「私立中学校～ここが自慢！」⑩海陽中等教育学校

他校では絶対真似できない！　工場見学と企業訪問の質と量

キャリア教育に力を注いでいる学校はたくさんありますが、海陽中等教育学校（海陽学園）のキャリア教育の一つ、「工場見学・企業訪問」はその質と量で他を圧倒しています。

その理由はズバリ「フロアマスター（以下、FM）」の存在です。FMとは、本校の教育に賛同する多くの一流企業から派遣された若手男性社員のことで、日ごろはハウス（寮）で生徒と寝食をともにし、生活や進路のアドバイスをしてくれる頼りになるお兄さんのような存在です。このFMが出身企業とのパイプ役になってくれるおかげで、およそ他校では実現不可能と思われるような工場見学や企業訪問を行えているわけです。

ここでは企業訪問に絞って紹介しましょう。

企業訪問は4・5年生（高1・2生）が夏休みに行うイベントです。例年、20社以上の企業から訪問先を選ぶのですが、まずはオリエンテーションで各企業の説明を聞き、希望の企業に対してエントリーシートを作成します。もちろん希望理由も書かなければならず、自分の将来について深く考え、それを相手に正確に伝える文章力も求められます。まさに「リアル就活」です。書類選考後、訪問企業が決定されると、今度は企業研究シートを作成します。事業内容・経営戦略・業績推移などをまとめ、訪問当日までに理解を深めます。

訪問先の一例ですが、ゼネコン大手の清水建設株式会社では、①本社訪問、②技術研究所見学、③高層マンション建築現場見学、④社員との質疑応答などが行われました。訪問後もレポート作成が義務付けられており、生徒にとっては“大学卒業後のその先”を見通す良い機会となっています。