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甲南女子中学校・高等学校

進学教室浜学園が独自の切り口で中学校を取材し、その魅力をお伝えしていきます。

校訓「清く 正しく 優しく 強く」のもと、一人ひとりが自立した女性として成長することを目標に教育活動を行っている甲南女子中学校・高等学校。 今回は「生徒が作る伝統」について、副校長の後田先生から詳しくお話を伺いました。
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甲南女子中学校・高等学校 副校長 後田尚宏先生と浜学園経営企画室渉外担当 山田

高校3年生が作詞作曲

―御校には第二校歌が存在すると伺いました。詳しくお聞かせ願えますか。
はい、本校には第一校歌と第二校歌の2つの校歌があります。第一校歌は変わることのない校訓の精神を歌っており、現在では行事や式典のみで歌われています。一方、第二校歌は1927年に3代目の校長の発案によって作られました。毎年高校3年生が作詞作曲を行い、今年で91曲目です。全校生が集合する週に1度の朝礼を始め、様々な場面において1年間限定で歌われます。第二校歌は冊子にしてまとめてあるのですが、先の第二次世界大戦が近づくにつれて軍歌のようなものとなり、一番戦争が激しかった1944年の第二校歌の記録は残っていません。第二校歌を振り返ることで時代の流れを感じることができます。総合学習の教材ともなっており、この歌詞を用いて平和学習を行うこともあります。

自校体操・体育大会も生徒が創作

―他にも生徒が創りあげるものは何かあるのでしょうか。
第二校歌の他には自校体操というものが生徒によって作られます。これは体育の授業の冒頭に準備体操として用いられるもので、30年ほどの歴史があります。この自校体操は高校2年生によって作られ、年度末にお披露目されます。一クラス40人ほどの生徒を4つのチームに分け、それぞれのチームで自校体操を作ります。5クラス分20パターンの自校体操の中から優秀作を決め、それを次年度の自校体操として採用する方式です。振り付けはもちろん、選曲も自分たちで行うので、生徒は毎年楽しんで作成に励んでくれます。
また、90年の歴史を持つ体育大会も生徒たちによって運営されます。毎年の形式は変わりませんが、どのような出し物をするのかということや、応援団のパフォーマンスなどを生徒たちが自由に考えます。体育大会は、中学1年生から高校3年生までを4つの縦割りにして団を編成します。この団は年度ごとに組み替えられることがなくずっと同じメンバーで組まれるため、リーダーとして団をまとめる上級生の姿を常に見ることができるのが特徴です。体育大会で特に盛り上がるものとして、高校3年生が行う応援合戦と高校1年生・2年生が合同で行うマスゲームがあります。応援合戦では高校3年生全員が袴を着用し、各学年で行われる競技の応援をします。応援歌はあるものの振り付けや配置などを1から作りあげるので、応援団のパフォーマンスによって毎年カラーが異なります。
マスゲームでは選曲から振り付けまでを高校2年生を中心に二学年で作り上げます。
体育大会の競技としては棒引きや障害物競走などがあります。そして、その勝敗を得点化し各団で点数を競います。優勝した団には生徒がデザインしたメダルが授与されますが、これも高校3年生が美術の時間に作成したものがベースとなっているため、生徒が創りあげたものと言えるでしょう。

生徒考案の行事を開催

―御校はもうすぐ100周年を迎えられるそうですが、それに向けて何か準備などをされていますか。
はい、本校は2020年に100周年を迎えます。学校として取り仕切る記念行事ももちろんありますが、生徒主催の記念行事もあります。これは、生徒たちの自分たちで企画して何かを残したいという声から生まれたものです。
具体的には、年度ごとに行う記念行事のアイデアをコンペティション形式で募集し、実行委員が形にしていきます。この実行委員には在校生のみならず、かつて実行委員を経て卒業していった卒業生も含まれます。実行委員はグループに分かれて、何を100周年記念として残すのかの具体的な案を会議を通して決めていきます。昨年はクリアファイル3種類と記念誌を作成しました。クリアファイルにおいては制服のデザインをイメージしたものが一番人気でした。記念誌においても、教員とは異なる今時の遊び心を加えた観点から、様々なトピックを掲載したものを作ってくれました。
100年という節目が、もっと様々なものを生徒たちの手によって作り上げるいい機会となればいいなと我々教員は考えています。例えば始業・終業のチャイムのメロディーですね。我々は生徒にチャレンジのためのヒントを与えるという種まきはしますが、実行に移されるかどうかは生徒にかかっています。生徒が楽しんで何かを作ってくれることが一番だと考えています。
【100周年アイデア募集】つくってみた、わたしたちの100周年。

母校の愛着が強く、伝統を受け継いでいる

―そんな長い歴史を持つ御校の同窓生についてお聞かせください。
本校の同窓生には、甲南女子中学校・高等学校出身の卒業生のみならず、併設されている甲南女子大学の卒業生も含まれ、その数は全国で55,000人に上ります。 卒業生が多く集まる総会では、現在の校舎の様子をはじめ、まだ伝統は続いているのか、在校生の様子はどのようなものかなどと母校を気にかける声が多数聞かれます。卒業生のほとんどが、もう一度生まれ変わったら同じ制服を着たい、甲南女子で充実した学校生活を送りたいと言っており、彼女らの母校への愛着を感じます。
また、伝統の共有が縦にも横にもなされており、時代は移れども芯は変わらないのが甲南女子のいいところです。だからこそ、大学から甲南女子に足を踏み入れた人たちが混じっても、伝統や彼女らが醸し出す雰囲気は変わらず受け継がれています。

「やってみたい」気持ちをベースに活躍

―卒業生の活躍などがございましたら教えてください。
本校の卒業生は政治や芸術など、様々な分野で活躍しています。
例えば、2016年アニメーション映画『ゴッホ~最期の手紙~』の制作画家として選ばれた、唯一の日本人である古賀陽子さんは本校の卒業生です。 また、アフリカでゾウの虐殺防止を目指して協会を立ち上げ、人間とゾウが共存するための道を探る活動をされている人も本校出身です。テレビ『こんなところに日本人』で紹介されていました。彼女の学生時代の夢は「ゾウと仲良く暮らしたい」。描いていた夢の通りに自分のやりたいことを見つけた卒業生の代表例です。
卒業生の活躍のベースには、自分の限界を感じる前に「やってみたい!」という気持ちが先立ち、できない理由を探すのではなく挑戦してみるという姿勢があると考えています。こういう姿勢は、本校で過ごす6年間で培われるかけがえのないものです。


―どうもありがとうございました。

取材日:2018年12月14日
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