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【中学受験】佐藤ママが語る!過去問・・・我が家は、こう使っていました

佐藤さんは、お子さんに志望校の過去問を20年分ほど解かせたと聞きましたが、どの時期にどのように解かせたのですか?

19年分の過去問を解くと決めた理由
  それは、あくまでも我が家の三男の場合に限ってのお話です。 19年分の灘中学校の過去問を集めて三男に解かせました。なぜ三男に、そのようにさせたのかと言いますと、彼に精神的なプレッシャーがかかっていると感じたからです。

彼の兄2人が灘中学校に通っていたので、家に「灘中」と書かれた体操服が干されているのを見たりすると、三男は「自分も灘中にいかなくちゃ」「灘中にいきたい」と思っているのに「まだ自分は通えていない」という気持ちになっていたようなのです。家の中に、あの校門の内側の人間と外側の人間がいる・・・複雑な心境だったのです。

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子ども自身も気づかないほどのプレッシャー
  19年分の過去問を集めて9月1日から開始しました。というのも8月の「灘中オープン模擬入試」の算数で、とんでもなく低い点数を取っていたからです。私も驚きました。答案用紙をめくっても、めくっても丸がついていないんです。丸がついているのが2問だけ。
ただし、私は三男には怒らずに、解き直しをさせました。すると1問目からずっと解けるんです。

それを見て、私はゾッとしました。実力がないなら実力をつければよいのですが、「わかっているのに解けなかった」のは相当プレッシャーを感じていたと思ったからです。このことを、私は三男本人にも伝えました。
三男本人は、自分のプレッシャーには気づいていなかったようです。よく寝てよく食べていましたし、表情に何も出ていなかったので、私もその時まで気づきませんでした。

そこで私から「灘の模擬試験など、いろいろとあるけれど、とりあえず灘中の本物の過去問をやろうよ!」とはたらきかけました。「灘中の先生は、いったいどんな問題を出すのか、見ておかないとね」とも言って。

過去問を始めるまでの経緯と使い方の工夫
  そういう方向性にしたのには考えがありました。
最初は、塾の4年~6年のテキストや復習テスト・公開学力テストを見直すことも考えたのですが、「子どもは1回やったものはやりたくないと思いがち」と私は思っていたので、きっと三男も授業のテキストやテスト類は解き直しも済んでいるし、もうやりたくないだろう、新しい問題をしたいだろうと判断したわけです。それで過去問をすることに決めました。

そこから私はずっと過去問のコピーをしました。19年分を4部作って、全部クリアファイルに入れて、ズラーっと並べたのです。
私は三男に「これをやれば灘中に通るから」と言いました。ただ「がんばれ」と言うより、「これだけの量をやれば通るから」と言って「量」を見せたのです。この「量」をこなして減らしていけばいいのです。そうすると三男も「なるほど」と言っていました。

ただ、小6でしたから、毎日夜遅くまで塾の宿題にかかっていて、どうしても時間が捻出できなかったので「悪いけれど、ママに1時間くれる?」と三男に言って宿題の後の1時間で過去問をするようになりました。就寝時間は少し遅くなりましたが・・・。

実は私も、過去問は1回やったら、もう使えないと思っていましたし、試験と同じ時間を計って取り組むものだという思い込みもありました。しかし1時間で1年分の過去問をするのは無理ですから、私はやり方を考えました。 子どもも普段の通塾と宿題で疲れていますしね。そのようなコンディションで中学校の先生方が渾身の力で作った問題を何問も解くのは困難だと思ったのです。

そこで「今日は算数を1問、国語を1問、理科を1問しよう」と、科目もバラバラにして、時間も計らず、どんな問題が出るかを知るということにして1時間におさめてやっていきました。こうすると、意外とできたのです。

過去問を解いた回数と、たどり着いた境地
10月の終わりくらいに1回目の過去問19年分が終了しました。そして2回目は、制限時間を少し短くして解いたり、国語は知識問題だけしたり(読解は問題文を一度読んでいるので省略しました)、得意な理科は間違えた問題だけにしたりして短縮してやりました。それが11月の中旬か終盤に終わって、3回目に突入するのですが、その時は算数が気がかりだったので、とにかく算数だけは制限時間を10分ほど短くして全部解かせました。この時も国語は知識分野だけ、理科も間違えた問題だけにしました。

4回目に入って、算数だけをやっていたのですが、ある時、三男が「もう、いいわ。僕は新しい問題が見たくなった」「今度の入試問題を予想できる」と言い始めたのです。19年分の流れを覚えたので、「今度の入試の算数は1問目が○○で、2問目が××・・・というのが出るかも」「理科は、こういう分野が出るかも」とも言い始めました。私はそれを聞いて「これは合格するな」と思いました。
その後は過去問のスピードを緩めて、塾の問題集などをしようという方向にしていきました。結局、この時で3.5回、過去問を回したことになります。

過去問を解き続けたことによる変化
私が三男の合格を確信したできごとは他にもありました。小6の1月の最初に改めて灘中学校の問題をきちんと解いた時のことです。答案用紙への書き方や筆圧、字の大きさやスピード感が、それまでと違っていたのです。これらを見れば、どれくらいのスピードで問題を解いたのかがわかりますからね。スピード感もあって筆圧もほどほどにあって、ちゃんと書いてあって、長男・次男の答案用紙かと思うくらいだったのです。それを見て「絶対、合格する」と思いました。もちろん、この時の私の確信は入試前の子どもには言いませんでしたけれど。

これらのことを振り返って、やはり量が大事だと私は思います。三男を見て、量をこなせば質に転化するのだと思いました。
最初、三男は筆圧が濃くて鉛筆の動きが悪いな・・・と私は感じていたのですが、あれだけの量の過去問をこなしたら、筆圧がほどほどになり、字もきれいになり、計算も丁寧になって、完璧と言えるほどの答案ができあがるようになったのです。

過去問は入試への道しるべ
時間を計って過去問を解くのが辛ければ最初は計らずにやってよいでしょうし、問題や科目もバラバラにして始めるなど工夫しながら使えばよいと考えます。そうしながらも、たくさん解くのがよいと私は思いました。

過去問を何度も解くと覚えてしまうのでは?と思われるでしょうが、私は覚えるほどやっていいと思います。問題を覚えることは、よくない印象をもたれがちですが、過去問の算数の2回目・3回目では解き方の方針を立てるのがどんどん早くなって解き方も正確になって、同じ問題でもレベルアップしているのがわかりましたから。

過去問を解くことで「時間配分」「内容」「学校のクセ」を把握したうえで入試に臨むことができます。ただし過去問は本物の試験問題なので、やはり難しいです。ですから、過去問を解けるほどの実力を秋までにつけておくことが大切です。

POINT

 
  • 各科目から1問ずつ抽出して解くなど、過去問は工夫して使ってよい
  • 量をこなせば質に転化する
  • 過去問を解くことは、学校ごとの入試の方向性を把握するカギ

この「佐藤ママが語る!」では、灘中へ3人合格、お嬢様は洛南中に合格され、そして東大理Ⅲへ全員進学された佐藤ママこと佐藤亮子(浜学園アドバイザー)さんのノウハウを紹介していきます。 ※このコンテンツはYouTube佐藤ママチャンネル(https://youtu.be/G5gdozdcZ-8?si=lVc4lUjKWP5baQjV)を参考にまとめています。
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