライバーでラジコンを解体したりして、直せずによく怒られていました。


絵本はよく読んでもらっていたのは覚えています。中学からはアニメやライトノベルが好きだったので、作品世界を通して擬似的な体験を積んでいたと思います。経験って外から見えることより内側で何を感じるかだと思うので、たくさん作品世界に触れたのはよかったことだと思います。


能登さん:体が第一、体があってその上にいろいろなものがあるというのが両親の考えだったので、小中では勉強より体づくり優先でした。あとは体験と知識も重視していたと思います。子供の頃住んでいたところは自然が多かったので、裏山で昆虫や蛇を捕まえたりすることに時間を費やしていました。河原の石にすごく興味があったし、親も植物や動物、昆虫に強かったので僕も自然といろんな知識が身につきました。実体験があったのも大きいです。先に経験してそこから知識がついてきていたと思います。


他には、本当に漫画が好きで、漫画ならなんでもいいので図書室の『マンガ世界の歴史』『マンガ日本の歴史』や、全然知らない人の伝記漫画を延々と読み続けていました。祖父や母が保管していた神話の本や、母が愛読していた歴史漫画も、後々の僕の世界史好きに繋がってるのかもしれません。今は緻密な取材に基づいている漫画がたくさんあるので、みんなもっと読んだらいいのになと思います。


中学以降になるかと思いますが、特に思春期には、歴史や哲学、宗教などを下敷きにしたアニメや漫画のかっこいい世界観にはまる時期があります。この時期はとても大事だと思います。僕は錬金術にはまることによって科学が得意になりました。


永見さん:しっかり世界観が作り込まれた面白いアニメ・漫画作品はたくさんあります。そのかっこいい世界観にどっぷり浸って、一つのことを深く理解することができるのは思春期だからこそ。そういう経験は貴重だと僕も思います。お子さんがアニメや漫画ばかりだと心配になってしまうかもしれませんが、そこは見守っていてあげてください。


能登さん:勉強をしていると、点だった知識が線に繋がって、線がさらに繋がって絵になる時があります。それが勉強していて一番楽しい時だと思います。その点は、アニメ・漫画から得るものかもしれないし、読書から得るものかもしれません。親御さんが家に世界地図や日本地図を貼っておくと、それを眺めていた子どもの中に“点の知識”が残るかもしれません。そんなふうにいろいろな知識にちょっとすれ違っておくことも、案外重要だと思います。


【ポイントまとめ】

・自然や機械を使って工夫して遊ぶ。

・アニメや漫画を通して、ひとつのことに没頭する経験を持つ。

・色々な知識に少しずつ触れておく。



勉強するときに心がけていること、工夫していることは?

永見さん:「生活のレコーディング」はぜひやってもらいたいです。日記でもいいし、食べたもの、起きた時間、寝る時間の記録でもかまいません。なぜかというと、僕が特に浪人期に1番意識していたのがそこだったからです。大事なのは、脳みそが働きやすい状態をいかにつくるかです。勉強法というものは、色々な本があるし、調べればいくらでも出てきますが、脳みそがぼんやりした状態で取り入れても結局効果は薄いです。


食事、睡眠、運動など今日何をしたか、それによって脳みそにどんな影響が出ているかを意識して、仮説を立て、検証してみてください。例えば休憩の取り方なら、昼ごはんを食べた後に頭がもやもやする時、科目終わりに疲れた時、眠くなった時にどうしようと考えて、科目終わりなら甘いものを食べる、眠くなったら散歩をするなどが自分にとってベストらしいな、とだんだん見つけていきました。総じて、脳みその状態をよくするという目的を念頭に置き、それまでになんとなくやってきていたのはどんなことだったかな?と手札の整理をしていったのです。勉強は生活の一部である、という意識を持つことが大事です。生活を記録付けるというのは、そこを関連づけるための足がかりになるのでお勧めします。


