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黄金比について

執筆:北海道札幌市 北嶺中・高等学校 数学科教諭 大畑寿仁

 大学生や社会人になるとクレジットカードや名刺を使う機会が多くなります。それらは何となく使いやすく丁度良い形のように感じたので、何か理由があるのではと思い、試しに縦と横の長さの比を求めてみると、クレジットカードは約1 : 1.586で、名刺は約1 : 1.655でした。一致はしていませんが、詳しく調べてみると、「黄金比」というものにたどり着きました。

 皆さんは「黄金比」という言葉を聞いたことがありますか?黄金比とは、最も美しいとされる比のことで、のことです。√5(読み方:ルート5)とは、√5×√5=5になる数のことで、2.236…と無限に続きます。おおよその値を計算してみると黄金比は1:1.618…より約5:8です。この黄金比を発見したのは、古代ギリシアの数学者であるエウドクソスで、初めて使ったのは古代ギリシアの彫刻家であるペイディアスと言われています。数学として初めて話題にしたのは、幾何学の父と呼ばれているユークリッドで、彼の書物である『原論』に登場します。この黄金比はどういったところに登場するのでしょうか。例として以下のものがあります。
〇ミロのビーナス (へそからつま先):(頭からつま先)
〇モナ・リザ (顔の横幅):(顔の縦幅)
〇ピラミッド (高さ):(底面の1辺)
〇パルテノン神殿 (全体の縦幅):(全体の横幅)
〇パリの凱旋門 (中央開口部の高さ):(全体の高さ)
〇唐招提寺金堂 (全体の縦幅):(全体の横幅)
〇鹿苑寺金閣 池に面した南側から見たときの (高さ):(横幅)
などなど、特に有名な芸術作品に多く使われていて、意図的に使った人もいるようです。

ではなぜ、黄金比が美しく感じるのでしょうか。その理由を「黄金長方形」というものを使って説明していきます。
黄金長方形とは、縦と横の辺の比が黄金比になっている長方形のことで、この長方形から辺の長さが最も大きい正方形を除くと、残った長方形もまた黄金長方形になります。残った長方形から先ほどと同じことを繰り返し行っていきます。そうしてできた図形が下の図です。

この図の中にぐるぐる回っている線が描かれていますが、この線を「黄金螺旋(らせん)」といって、この螺旋が自然界に多く隠れています。オウムガイの貝殻であったり、松ぼっくりやヒマワリの花びらなど、自然界に多く存在しているので、人間は本能的に美しいと感じると言われています。
 しかし、黄金比が本当に美しいかどうかは解明されておりません。1867年グスタフ・フェヒナーの実験によれば黄金比が安定した美感を与えるという結果ですが、肯定的、否定的な見解があり、1997年の国際経験美学会誌で、この実験結果を「永遠に葬るもの」とされました。

 黄金比には謎がまだまだあります。もし興味を持ったのなら各自で調べてみてください。
アップル社のロゴやグーグルのロゴにも黄金比が使われているようですよ。

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