【中学受験】クラスが下がったときの対処法…浜学園学園長がお答えします!
小5男子の保護者です。日々頑張り、やっと塾のクラスが上がりました。しかし、上のクラスは難しいと思い込んでいるのか、宿題をこなすことが難しくなりました。その結果、次のクラス替えで下のクラスに落ちてしまいました。
このままでは志望校にはとても届きそうにありません。どのようにフォローしたらよいでしょうか。それとも思い切って受験をやめた方がよいのでしょうか。とても悩んでいます。どうかアドバイスをお願いします。
このままでは志望校にはとても届きそうにありません。どのようにフォローしたらよいでしょうか。それとも思い切って受験をやめた方がよいのでしょうか。とても悩んでいます。どうかアドバイスをお願いします。
受験塾のクラス替えに対する考え方
中学受験塾では、能力別クラス編成になっているところが多いですから、このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。浜学園でも、2か月単位でテストの結果に応じてクラス替えをしています。
これはよく知られていないことなのですが、浜学園の場合、どのクラス帯であっても進み方は一緒です。どのクラスでも原理原則の学びは同じことをします。ただ、クラスによってその深みが違うのです。
例えば算数ですと、計算の仕方はどのクラスも同じです。しかし、標準クラスでは3桁までしかやりませんが、高いレベルのクラスになったら4桁、更に上のクラスなら5桁までやったりするということがあります。このように、計算のやり方や理屈、原理原則は同じように進んでいきますが、深さが違う、こういうスタイルなんですね。
そうしますと、クラスによって、テキストの中で進む範囲、ページが決まっています。原理原則は一緒ですから始まりのページは一緒です。そして、クラスのレベルによって、どこまでのページをやるのかが違ってきます。それぞれのクラスで習った単元の復習テストを次の週にします。そのときに、標準クラスはここまでの範囲、その上や更にその上のクラスは、もっと深いところまでの範囲でテストが行われます。このような仕組みになっているのです。
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難しいと感じるのは当たり前なのです
例えばいちばん基本的なものがAレベル、次がBレベル、その次がCレベルとします。クラスが上がると、それまではAレベルの問題で良かったのが、Bレベルの問題をやることになります。するとBレベルの問題は難しく感じ、ここの問題ができないと上のクラスにはついていけないと思ってしまうのです。
実はクラスが上がるというのは、Aレベルの問題がきちんと解けるようになったということであって、決してBクラスの問題が解けるからクラスが上がったというわけではないのです。
そして、上のクラスではBレベルの問題で悩むようにテストが作られているのです。ですから、難しく感じるのは当たり前のことなのです。Bクラスの問題で悩んでもらうために、クラスが上がったともいえるのです。しかし、その分Aクラスの問題はきちんと解けなければなりません。
更に上のクラスの場合、Bレベルの問題はきちんと解けたうえで、Cレベルの問題で悩むようになっています。
ですから、クラス設定の「できるはずの問題」のレベルが解けなくては困ります。しかし、悩むレベルの問題を楽々解けるようでは、クラスのレベルが合っていないことになります。実力を伸ばすためには、「確実に解けるレベルと悩まないと解けないレベルの問題がある」クラス設定であることも重要な要素です。
少しずつ解決していけばよいのです
小学生の成長段階は、子どもによってさまざまで、入塾した時期も違いますから、同じ学年の生徒でもレベルはそれぞれで、難しいレベルの問題もすべて解けなければならないと考えたら、自分には無理だと思ってしまうのかもしれません。特に、クラスが上がった時は、難しく感じるのは当然です。ですから、悩みながら解くことが当たり前で、わからない問題は、解説を見たり、質問にいったりしながら、少しずつわからなさを解消しながら進めていけばよいのです。悩まずに解けるようなら、更に上のクラスに上がらなければいけないということです。
そのクラスの皆ができる問題を宿題に出しているわけではありません。悩むように出しています。そして、それを悩みながら少しずつ消化していき、テストでできるようになっているか確認しているのです。わかったつもりになっている問題もあると思います。こういった問題も見つけるために復習テストをしているのです。ですから、そこでできなければ、「あ、これ抜けてた」「見つかってよかった」と思えばよいのです。
クラスの上がり下がりは当然あること
クラスの上がり下がりは当然あることで、逆に言うと、自分に合っていないクラスで実力とかけ離れた問題をするくらいなら、自分のレベルにあったクラスで、解けるべき問題をしっかりと解けるようにしたうえで、少し上の問題に悩むようにした方がよいのです。その意識をもっていれば、むしろ、クラスが下がったとしても、できる部分の基礎固めをしっかりとして、挽回をしていくと考えればよいでしょう。ご相談者さんは小学5年生ですので、算数では「速さと比」などを習う学年ですね。中学受験でも肝になるような単元を習う時に、実力と離れたクラスでできない問題ばかりをするよりも、できる問題もあれば、難しい問題もあり、ちょっと負荷がかかるくらいのクラスでしっかりと実力をつけていくのです。そのような考えでいけば、6年生の前半でとても伸びる子がいます。かけ離れたクラスで疲弊してしまうより、足元をみていただいて、6年生の夏くらいまでにしっかりと地固めをしていただくのが大事だと思います。
まとめ
- 中学受験塾ではどのクラスでも原理原則の学びは同じだが、深みが違う場合が多い
- 簡単すぎず、しかし少し悩むくらいのクラスにいることが大切
- クラスの上がり下がりはあって当然と心得る
- 実力にあったクラスで、基礎固めをしていくことが重要
この「それ浜学園がお答えしましょう!」では、灘中合格者数累計3296名、20年連続、39回の合格者数日本一(2024年度実績)を達成した「浜学園」の松本学園長が、中学受験や子育て情報をお届けします。
※このコンテンツはYouTube【中学受験】進学教室浜学園チャンネル(https://youtu.be/wG978_qESvU?si=6pKepKWgxMqlbx9o)を参考にまとめています。
進学教室浜学園