能登さん:自分は頭がいいと思っていても、塾に入ったりすると自分より頭のいい人がたくさんいることに気づくはずです。そういうときに負けるもんかと頑張るのもいいですが、「できる子は何をやってるんだろう?」とやり方を真似するといいと思います。僕も一応中学受験をしていて、その学校にいた勉強ができる人のやり方を真似してみたところ、一気に成績が上がったことがあります。真似した方法がいつの間にか自分流にアレンジされることもあるので、勉強ができる人、自分より優れている人がいたら、盗んでみましょう。小学生でもやりやすい勉強法の探し方だと思います。


永見さん:勉強法を試行錯誤するという意識は常にもっていたほうが、後々のためにいいですね。


能登さん:どんな勉強法でもいずれ上限がきます。なので、どんどん次を取り入れていきましょう。


【ポイントまとめ】

・自分の脳みそがよく働く環境や習慣を探る。

・勉強ができる人がやっていることを真似して、どんどん取り入れる。

・勉強法を試行錯誤するという意識を常に持っておく。



苦手科目への対処法はありますか

永見さん:小学生にとって実践可能そうな案としては、難易度が低いところから始めて周りの人から褒めてもらうという経験を積み、徐々に改善していくというのがひとつ。算数が苦手な人にはわからないけど好きな人はわかっている算数の良さというものもあるので、そこを先生に尋ねたりして知るようにするという意識転換もひとつです。算数が日常のどこで使われているかを探してみたり、学習漫画のようなわかりやすいところから入るのもいいですね。それでもだめなら、一回その科目から距離をおいてみるのもいいかもしれません。あとは、僕の場合ですが、弱点を克服するってかっこいいんじゃないか?という気持ちを持っていたのも効果があったかもしれないです。


僕の大学受験時のやり方は、学習すること自体を好きになるという方法です。例えば算数ってどんな科目だろうと考えると、計算、条件整理、問題文を読む速度などいろんな要素に分解できることがわかります。各要素において自分が今どのくらいできているか、行きたい学校の入試で求められているレベルがどのくらいか、どういう要素を伸ばすと他の要素が連鎖して上がっていきそうか、どこに一番時間をかけて対策するべきかという戦略立てをしてみましょう。戦略立てを好きになるとどの科目に対する苦手意識もなくなっていきます。科目の性質をつかむというのが重要です。


能登さん:できない時、なんでできないかというと、だいたい演習量が足りていないというのが大きな原因です。大学受験の数学は300、400問くらい頭に入ると“割とできる”レベルになります。僕ははじめそれがわかっていなくて伸びなかったのですが、パターンを頭に入れるつもりでやっていったらだんだん伸びていきました。ただ、その科目が嫌いだと、特に小学生は自主的に始められないでしょうから、始めは周囲の強制力が必要になるかもしれません。


僕も、算数や数学の訳のわからない問題を前にして、解説を見てもわからなくて、どうともできなかった気持ちを覚えています。だから、嫌いなものは嫌いでいいのでは、とも思います。他を伸ばして嫌いな科目を補填し、嫌いな科目では最低限の力を身につけるのでもいいのではないでしょうか。算数が80点取れるけれど国語が50点なら、国語を100点にするより、算数100点・国語70点くらいを目指したらいいのです。ただ後々を考えるなら、永見さんのやり方のほうがいいでしょう。単に合格だけを目的とするなら、僕の考え方でもいいのでは。


永見さん:嫌いというのは、これ以上レベルが上がらないという感覚から来ると思います。伸び悩んでいるというより伸ばし方を間違えている場合が多いので、そこを見直して戦略立てて行くというのがアプローチとしては正しいと思います。


【ポイントまとめ】

・簡単なところから始めて成功体験を積んだり、学習漫画から入ってみたりを試みる。

・科目の性質を掴み、戦略立てを好きになる。

・わかるようになるために最低限必要な演習量をこなしていく。

・どうしても嫌いな科目は最低限の力を身につけるにとどめ、得意科目で補填する。




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