【中学受験】有名中学現役教諭の”社会”特別授業~EXPO2025~

有名中の授業は、好奇心をくすぐる仕掛けが盛りだくさん。そして、学ぶことの本質を突いた授業は、探求心あふれる生徒を育てます。さあ、あなたも知的な冒険に出かけましょう!
EXPO2025
執筆:北嶺中・高等学校 社会科教諭 金子孝良
パリ・オリンピックでの日本の活躍
みなさんは、夏のパリ・オリンピックを見ましたか。新しく公式競技となった「ブレイキン」においてもダンサーAMIこと湯浅亜実さんが初代の金メダリストとなるなど、日本は金メダル20個で世界第3位、海外で行われたオリンピックでは過去最高の計45個のメダルを獲得した、素晴らしい成績でしたね。もっと読む
2025年いよいよEXPO 2025 大阪・関西万博の開催
ところで、日本でも世界的なイベントが開かれるのは知っていますか。2025年4月から10月に大阪で万国博覧会が開かれます。会場は大阪市の海を埋め立てた人工島の夢洲(ゆめしま)です。万国博覧会では、世界の国と地域がそれぞれの文化や最新の技術を展示します。また、地球規模のさまざまな課題に取り組み、これからの社会に役立つと思われるものを発表する場でもあるのです。今回の大阪・関西万博では「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、およそ160の国と地域が参加して、来場者は2820万人になると予想されています。万博会場を代表するシンボルは、木製の大屋根「リング」でしょう。これは屋根付きの丸い世界最大級の木造建築物です。
万国博覧会の歴史
万国博覧会の歴史を少し振り返ってみましょう。第1回の開催は1851年、イギリスのロンドンでした。万国博覧会は、イギリスが産業革命の成果を大いに世界へ見せる舞台となり、鉄の柱とガラスでできた「水晶宮(クリスタルパレス)」という美しい建物やさまざまな機械が展示されました。1889年のパリ万博では、フランス革命が起きて100周年を記念して、あのエッフェル塔が建設されました。みなさんも、大阪市にある通天閣はエッフェル塔と凱旋門をモデルに造られたのは知っているでしょう。
日本開催の万国博覧会
日本で最初の万国博覧会は1940年に東京で開かれるはずでしたが、日中戦争が続いており中止せざるをえませんでした。その後には太平洋戦争があり、敗戦して焼け野原となった日本ですが、1970年にアジアで最初に開催されたのが大阪万博でした。テーマは「人類の進歩と調和」。アメリカの宇宙船「アポロ」が持ち帰った『月の石』や芸術家の岡本太郎さんがデザインして制作した「太陽の塔」などが人気となり6400万人が訪れ、戦争からの復興と高度経済成長の象徴となりました。ちなみに、その「太陽の塔」は現在、吹田市の万博記念公園にあり、予約をすれば塔内を見て回ることができますよ。1970年の大阪万博の後も日本ではたびたび万博が開かれました。1975年の沖縄海洋博、1985年のつくば科学万博、1990年の大阪花の万博、そして前回、およそ20年前2005年の「愛・地球博」愛知万博でした。