【中学受験】佐藤ママが語る!我が家が受験で燃え尽きなかった理由

佐藤ママのお子様は中学受験でも相当な努力をされて、そこから大学受験も乗り越えて、かなり精神的な強さがあると感じます。世間では中学受験で燃え尽きて、そのまま高校に進学できず・・・というケースもあると耳にします。
佐藤ママのお子様たちが中学受験で燃え尽きず、その後の学校生活、受験がうまくいった要因を教えていただきたいです。
佐藤ママのお子様たちが中学受験で燃え尽きず、その後の学校生活、受験がうまくいった要因を教えていただきたいです。
子どもたちの受験で心がけたこと
我が家の受験について「精神的な強さがある」「とても頑張ったんですね」と言われたりしますが、「精神的に強い」って難しいですよね。人間はもともと弱いですから。それを「精神的に頑張れ」など、「頑張れ」とは私は言わなかったんです。「頑張る」のは難しいですよね。ですから頑張れなくても、なんか楽しく、目の前のことを一生懸命する・・・ということを日々積み重ねてきただけです。
子どもたちに「○○中学校に行くのよ」など固有名詞で彼らを縛るようなこと・・・例えば「灘中に行ってね。私たち親の夢だから」というようなことを、もし一言でも言えば、子どもたちをその枠にはめることになります。そうして子どもたちが、その枠の中で頑張らなくてはいけなくなったら、かわいそうですよね。子どもには子どもの人生がありますから。
我が家の場合、私自身が中学受験について知らなかったというのもよかったのかもしれません。関西の中学校のことは具体的には知りませんでしたので、「○○中学校」ということは一切言いませんでした。もちろん子どもが浜学園に通い始めてからは灘中などいろいろな学校のことを知るようになりましたが。
ですが私は中学校の名前で子どもを追い詰めるのはよくないと思いましたので、子どもたちに中学校名を言うことも、私自身が「特定の中学校に進学してほしい」という希望をもたないことも心がけました。
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保護者の欲と希望は・・・
子どもを育てるのに保護者の欲と希望が子どもをダメにするのではないかと考えます。保護者の欲と希望は、その人自身の人生から出てくるものです。そのようなもの・・・例えば自分が小学生時代に望んでいたことを子どもに覆いかぶせるのは、子どもに失礼ですしかわいそうですよね。子どもと保護者の人生は全くの別物です。保護者は、子どもに対しては、そういったものを捨てないといけませんね。自分の欲と希望は自分の人生でなんとかするべきです。
私は長男が生まれたときに、親の欲や希望を子どもにかぶせることはしないでおこうということと、子どもが成長したときに○○中学校や□□大学など言わずに、進学は子どもの偏差値を考えて合格しそうならばその学校に入学すればよいと考えていました。合格からほど遠いのに「どうしても、この学校に進学してほしい」というのは、合格しない限り意味がないと思うのです。
受験は、するべきことを、きちんとするだけ
中学受験において相当な努力を・・・と言われますが、それはただ浜学園の宿題をきちんとこなして、見直して、テストを受けて、テスト直しをして・・・ということをしたというだけです。これは皆がしていたことですので、相当な努力かどうかはわかりません。ただ、我が家も子どもが小学5年生までは同じことを何回も間違えても「またテストの時に間違えなければいいよ」という感じでしたが、6年生になっても「次のテストで間違えなければいい」などといい加減に考えていたら「次」に出題されるのが入試本番かもしれない・・・と思うようになりました。
ですから子どもたちには、5年生まではともかく、6年生になったら「間違えて、いい加減な見直しをしていたら入試本番で出題されて合格を逃すよ」「覚えることはきちんと覚えないといけない」「計算も正確に合わせないといけないよ」など「6年生では覚悟して学ばないといけない」ということを伝えました。6年生は後がないのです。腹をくくって、どの範囲も手薄にならないように注意しました。
これは相当な努力というよりは、どれだけレベルを上げられるかですね。これは子どもそれぞれの能力や得手不得手にもよりますから、できるだけ伸びたらよいか・・・という感じで捉えていました。
大学受験についても「乗り越えて」と言われるのですが、乗り越えるのではなく、イベントのように受験して合格したという感じにした方がよいと思います。「乗り越える」と言うと辛くなりますよね。人生には乗り越えなくてはならないことが、たくさんありますから。
