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UTFR企画⑥:書く勉強は26倍の時間を無駄にする? 独学で東大に合格した先輩から教わる勉強法①

UTFR(University of Tokyo Frontier Runners, 東京大学フロンティアランナーズ)は、いわゆる“東大進学校”ではなく、東大生が継続的に輩出されない学校の出身者たちからなる団体です。 周囲の協力を得にくい環境の中で、彼らが受験生時代に独学で身につけた学習メソッドを中学受験生親子向けにご紹介します。勉強テクニックだけでなく、なぜ勉強が大切なのか、独学でたどり着いた考えもお伺いしました。 今回の回答者は、次のお二人です。


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・神田直樹さん 文科Ⅰ類→現在法学部3年生、UTFR2代目代表。高校に通わず、独学で東大を受験。中学受験は未経験。

・大町誠也さん 現在理科Ⅲ類2年生、関西の私立中高一貫校出身。塾、予備校は利用せず独学で東大を受験。中学受験経験者。


勉強するときに心がけていること、工夫していることは?

神田さん:第一は時間投下で解決しないということ。つまりイシューをどれだけ早くこなすかがポイントです。例えば30分以上はやらないと決めて、その時間内でいかに解決していくか、コストパフォーマンスをあげられるかが大切だと考えています。僕は書き取りをしていると、その間脳みそがフルに動いていない感覚、入ってくる情報量が少ない感覚があります。かつ身体にも疲れがやってくる。情報量が少なくかつ体を痛めつける勉強は、やったような気にはなれます。しかし勉強においては脳みそを120%使って、体は使わないようにすべきです。


そこで、僕はペンを使わない、文字を書かないという勉強法にたどり着きました。処理速度も段違いで、一般に、同じ内容を聞くのと読むのとでは、読む方が2.5倍から4倍くらい速くできるようです。書くだったら読む方が16倍、26倍くらいの速さになります。同じ時間で16回、26回と同じことを読んでいれば嫌でも覚えてしまえます。そういう意味でも読み続け読み続け、なるべく処理速度を速くすることがポイントです。


(※編集部注:神田さんの体を使わない勉強法は、大学受験や司法試験などの大人が用いる方法です。中学受験生は小さな子どもですので、子供は字面だけ追うようになり、頭に入らなくなると考えられます。親御さんは、書き取りの「手」、音読の「喉、口、耳」などの体全体を使うことを考えてあげてください)


大町さん:最近よくやっているのは、「エビングハウスの忘却曲線」を利用するというものです。1日後、3日後、1週間後と、復習の期間を徐々に伸ばしていって、中長期記憶の定着をはかります。最近はそういった管理をサポートしてくれるアプリがあるので、それも便利です。


暗記の話がありましたが、実際の試験は書くことも多いし、特に複雑な漢字だとパーツパーツが書けないということがあるので、そういう場合は何回も書いて練習するのは必要です。ですが、漢字も組み合わせで覚えられる部分があります。パーツをそもそも知っている漢字だったら、むしろ見て覚える方が何回も復習しやすくなるので、使い分けで「読む」式の勉強法も活用できると思います。なんのための勉強かによって暗記スタイルを変えていくのも必要です。


神田さん:読むことをメインにした勉強は結果的に忘却曲線の利用にも繋がっていると思います。書いていたら1回の復習にも時間がかかってしまうのに対して、読むだけなら1回の復習にかかる時間が短く済む。結果的に復習の回数が増えて脳みそにしっかり刷り込まれる。読む勉強法にはそういう働きもあると思います。


大町さん:エビングハウスの忘却曲線というのは、そもそもは覚え直すのにかかる時間を表すものです。僕も生物などの教科書は何回も何回も繰り返し読んでいました。一回で覚えることはできないので、何回も読みこなしていく。勉強の知識を重ね塗りしていくイメージです。何回も読むことで時間が短縮していくというのは、まさにその通りなんだろうなと思います。


【ポイントまとめ】

・勉強の目的に合わせて暗記スタイルを変える。

・忘却曲線を利用して知識を重ね塗りしていく。



ノート作りのコツを教えてください

大町さん:よく3色4色のペンを使って綺麗なまとめノートを作っている人がいると思います。それはそれで見た目が綺麗で勉強が楽しくなるというメリットがあるのですが、やはり作るのに時間がかかるのでコストパフォーマンスがよくありません。


僕にとってのノートの目的は、見返して復習するためのものです。復習というのは、そんなに時間をかけてやるものではありません。復習のために時間をかけてノートを作るのはコスパが悪いと思うので、ノートはずっと鉛筆一本でやってきています。ただし、矢印や図を使った視覚的にわかりやすいノートづくりと、読める字で書くことは最低限意識していました。


ノートが1番生きるのは、1週間2週間あけて同じ勉強をしないといけないときです。用語と簡単な説明くらいを書いていると、前回どんな内容をやったか復習するのに役に立ちます。逆に毎日する問題演習などは、裏紙にガーッと書いてそのまま丸めてポイとしてしまって構わないと思います。


神田さん:書かない勉強法をとっていた僕が作っていたノートは数学、日本史、手帳の3冊のみでした。僕にとってノートをとることの全体戦略は、「直前に見返すノートをつくろう」というものです。


数学で作ったのは、自分が今まで勉強してきた中でやったミスを全て書いたノートです。どんなミスをしたか、なんでミスをしたか。今までのミスをすべて記録し、二度と同じミスをやらなければ、受験数学であればミスはゼロになるはずだと考えました。ミスの記録ノートは1週間に4、5回見直しをしていました。日本史でも同様のノートを作りました。手帳は進捗管理とモチベーションの維持に活用しました。


ノートはあとで書き加えることが想定されるので、余白はいっぱい取ることと、構成、体裁はみやすいように整えておくのが重要です。


【ポイントまとめ】

・時間をかけないためにシャーペン1本で書こう。

・きれいさよりも、みやすさを重視する。

・直前に見返す用のノートをつくり、その全てが頭に入っている状態で本番に。



嫌いな科目にはどう対処したらいいでしょうか?

神田さん:なんでその科目が嫌いなのか?とよく考えてみてください。「実は嫌いなのではない」という可能性があります。なんで嫌いなのかを子どもさん自身で考えるのも難しいかもしれないので、親御さんが一緒に考えてあげるといいでしょう。どういう要素がその教科には存在し、何が嫌いなのか。それを本当に避けられないものなのだろうか、誤解ではないのかを考えるというのが、抜本的解決になりえます。


それでも嫌いとなると、朝の頭が動きやすい時間にやってみるとか、友達と一緒にやったり、ご褒美を用意したり。そういうところでなんとかやっていく他ないかもしれません。


大町さん:そもそもなんで嫌いかを考えた時に、「結果が出ていないから」があるはずです。その場合、難しい問題からやるのではなく、ドリルなどで確実に正解できる簡単な問題から達成感を感じてみましょう。その達成感から徐々に好きになっていくというのはあり得ます。日本史や歴史なら、簡単な用語チェックから始めて徐々に深い内容へ入っていくような流れをより重視すると、だんだんできるようになっていきます。


あるいは、好きな科目との関連性を考えてみるのも楽しいです。学問には必ずなんらかの共通部分があります。例えば理科と算数なら見つけやすいですね。その共通部分からまずは勉強しだして、その関わりから徐々に嫌いな科目へ進んでいくというやり方はいいのかなと思います。


【ポイントまとめ】

・その科目の嫌いな要素を考える。

・確実に正解できる問題から始めて、達成感を積み重ねる。

・好きな科目と嫌いな科目の共通部分を見つけて、共通部分から好きになる。



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