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大阪女学院中学校・高等学校

進学教室浜学園が独自の切り口で中学校を取材し、その魅力をお伝えしていきます。

1884年の設立から133周年を迎えた大阪女学院中学校・高等学校。
緑あふれる環境の中で、「愛と奉仕」をスクールモットーに、他者のために行動できる自立した女性の育成を目指す同校のお話を伺いました。
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大阪女学院入試対策室室長 関口先生と浜学園経営企画室渉外担当 山田

伝統ある設立精神とその普遍性

―御校の歴史や伝統について教えてください。
大阪府内の中でも指折りの長い歴史を誇る大阪女学院は、アメリカから来た宣教師が明治の世の中を見渡し、日本の女性はもっと活躍するべきだと、女性の社会進出を主眼とした教育をはじめたのが起源です。
開校当時は授業が英語で行われる等、そのときから視線を世界に向けていました。
当時流行りのいわゆる良妻賢母型の教育ではなく、時代に先駆けて、「就職する女性」の育成に取り組み、今なお当時から変わっていないところが大きな特徴です。

他者の利益を優先することができる女性に

―御校の教育理念はどういうところから出発しているのでしょうか。
キリスト教主義の根本的な考え方である「愛と奉仕」に基づいた教育理念のもとに、生徒たちの心にも、誰かのために役立つような仕事をしたいという気持ちが育まれています。
大阪女学院の卒業生はいわゆる福祉関係・教育・医療といった分野で人のために役に立つような職種を選んでいる人が多い、と外部の方に驚かれることもあります。


希望する職業から遡り必要な学問を選び取っていく進路指導

―そういった教育理念がほかに具体的にどのような影響を生徒たちに及ぼしていると思われますか?
大阪女学院では、自分の学力を上げてそこで行ける大学に、というのではなく、大学を卒業した後の自分がどうなるかというイメージを先に持って、そのために大学を選んでもらう、そうやって選んだ進路をサポートする、という考え方をしています。

具体的には下のようなステップを踏んでいます。

・中学2年生時:職業ガイダンス(実際に志望する職業に就いている卒業生の話を聞く)
・中学3年生時:学問ガイダンス(必要な学問を選んでいく)
・高校1年生時:学部別オープンキャンパス(関心のある学問ができる大学のオープンキャンパスを訪れリポートを作る)
・高校2年生:進路決定(自分の将来像と行きたい学部で大学を決めていく)

自分が何に向いていて、何になりたいかというイメージを持って、学部・学校を選んでいく進路指導は、キリスト教主義が生徒に対して影響しているところではないかと思われます。
結果、生徒の卒業時点の満足度も非常に高いです。卒業生が年数を経ても学校を訪れてくれることも多く、お子様を受けさせようと説明会にいらっしゃる愛校心の強い方も少なからずいらっしゃいます。

共学と別学について

―将来共学化ということはありえますか?
おそらく将来的にも無いと思います。共学の環境も非常に教育的に意味がありますが、別学の方がさらに深い意味を持ち、女子校が女子教育の中で生徒たちにつけられる付加価値は高いと思っているからです。一般的な社会と同じような環境の学校ではなく、女子校のなかではチャンスや挑戦する場を存分に享受できます。理科教育についても共学の中では圧迫されがちな理系志向も、女子校の環境だとしぼまず進路とすることができます。


中学でコース分けをあえて行わない意図

―中学入試時点でコース分けが行われている学校もありますが、御校が高校からコース分けを行う意図をお聞かせください。
基礎学力をつける小学校6年生の時期に、自分が何に向いているのか、どんな学力、学習的志向をを持っているのかを自覚して決めるのは難しいという考えに基づいています。
学校は、勉強という目的と同時に生活する場でもあります。なので中学の段階では、学力差があるなかで学び、切磋琢磨したり教えあうことで伸びていき、基礎学力をベースに中学3年生の時点でコースを決めていきます。中学時期には多様な価値観、学力、文化を吸収するリベラルアーツを大切にしています。

