文章を読む必要性

　私は塾で低学年の授業を見学するのですが、国語の授業で論説文を扱っているとき、一つ一つに自分の意見をすぐ言いたくなる子がいます。頭の回転が速かったり、言いたいことを持っていたりするのでしょう。そして、先生が論説文を読み始めたら、「その時はどうなの？」「こんな時はどうなるの？」などと発言します。
悪いことではないのですが、論説文は、まずは筆者が何を言っているのかを理解しないと問題に答えられません。その一つ一つに自分の考えを述べていたら、設問や選択肢からずれてしまいます。
そういう意味でも、まずは読んで内容を理解してほしいと思います。

保護者がとるべき対応

　では、今回の悩みに対してどうすればよいかというと、ここで子どもに対して怒ったり、テクニックについて子どもと意見を対立させたりしても意味がありません。

今はテストでよい点をとっていたとしても、このやり方を続けていくと、文章を理解しないまま読み進めていき、大事なところを見落としてしまうことが出てくると思います。
そうなった時に、保護者の方は「だから言ったじゃない」と言うのではなく、「ここもちゃんと読んでいたらこの問題解けていたね。じゃあ、今度はちゃんと読もうね」と、言ってみてください。

子どもでも、誰でもそうだと思いますが、出てしまった結果を責められるというのは、とても辛いことです。そして、だんだん成長して文句を言えるようになると、その辛さが反抗期的な態度として表れるのです。やってしまったことは、どうにもできませんからね。
ですから、それを指摘して責め立てるのではなくて、「次はこれをしないでおこう」と思えるようにしていくのです。

テストは試行錯誤のチャンス

　例えば、浜学園のような塾ではたくさんのテストをします。これは、失敗したことを次で挽回したり、やり方を変えてみたりできるチャンスがたくさんあるということなのです。
ですから保護者の方も、「次はこうしよう」という声かけをしてあげてください。そんなはるか先ではなく、すぐにまたテストがありますから。
たくさんあるテストは、そのように利用してください。

テスト後の子どもへの接し方が大切

　テストが終わるたびに、失敗したところをあげつらうのではなく、それを次のテストで意識させるようにするのです。
そうすると「設問を読んで所々つまみに行くばかりの読み方をしていたら、抜けることがあるな」と思い「次は、一度先に文章を読んでみようか」となるのです。
そのような接し方をしてあげてほしいと思います。

実際に入試を受けるころには、学校から出題される文章の長さによっては、先に設問を読むということも出てくると思います。ただ、まだまだ低学年くらいでは、テストもこれからたくさん受けていきますので、このようなことに気をつけてほしいと思います。　

まとめ

• 低学年では文章を読んで理解する練習を積む
• 保護者はテスト結果に感情的にならずに具体策を示す
• テストは試行錯誤するチャンスととらえて利用する

株式会社浜学園