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UTFR企画①:「ふとした疑問を大切に」非東大進学校→理Ⅲ合格者が小学生に伝えたいこと

難関中学に入れば難関大学受験に有利になる。そう考えて中学受験を決めるご家庭もあることと思います。実際、東大合格者出身校のランキングを見ると、例年同じ名前が上位を占めている状態です。一方で東大合格実績の少ない学校から東大に進学した人たちもいます。

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我が子にどう育ってほしいか、どんな人生を歩んでほしいか。このテーマを考える際に、この方々の体験談が参考になるかもしれません。



東大合格の実績が少ない学校から東大に進学した学生からなる団体UTFR(University of Tokyo Frontier Runners, 東京大学フロンティアランナーズ)。出身地から家庭環境、東大合格に至るまでの経歴も様々な彼らは、普通であれば東大を目指さないような環境にある学生への支援活動をしています。今回お話を伺ったUTFRのメンバー9名も、いわゆる「“東大への” 進学校」の出身ではありません。しかしながら、自ら考え、選択し、行動して東大合格を果たした学生たちです。「どんな学校で学んできたかに関わらず、多感な10代で経験したことが後々芯のある選択につながるように。」そんなメッセージを受け取っていただければ幸いです。



今回お話を伺ったのは、東京大学理科Ⅲ類 大町誠也さん。偏差値40前後の私立校出身の大町さんは、現役時は東大不合格。一浪の時に医科歯科大学の後期試験に合格し、1年間通ったのち、東大を再受験し合格しました。予備校には通わず、独学での勉強でした。大町さんの受験には、「中学時代に感じた劣等感」と「様々なことへの挑戦」が生かされています。



子ども時代をどう過ごしたか

自宅から一番近かった私立小学校へ通っていました。小学校受験はしたものの、両親は特別教育熱心だったということもなく(※編集部注:大町さんの主観によるため、一般的には教育熱心なご両親だったかもしれません)、どの大学に行きなさいなどと言われたことはありません。子ども時代は、器械体操を小1から小5くらいまで習っていて、体を動かすことが好きでした。運動+できる技を競い合ったりすることで負けず嫌いな根性を培われたと思います。一方で、家では祖父が将棋やオセロを一緒にやってくれたり、クロスワードやナンプレを家族とやったりしていて、頭を使う遊びも楽しんでいました。



リビングで勉強する東大生が多いとよく言われますが、自分自身もリビングで家族と会話しながら勉強する習慣がありました。 親と一緒に勉強するということが多く、小学校受験の時は色々なことを親から教えてもらいました。私は小学校と同じ系列の中学に受験をして進学したのですが、その時にも一緒に受験勉強に取り組んでくれました。



私が進学した中学は、いわゆる進学校ではありませんでした。小学校には医学部や東大を目指す人も多かったのですが、そういう人たちの多くは系列の中学へは進学せず、他の学校を受験していきました。その一方で、スポーツをずっとやっている人、野球でドラフト候補の人、バトントワリングで世界大会に行く人等、いい意味でいろんな人達がいたのは、母校に通ってよかったと思えるところです。進学校だと勉強に偏ってしまいがちだと思いますが、様々な分野で一芸持っている人がいる環境は非常に面白かったと思います。



東大を目指したきっかけは?

そんな中で“勉強”をがんばろうと思わせてくれたのは、灘や甲陽学院といった進学校に行った友人達の存在でした。色々な人がいた中・高は面白い環境ではありましたが、勉強に関しては劣等感があったのです。中学に上がった頃から、追いつけ追い越せという気持ちで勉強するようになりました。甲斐あって、高校に入ってからの成績は学年1位となりました。