各コースについて

―具体的なコース分けについて教えてください。
中学3年生で、普通科文系・普通科理系(1類・2類)・英語科(英語コース・国際バカロレアコース)のいずれかを選択することになっています。
英語科は普通科ではなく、文科省から英語を専門的に学ぶために他教科のカリキュラムを変えても良いと認められている特別科にあたります。
また、英語科の中には専門的に学んだ英語力で文系大学へ進学していく英語コースと、国際バカロレアコースがあります。スイスの国際バカロレア機構のカリキュラムを2年間学ぶことができ、受験資格を取得した認定試験のスコアをもって大学に進学することが可能です。日本のほとんどの大学が国際バカロレア枠を持っていますが、ほとんど使われていないのでそこへ入っていくことが可能です。もちろん海外の大学でもそのスコアが有効になります。


最近の取り組み~論理エンジンの導入

―浜学園が、塾生にもご利用をお勧めしている「論理的文章能力検定(論理力検定)」を大阪女学院でも実施されていますが、それについてお聞かせください。
以前から論理力を高める活動をキリスト教教育に組み込んで取り組んでいます。具体的には、中学1年生から聖書の箇所を選び、そこから発想する自分の意見を書いてそれをクラス全員の前で発表するという活動です。この「礼拝のお話」という活動は原稿を仕上げて担任に提出、各担任から指導を受け原稿を完成し、教室でのプレゼンテーションを行うもので、中学1年から高校3年まで、1年に2〜3回ずつ全員が実施します。
これに加え昨年度から、論理力を上げる現代文教材「論理エンジン」を採用し、「論理力検定」で評価することとしました。
これは、2020年の大学入試制度改革に伴い、大学の入学試験に思考力、判断力、表現力を測定する試験が追加されることに備える意味でこの論理エンジンと論理力検定の導入は、有益な教育ツールになると考えたからです。
 実際、採用してみると、論理エンジンで学ぶ生徒たちの反応は良く、積極的に取り組んでいます。彼女たちの論理力能力の向上に期待しています。

自立心を育む土壌

―大阪女学院の生徒は非常に自立心が強いと評判ですが、どういった理由が考えられるでしょうか。
校風は非常に自由で、制服はありますが、髪型・靴下・靴などについては全く規定がありません。そういうゆるやかな校則と自由な雰囲気の中では、していいことあるいはすべきこと、してはいけないことを自分で見極めていくということが求められます。
自分にとって有意義で必要なものを選びとっていくというのは自由の難しい部分ですが、それを中心的に教わり、経験を積んだ卒業生はおのずと自立心の強い女性になっていくのでしょう。


歴史ある、緑豊かな校内環境

―校内のさわやかな緑あふれる環境の由来と、その生徒たちへの影響はいかがでしょうか。
1945年終戦時には米軍の空襲により焼け野原になり、建物もコンクリート造りの一棟以外破壊されました。その後戻ってきた生徒たちがアメリカの教会に支援を依頼する手紙を多数送り、集まった募金で再建されました。そしてできた校舎と礼拝堂がウィリアム・メレル・ヴォーリズによる建築で指定文化財になっています。若い生徒たちも古いものから良い影響を享受しているようです。
そして、それだけではだめだとひとりの理科教師が苗木を随所に植えたのが現在の景観のはじまりです。常に手をかけて、生徒たちにとっても憩いの場となるようにしています。教室のどの窓からも緑が見えて生徒の精神衛生上とてもいい影響を与えています。


◇編集後記◇

学校の写真は、すべて自校で撮影されたこだわりのお写真を提供していただきました。
写真の利用についてご確認させていただいたときにも、生徒や保護者の方と非常に良い関係性を築かれていることが伝わってきました。
「うちの生徒ってよく笑うんです、授業中にも。」
そうおっしゃる関口先生も、いい学校だなと日々思いながらお仕事をされているそうで、とても素敵な笑顔をされていました。
ご協力どうもありがとうございました!
取材日:2017年3月9日
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