私は「乗り越える」と思うような受験とは異なる受験をしたいと考えたのです。
「大学受験を乗り越えて」「つらい受験を乗り越えて」ではなく、淡々と苦手なところはきちんと押さえるなどをしていくだけです。
「精神的な強さ」とは意地でどうこうできるようなものではないと思うのです。苦手なことをきちんとする、嫌なこと面倒なことも、覚えなくてはならないことも、きちんとするというようなことを繰り返してきただけだと思うのです。
「受験」の捉え方
「中学受験で燃え尽きる」のは、周りがいろいろと言い過ぎた場合に起こりうるのかもしれません。中学受験は11~12歳の小学6年生がするので。やはり体格もまだ小さいですし、精神的にもまだ弱いところもあります。そこへ周りからいろいろと言われたり、宿題の回し方が上手くいかなくて睡眠時間が削られたりすると、たいへんです。睡眠が足りず遊ぶこともできず、ただ塾に通うだけで、テストを受けて結果が悪ければ家で文句を言われて、偏差値でも小言を言われて、志望校についてもいろいろ言われて・・・であれば、燃え尽きるのもわかる気がします。11~12歳に、そのような辛い受験をさせてはいけないと思うのです。子どもたちが100歳近くまで生きた時に「小学6年生の時の受験、宿題など多かったけれど、なかなか楽しかったよね」という受験じゃないと・・・と私は思っていたのです。
11~12歳は人生の通過点ですから、合不合はあれど思い出で語れるようにしたいものです。少なくとも保護者がそういう捉え方をしておいた方がよいのではないでしょうか。
入学にあたって心得ておくこと
高校に進学できずというお話ですが、それに関してはいろいろとあるとは思います。私は「子どもたちにどのように中高6年間を過ごさせたいか」を考えましたし、子どもたちに長い人生の中で、この6年間がどういう位置づけなのかということを話していました。中高生の期間はピチピチの青春時代ですから、人間関係などは彼らに任せて、私は詳細に触れることはしませんでした。
勉強に関しては、子どもたちに「大学受験をしたいのであれば授業の内容を受験レベルに上げるまで3年かかると見込んで高1からは受験期として頑張る必要があるけれど、中学3年間は頑張って遊んでほしい。ただし、高校の勉強は中学校の内容がわかっていないといけないので、中学3年間は部活動に熱中したり遊んだりしても、中間・期末考査だけは、しっかりと押さえておきなさい」と伝えました。
定期考査の出題範囲などを親に見せるように言いましたし、テストの答案用紙も私が保管していました。ただ、成績についてはとやかく言いませんでした。
私は、中学の定期考査を押さえておかないと全く学ばないまま高校生になってしまい、そうすると大学受験に間に合わないと思ったのです。高校に進学してからは大学受験に備えて塾などに通えばいいとも考えていました。
高校進学に大切なのは、中学校時代の定期考査をおろそかにせず、わからないところを雪だるま式に大きくしないことです。
中学校に入学したからと言って安心せず、中1の定期考査をまず大事にしてください。中高一貫校は勉強の進度も早いですから。
定期考査を押さえるために、授業を聞いて板書して宿題をこなして提出物を出す・・・学生として当然のことをちゃんとしようと私は子どもたちに言っていました。それらをしていれば十分だと私は考えていたので、いちいちノートをチェックすることなどはなかったです。
中学校に進学したら、まず中学1年生の中間・期末考査を大事にして、保護者の方もできるだけ面倒をみていただきたいと思います。私も社会や国語の古文の勉強などは子どもに付き合っていました。18歳までは目を離さないでいてほしいと思います。
POINT
- 保護者の欲や希望を子どもにかぶせないで
- 受験は「乗り越える」のではなく「するべきことを、きちんとする」もの
- 中学校に入学したからといって保護者が勉強から目を離すべきではない
- 中学校の中間・期末考査を大事にする
この「佐藤ママが語る!」では、灘中へ3人合格、お嬢様は洛南中に合格され、そして東大理Ⅲへ全員進学された佐藤ママこと佐藤亮子(浜学園アドバイザー)さんのノウハウを紹介していきます。
※このコンテンツはYouTube佐藤ママチャンネル(https://youtu.be/chD2OBntkoc?si=AaDA4VmAvCn60KN4)を参考にまとめています。
進学教室浜学園