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【中学受験】有名中学現役教諭の”理科”特別授業~地球の自転を感じられる!? ~

有名中の授業は、好奇心をくすぐる仕掛けが盛りだくさん。そして、学ぶことの本質を突いた授業は、探求心あふれる生徒を育てます。さあ、あなたも知的な冒険に出かけましょう!

地球の自転を感じられる!? グリフィス天文台の大きな振り子~フーコーの振り子

執筆:北嶺中・高等学校 理科教諭 小林 恒気

地球は回っている?
 小学生のみなさん、こんにちは。みなさんは小さいころから地球が自ら回っているということを知っていましたか? おそらく多くの人は感じたこともなく、地球が回っていることすらも知らないという小学生もいるかもしれませんね。小学生の高学年になると地球が回っているなんて当たり前の話かもしれませんが、普段感じることも難しい地球の自転を感じられる場所があるんです。それがアメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス市内にあるグリフィス天文台です。

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地球の自転の速度
 地球は1日に1回転しています。地球1周が約4万kmですので、24時間で割ってみると赤道上における速さはなんと時速約1700kmもあります。これがどのくらい速いのか想像がつかないと思うので身近なものに例えてみましょう。
鉄道の営業車両として日本最速の東北新幹線E5系「はやぶさ」とE6系「こまち」の最高速度は時速320kmです。そして鉄道の有人走行としてギネス世界記録を持っているリニア中央新幹線の試験車両であっても時速603kmが最高速度です。
さらに目線を空に向けてみましょう。最新型のジェット機、ボーイング787の巡航速度(燃料の消費効率が最も良い速度)であっても時速910km程度です。
時速1700kmというのがいかに速いのか感じることができたのではないでしょうか?

なぜ地球の自転を感じないのか?
 ではなぜ地球上にいる私たちは地球の自転を感じないのでしょうか? それは「私たちが常に地球と同じスピード」で動いているからです。

 電車に乗った時のことを考えましょう。電車が止まっているときは当たり前ですが何も感じませんね。また、電車が発車するときや停車するときは、みなさんは後ろに引っ張られたり、前に引っ張られたりするように感じるはずです。それでは、一定速度(同じスピード)で走行している場合はどうでしょう? 上下に揺れることはあっても前後に引っ張られるような感覚はないのではないでしょうか?

  それはなぜかというと、「慣性の法則」が適用されるからです。これは簡単に言えば、止まっている物体は止まり続け、一定速度(同じスピード)で運動している物体はそのまま運動を続けるというものです。小学生のみなさんにとってはいきなり難しい言葉が出てきて焦っているかもしれませんが、安心してください。中学、高校と進んでいくうちにこの言葉を習う機会があると思います。ここで言いたいことは、「一定の速度(同じスピード)で動く物体とともに動いている人は何も感じない」ということです。

 地球上で何も感じないのもそれと似ていて、一定のスピードで回っている地球の表面にいる私たちは前後に引っ張られるような感覚を味わうことがないのです。(いきなり地球の自転が止まった時を考えたら恐ろしいですよね。)

フーコーの振り子の実験
 しかし、その自転を目で見て感じることができるのがグリフィス天文台にあるフーコーの振り子です。(写真は私が留学しているときに撮影したものです。) フーコーの振り子の名前の由来になった実験があります。それは1851年にフランスの物理学者レオン・フーコー( 1819~68 年)が行った、パリの神殿の天井に長さ67 mの針金を下げ、28 kg の鉄のおもりをつるした「地球の自転を証明する振り子の実験」です。
この実験では長い振り子が、長い時間をかけて位置をずらしていく様子が確認できます。 図1は北極で振り子の様子を上から見た図になります。振り子自身は回転していないのですが、地球が回転しているので、地球上にいる私たちからしたら振り子が回転しているように見えるのです。

実際に自転を感じてみよう
 北嶺では4年生(高校1年生)の最後にアメリカのボストンとニューヨークに行く海外研修があります。ボストン科学博物館にもフーコーの振り子がありますし、ニューヨークの国連本部ビルにもオランダから贈呈されたフーコーの振り子があり、地球が自転していることを常に証明し続けています。ちなみに札幌市青少年科学館や神戸市立青少年科学館(バンドー神戸青少年科学館)にもフーコーの振り子はあるので、機会があれば地球の自転を感じてみてください。どちらも見に行けばさらに興味深い事実を知ることができるでしょう。

 世の中にはもっと多くの不思議な事があります。「なぜそうなるのか?」という気持ちを大事にして、探求心を忘れずに勉学に励み、機会があればみなさんも北嶺生になって私と一緒に学びましょう。

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