次の転機は、高1の時担任の先生から勧められて、京都大学の高校生向けプログラムに参加したことです。高校生が大学の授業を体験したり、ベトナムに行き現地で環境調査を行ったりするというプログラムでした。このプログラムを通して、進学校の人たちと知り合いました。彼らから“科学オリンピック”のことを教えてもらい、哲学オリンピックや言語学オリンピック、生物学オリンピックにも参加するように。何度か参加した中で、6大会で予選を通過しました。オリンピックの関係でインドに滞在する機会を得たことでアジアの国へ関心を持ったり、その関心から更に、スリランカの病院見学プログラムに参加をしたり……。そんなふうにして、世界が少しずつ広がっていきました。同時に、自分自身が望む進路が明確になっていきました。私の身近には目指す人がいなかった“東大医学部”という道が見えてきたのです。



医学部に行きたいと思った理由は、課外活動の一つでスリランカの病院見学プログラムに参加したことです。もともと親戚に医者をやっている人がいたので、医学ってどういうものだろうというのを見てみたいと思い、参加しました。現地では海外の医学生と交流を持ったり、現地のお医者さんのプロフェッショナルな仕事を見て憧れを抱きました。 東大に行きたいと思ったのは、教養科目を1年半と長く勉強できること、総合大学なので医学以外の分野の優れた学生とも交流を持てることに魅力を感じたからです。将来は関東で働きたいという思いもありました。大学受験では塾や予備校には通わず、通信教材を利用し、試行錯誤して独学で勉強をしました。



実際に東大に通うようになって、東大は自由なところだと感じます。医学部にも、インターンに行って起業を考えている人、医療ビジネスについて学んでいる人、医療ボランティアを熱心に学んでいる人がいます。自分のやりたいことを一生懸命できるのは東大の校風です。自分はというと、脳がどのように言語を扱っているかに関心があるので、脳外科に進みたいと思っています。



進学校と非進学校の違いは?

進学校の強みは、やはり中学高校時代からハイレベルな人たちが周りにいる環境ではないでしょうか。自分の高校時代には東大や医学部を目指す人が周りいなかったので、どうしても自分のレベルを知る機会が模試くらいに限られていました。灘校等の生徒なら、学内の成績からも自分のレベル感を測ることができるでしょう。 二つ目は、情報が共有されること。受験に関する情報はもちろんですが、科学オリンピックに関する情報にも格差があります。化学オリンピックの国際大会に参加できるのは、高2生までです。自分がオリンピックのことを知ったのが高2の時だったので、既に国際大会に出られる機会が限られていたのでした。科学オリンピック常連校であれば、こういったことはなかったと思います。



一方で、非進学校から東大を目指す人のいいところは、自分自身の芯をしっかり持っていることです。そうでないと、周りに流されて勉強しなくなってしまいます。自分の学校でも勉強熱心な子が多いわけではなく、高1高2では高校生らしく遊んでいる生徒の方が多かったです。その中で東大を目指したということは、自分の意思で勉強をしてきたということ。そういう人にとっては、非進学校はかえって勉強への意思をより強固にさせてくれる環境なのかもしれません。



中学受験生へのアドバイス

何度も科学オリンピックに参加したことで、毎日頭を動かし続ける、ふとした疑問を考え続けることの大切さを学びました。言語学オリンピックはパズルに近く、哲学オリンピックは小論文に近いと言われます。これらのオリンピックで必要なのは知識ではなく、言語学的な考え方、哲学的な考え方ができること、自分の哲学を文字にできることです。気になったことに対して疑問を持ち続けることを大切にしてください。



小学校の頃の私は、それほど勉強が好きではありませんでした。中学校からは半ば義務感や負けず嫌いから勉強していたところがありましたが、実際に勉強ができるようになってくればなってくるほど、勉強自体が楽しく感じられ、高校や大学からは勉強が好きになってきました。自分のやりたいことと今勉強していることが、どうリンクしていくのかを意識しながら勉強していくと、勉強が楽しくなるはずです。




―大町さんが独学で身につけた学習メソッドは、「非進学校から東大に進学した先輩から教わる勉強法①」でご紹介しますのでご参照ください。



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