【中学受験】入塾までに身につけておいてほしい能力とは?…浜学園学園長が答えます!

小1の娘と2歳の息子がいます。娘は将来の夢があり、必ずそれになりたいと言い続けているので親としても、できる事をしてあげたいと思っています。
ある程度受験する学校は決めており、難関中学でもあります。今から小3までに自宅でできることを教えていただきたいです。
ある程度受験する学校は決めており、難関中学でもあります。今から小3までに自宅でできることを教えていただきたいです。
中学受験に向けて通塾を始めるなら
基本的に、中学受験に向けた勉強のために塾に通うことを、小学4年生くらいから始めていただきたいと思うのです。では、その4年生から受験に向けた勉強に入っていくには何が必要か・・・ということです。
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通塾に必要な力とは、実は
確かに計算力や、語句や漢字の知識などは必要です。それらを身につけておくと、スムーズにスタートできたり有利になったりするかもしれません。ですが、それ以上に、勉強に取り組む姿勢や忍耐力が必要です。また、競争する環境で過ごすため人間関係において周りの同じような生徒たちと適度な距離感をもてることや、しなければいけない事を我慢して頑張ったりすることも求められます。
このような力は、最近では非認知能力や非認知スキルなどと言います。ある程度これらが身についていないと、実はさまざまな学力や知識を上乗せしても受験を乗り切る力がつかないのです。
受験勉強には、しんどいことも多いですから、我慢して工夫して取り組もうとする姿勢のような非認知スキルがもてているかどうかが影響してきます。計算力や語彙力などというのは、ある程度後からつけることができますが、非認知スキルのような力がないと、勉強を積んでいってもバランスがとれていない状態になりがちなのです。
塾の低学年クラスで身につける力とは、実は
大手の進学塾に低学年のクラスが設定されている理由は、難しい問題に挑戦したいお子さんたちが、そういった問題の解き方を習う際に、塾の教室で50分間座って黒板に書かれた説明をノートに写したり講師の話を聞いて理解したりするということを我慢して取り組めるようになることや、家でも習ったことに取り組んだり時間を決めて勉強したりするという姿勢を育むためです。ただ単に塾で難しい問題を習っているというわけではないのです。なぜなら難関中学の入試問題などは小学1年生では理解できませんから。塾で取り上げるのは、その学年の子どもたちにとって少し負担のかかるくらいの難易度なのです。
これを乗り越えようと頑張り、クリアしていく、その姿勢が重要なのです。忍耐力というと大げさに聞こえるかもしれませんが、我慢することが大切なのです。
通塾する子どもに保護者ができること
そういった子どもたちの将来のために保護者の方が何をしてあげられるかというと、それは褒めてあげることなのです。とはいえ「点数がよかったから褒める」「成績がよかったから褒める」・・・これらはダメとは言いませんが、きっとムダだと考えます。これは、よい点数だったら褒めなくてよいのか?ということではありません。こういうことをしていると、きっと点数がよくない時に怒ってしまうのです。
出た結果が「いいことばかりではない」ことをわかっていると、子どもも嫌になるもなのです。自分が何かをしたら何割かの確率で怒られる可能性があることを、わかっているのです。そう思ってしまう事柄に立ち向かっていくように、と子どもに言うのは難しいです。
具体的な声かけと、NGな行動
では、どうすればよいかというと、例えば「今日は15分この計算をやりましょう」と決めて、子どもが15分頑張ったら褒めるのです。子どもは頑張ったのですから。この時に保護者がしてはいけないことは、「じゃあ、早くできたから、これもやろう」と言って積み増すことです。
こうすると子どもは「早く終わったら追加の課題がくる」と思ってしまいます。そうすると、子どもは勉強をしなくなります。なぜなら「頑張ったら損をする」という感覚をもってしまうからです。
ですから、そうではなく「15分これをしましょう」と保護者が言って、子どもがこなしたなら「よく頑張ったね!」と褒めて終わらないといけないのです。ここで切り替えないといけません。
そして「今度のテスト、頑張ろうね」ということになれば、「今、頑張ってみよう」と促し、子どもがテストの時まで頑張ったのであれば「頑張ったね!今日は、このテスト頑張っておいでね!」と送り出すのです。
テストの結果を子どものせいにしないで
そのテストの結果が悪い場合、保護者の怒りたくなる気持ちもわかりますが、努力と結果が合わないこともありますから、子どもと一緒に「残念だったね・・・」と残念がらなければなりません。子どもだけがテストの結果が悪いと怒られたりするようなことは避けてください。子どもだけのせいではありませんから。
まだ小1の子どもさんは「子どものせい」と言われたら困るでしょう。小2・小3でも保護者が勉強の伴走をしている状態です。そして高学年になって、なんとか自力で歩き出せるようにしないといけないというところです。
ですから、今はまだ「子どものせい」とかではなく、とにかく子どもに「頑張ろう」と言って子どもが頑張ったら「頑張ったね」と褒めて、テストの点数がよかったら「すごいね」と言って褒めてあげればよいのです。
保護者に褒めてもらうこと・喜んでもらうことは、子どもにとっては一番の評価でありご褒美です。このことを、ぜひ心がけてあげてください。
子どもに決して言ってはならないのは、「あなた、これになりたいのでしょう?なのに、なんでやらないの?」ということです。子どもの夢を辛いものに変えてしまうのは、やめてあげてほしいと思います。
できたこと・約束どおりに頑張れたことを褒めていくのです。
塾のカリキュラムを参考に、やるべきことをやるだけ
ただ保護者の方としては、今の段階でどのくらいできていればよいのかわかりにくいでしょう。そのため、塾などでは「今、この学年ならば中学受験から逆算したときに、こういうのができてくれるとよい」として単元を区切っています。こういうことがハッキリとしているので、通塾している保護者の方は悩まなくて済むのではないでしょうか。取り組むべき事に取り組んでいくという姿勢でいればよいのです。
楽々とできることでもなく、手も足も出ないというわけではないレベルなのだと思いながら 塾での勉強を続けてもらえればと考えます。そして子どもが徐々に一人歩きできるようになっていくとよい・・・と保護者の方にはお考えいただきたいと思います。
子どもの憧れを大人の論理で潰さないようにしてあげていただきたいと思います。
まとめ
- 通塾に必要なのは計算力や語句や漢字の知識だけではない
- 勉強に取り組む姿勢や人との距離感、忍耐力などがとても大切
- 入塾後は必要な声かけやNGな行動に保護者は気をつけて
この「それ浜学園がお答えしましょう!」では、灘中合格者数、7年連続90名超え(2025年2月実績)を達成した「浜学園」の松本学園長が、中学受験や子育て情報をお届けします。
※このコンテンツはYouTube【中学受験】進学教室浜学園チャンネル(https://youtu.be/CwVGBKhT_Os?si=_0Wk3LpQvw9bpi35)を参考にまとめています。
進学教室浜学園