【中学受験】要領よく暗記する方法はありますか?…浜学園学園長がお答えします!
小4女子の保護者です。娘は理科や社会のような暗記から始まる科目が苦手なようです。そして同じような問題を何回やっても思い出せないらしく、回答に時間がかかっているようです。覚えていないのなら、早く解答やテキストなどで確認すればよいのに、それもしません。要領よく覚える方法はないものでしょうか。
要領よく覚える方法は・・・
突き放したような言い方になるかもしれませんが・・・要領よく覚える方法は、ありません。実は要領というのは、苦労して必死に覚えた後に、身につくとか、編み出すとか・・・ができるものなのです。各々が、一生懸命に覚えたり、必死になって真正面からぶつかってみたりしたものの、なかなか覚えられない・・・そのうえ「もうすぐテストだ!」と焦る。そういった中で、なんとか「忘れないようにしたい」「覚えたい」と思ったときに、自分で要領を考え始めるのです。
それを、例えば誰かが「自分がこうしてきた」と言って一般化したものが、「語呂合わせ」のように言われるのです。語呂合わせも、一回覚えた後に忘れないようにするために考えたものですからね。このように、苦労の末に「こうしたら記憶に残るな」と自分で考えて編み出したことで、人は忘れないようになるのです。
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まずは地道に覚えることが大切
ですから、いきなり語呂合わせから入るというのが正しいかというと、それは違います。特に、これから受験勉強をしていくうちに、一問一答の知識以上のものも求められるようになっていきますから、表現力が必要になったり、これまで見たこともないような資料にふれてみたりするでしょう。
こういう時には語呂合わせというよりは、一生懸命に勉強している中で、自分で理由付けや背景などを利用して覚えようとすることが大切です。そして、まったく何も覚えずに表現できることなんて無いのですから、まずはそれをしなければいけないのです。
「覚えたことを忘れる」のを恐れない
ある程度うまく覚えられるようになるためには、最初はどうしても、しんどい思いをします。最初から要領よくとは、なかなかいかないということです。ですが、小学校高学年くらいになってくると、人間が生きている中で一番、記憶力のキャパシティーがある年代だと思いますから、頑張ることはできるのです。
ただ大人から見て歯がゆいのは、切羽詰まって、どうやって忘れないでおくようにするかということまでは、まだできない点です。そのため、これは子どもにはかわいそうなのですが、すぐに忘れる「暗記」なのです。でも実は、それで構わないのです。
人間は2~3日経てば、3割くらいは記憶から消えていくものなのです。そして、記憶が消えていくことや、覚えきれていないことを恐れないように・・・と私はよく言います。
それらを、また元に戻そうとする時に、覚えようとした経験が全くないのではなく「あの時に必死になって、こうやって覚えようと思ったな。でも、忘れたな」というのであれば、「どうすればこの記憶を残すことができるかな?」と自分に思わせるのです。この役割がテストであったりするのです。「テストがあるから何とかしなきゃ」と思えるのです。
こういうところから、要領というものができるようになるのです。
こまめに、工夫をしながら
「何回やっても」というのであれば、ぜひ少ない数・短い時間で毎日覚えたりしてみてください。一度にたくさんのものを覚えようとするから、どんどん忘れていくのです。「いつまでに」「これだけ」覚えなくてはならないのであれば、「覚えなくてはならないものの数」を「日数」で割ってみて、少しずつ覚えていくという感覚をもつのです。
一方、一通りの一問一答・・・例えば、あるテキストに載っている「1600年に関ヶ原の戦いで勝利したのは?」という問いには「徳川家康」と答える・・・というパターンばかりを覚えたところで、今度は「1603年に江戸幕府を開いた人物は?」という問いには答えられなかったりします。
ワンパターンしか覚えていなかったら、このようにテストで少し表現を変えて出題された時に答えられないのです。
もし保護者の方にご協力いただけるのであれば、「1600年、関ヶ原の戦いで勝利したのは?」という問いに子どもが「徳川家康」と答えたのなら、逆に保護者の方が「徳川家康って、どんな人?」と聞いてみてください。そうすると一問一答で覚えた子どもも「関ヶ原の戦いで勝った人!」と答えるようになるでしょう。
保護者の方は、お子さんより知識がありますから、お子さんの回答に少し補足をしてあげたり、「テキストに、こう載っていたね」と言ってあげたりすると、記憶として残りやすくなるかもしれません。
いろいろなことを試してみることで、実は、質問者の方がおっしゃっている「要領」というものが身につくのかもしれません。ぜひ、がんばってください。
まとめ
- 要領は覚えるために苦労をした末にできるもの
- 覚えたものを忘れることを恐れず取り組み続ける
- 覚えなくてはならない量を日割りして毎日少しずつする
- パターンを変えて柔軟に覚える
この「それ浜学園がお答えしましょう!」では、灘中合格者数累計3296名、20年連続、39回の合格者数日本一(2024年度実績)を達成した「浜学園」の松本学園長が、中学受験や子育て情報をお届けします。
※このコンテンツはYouTube【中学受験】進学教室浜学園チャンネル(https://youtu.be/BoxCN6Xk3KY?si=qoR8_xU-dFdORBPb)を参考にまとめています。
進学教室浜学園